デッドバグは、主に腹筋を鍛えるエクササイズで、初心者や女性の方にオススメのエクササイズです。今回は、デッドバッグのやり方及びポイントをご紹介します。
デッドバグは英語表記で「Dead Bug」で、Dead=死んだ、Bug=虫を意味しています。デッドバグは仰向けになった状態で手足を動かすため、「死んだ虫」という名前がつけられました。
以上の説明だと、デッドバグがどのようなエクササイズかを想像するのは中々難しいですが、簡単に表すと、仰向けになった状態で左右の手脚を交互に動かすエクササイズです。このため、デッドバグのエクササイズ自体は他のエクササイズと似ている部分もありますが、「左右交互の動作を一般的なエクササイズほど筋肉の動きを意識しない」という点がデッドバグの特徴的な点です(このため、一般的な筋トレよりも負荷が低くなりますが、全く筋肉の動きを意識しなくて良いというわけではないことには注意しましょう)。
デッドバグは、基本的には複雑な動きはなく、また、ダンベルやバーベルを用いたトレーニングのように、動作の途中に極端に負荷がかかるということもありません。また、デッドバグは、手脚を動かせば実施可能です。以上から、デッドバグは、エクササイズ強度及び難易度が低いエクササイズであると言え、そのため、女性、筋トレ初心者の方にもおすすめできるエクササイズです。
デッドバグは、特定のトレーニング道具を揃える必要がなく、広いスペースも入りません。言い換えれば、後述するように、家でも寝転がるスペースがあれば、いつでも短時間でできるエクササイズであることから、忙しい方にもおすすめです。
デッドバグは、後述するように、左右の手脚を動かすエクササイズです。そのため、頭の体操にもなりますので、脳が活性化され老化予防にもなることから、高齢者の方にもおすすめのエクササイズです。
デッドバグは、後述するように、仰向けになった状態で手脚を動かす動作であり、エクササイズの負荷も高くありません。前述した通り、実施する場所を選ばず、家でも実施することができるエクササイズです。以上の理由から、デッドバグは、家で、例えばテレビを見ながらでも実施することもできます。これは言い換えれば、「デッドバグをするために特別な時間を設ける必要がない」ということであり、忙しいという方でも、例えば、寝る前やお風呂上がりの隙間時間において、例えば、テレビを見ながら実施するということも可能です。
デッドバグは、前述したように腹筋の大部分を鍛えることが期待でき、また、大臀筋を鍛えることが期待できます。これらの筋肉は、他のエクササイズを実施する上で、副次的に身体をサポートする筋肉であるため、鍛えることで、その他のエクササイズをより効率よく実施するようになることが期待できます。特に、筋トレ初心者の場合には、筋トレをする上での最低限の筋肉が十分でないことが多いため、デッドバグを実施することでトレーニングをする上で最低限の筋肉を付けることを期待できます。
腹直筋とは、お腹の部分にある筋肉です。腹直筋と聞くと、なんとなく馴染みのない感じがしてしまいますが、所謂、我々が「腹筋」と呼ぶ筋肉は腹直筋を指します(厳密には、腹筋は、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋の総称であると想定されます)。
筋トレを少ししたことがある人ならば、「シックスパック」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、シックスパックとは特に腹直筋が身体の表面に浮き出た状態を指します(シックスパックは人によって様々な形をしており、エイトパックだったり、フォーパックだったりします)。これだけを聞くと、「女性が実施する意味があるのか」と感じる方もいるかもしれませんが、お腹まわりをすっきりさせるという意味で女性にも非常に重要な筋肉です。
自身のお腹を見てみるとわかりますが、お腹は縦に比較的長くなっており、このことから腹直筋は上部と下部に分けることができます。バランスの良い腹直筋を作るためには、両者をしっかり鍛える必要がありますが、特に重要なのが、腹直筋の下部です。腹直筋の上部は、脂肪が薄いため、エクササイズを実施すると比較的すぐに効果を実感できる部位です。一方、腹直筋の下部は、一般的には脂肪が厚いため、かなりしつこくエクササイズをすることに加えて、有酸素運動をしないとなかなか効果を実感することが難しい部位です。
腹直筋を鍛えることで、特にお腹周りについている脂肪を燃焼することを期待できます。これにより、お腹周りをすっきりさせることが期待できますが、腹直筋だけを鍛えるということで得られる効果は限定的です。腹直筋を鍛えてお腹周りをすっきりさせたい場合には、腹直筋を鍛えるエクササイズに加えて有酸素運動や食事制限を行う必要があります。これは、シックスパックを作りたい際にも同様であり、シックスパックをしっかり出したい場合にはかなりの計画的な有酸素運動、もしくは食事制限を実施する必要があります。
腹直筋を鍛えることでお腹周りをすっきりさせるということは注意も必要です。つまり、腹直筋をつけることでウエストが太くなってしまう可能性もあるという点です。このため、ウエストを太くしたくないという方は、むしろ腹直筋を鍛えすぎないように注意する必要があります。
腹直筋は、身体の中ではそこまで大きな筋肉ではありません。そもそも、腹直筋が分類される腹筋は身体の中でも大きい筋肉ではないため、例えば、大腿四頭筋や大臀筋といった身体の中で筋肉が大きい部位と比較すると、鍛えることでの代謝の改善効果は限定的です。それでも、腹直筋は、腹筋の中では最も大きい筋肉であり、これにより、鍛えることで基礎代謝の改善効果を期待できます。代謝を改善するということは、脂肪を燃焼させやすい身体を作るということであり、これによりダイエット効果を期待できます。
腹直筋は、前述した通り腹筋に分類される筋肉であり、腹筋は背筋とともに上半身を支える筋肉です。これにより、腹直筋を鍛えることで上半身をしっかり支えることができるようになります。腰痛が発生するメカニズムは、上半身の重さを支えることができなくなることで姿勢が悪化し、これにより、腹筋と背筋のバランスが崩れることで、上半身と下半身の付け根である腰に負担がかかってしまうということです。特に、背筋は日常的に使用する機会が多い筋肉であるものの、腹筋は意識的に使用しないと鍛えることが難しい部位です。以上から、腹直筋を鍛えることで腹筋と背筋のバランスを改善することを期待でき、これにより、腰痛の予防はもちろんですが、既に腰痛を抱えている方も腰痛を改善することを期待できます。
姿勢が悪い状態というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、もしくは、腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。一方、反り腰は、猫背を治そうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生しているということが言え、姿勢の改善を行うためには猫背の改善を行う必要があります。
猫背の大元の原因を紐解くと、骨盤の歪みが挙げられます。ここで、腹直筋には骨盤の角度を調整する働きがあります。腹直筋に十分な刺激を与えていないと、腹直筋が凝り固まり、これにより、骨盤の角度調整機能が十分な役割を果たさず、骨盤が後傾するようになります。このため、腹直筋を鍛えることで骨盤を正しい位置に戻すことを期待でき、これにより猫背を改善して姿勢改善効果を期待できます。
便を排出する結腸は上半身と下半身をつなぐインナーマッスルである腸腰筋の内側にあります。便を排出するということは、大腸のぜんどう運動が関係していますが、便秘の人の中にはこのぜんどう運動の能力が低下している場合があり、これを弛緩性便秘と呼びます。弛緩性便秘になると、便が大腸内に滞留する時間が長くなることで、便の水分が低下することで便を排出しにくくなります。腹直筋を鍛えると、身体が力む作用を促進させ、これによりぜんどう運動の働きを補助する役割があり、これにより、便秘の改善を期待できます。
ただ、腹直筋を鍛えることで改善できる便秘は一部であるため、腹直筋を鍛えても便秘が治らない場合にはそもそも弛緩性便秘でない可能性もあるため、病院の受診も視野に入れましょう。
腹斜筋は、肋骨から骨盤にかけて走る筋肉である、外腹斜筋と内腹斜筋の総称です(イメージとしては横腹やや上かについている筋肉です)。
外腹斜筋と内腹斜筋は、この筋肉の名前が指す通り、外腹斜筋が外側にあり、その内側に内腹斜筋があります。外腹斜筋の方が肋骨から骨盤に走っており、内腹斜筋は横腹に走っています。
腹斜筋は、身体の中で筋肉のサイズが小さいと言われている腹筋の中でもさらに小さい筋肉です。このため、サイドベントもしくはダンベルサイドベントのように、腹斜筋を鍛えることができるエクササイズがあるものの的確に刺激を与えることが比較的難しい部位です。だからこそ、エクササイズ中は、腹斜筋を意識するというマインドマッスルコネクションや、息を吸うタイミング、吐くタイミングをしっかり意識して実施することが重要です。
腹斜筋を鍛えることで、 男性ならば完成度の高い腹筋に見えること、女性ならばくびれが目立つようになること、男女問わず内臓を正しい位置に保つ働きを期待できます。
腹筋というと、多くの人はシックスパックに代表される腹直筋をイメージしがちです。確かに、腹直筋を鍛え、体重を落とすことで、腹筋の象徴とも言えるシックスパックを作り出すことが可能です。しかし、例えば、ボディメイキング的な観点で考えると、それだけでは完成度の高い腹筋とは言えません。なぜならば、シックスパックだけが鍛えられた腹筋の場合、身体をトータルで見たときに腹筋がやや孤立しているようなイメージになるからです。大胸筋や大円筋部周辺部からの連続的な腹筋を実現するためには腹斜筋を鍛える必要があり、腹斜筋を鍛えることで非常に完成度の高い腹筋を有しているように見えることが期待できます。
腹斜筋は、前述したように「ほぼ」横腹に相当する筋肉です。このため、腹斜筋を鍛えることで横腹に付いている無駄な脂肪を燃焼させることを期待できます。これにより、特に女性では、くびれが目立つようになることを期待できます。
一方で、横腹の脂肪を直接減らすことを目的にするならば、腹斜筋とともに腹横筋を鍛えることが非常に重要です。腹横筋は、通称、コルセット筋とも呼ばれる筋肉であり、ウエストを細く保つ働きがあります。ダンベルサイドベントの動作自体で腹横筋に刺激を与えることは難しいものの、呼吸を工夫すれば腹横筋に刺激を与えることができる可能性があり、これにより、よりくびれを目立たせることが期待できます。
一見すると、身体を鍛えるという側面で、内臓の位置関係が関係あるのかと感じますが、内臓の位置関係はお腹のでかたに関係しています。つまり、「内臓を正しい位置に保つ」という効果は、「お腹周りをすっきりさせる」効果とも表現できます。これは、腹腔(腹部臓器が収納されている領域)の内圧が低いと内臓が下方向に移動することがわかっており、これにより、下っ腹が出たような状態になってしまいます。腹腔の内圧を高めるためには、外側から締め付ける力を強くする必要があり、そのために、腹斜筋を鍛えることが有効です。
腹横筋は、横腹についている筋肉であり、腹筋では最も深層にある筋肉です。このため、腹横筋は筋肉の種類としてはインナーマッスルに分類されます。
腹横筋は、コルセット筋とも呼ばれます。コルセットとは、ウエスト周りを締め付けることでウエストラインを矯正する器具であり、腹横筋もコルセットと同様にウエストを締め付けることでウエストラインをタイトに保つ役割があります。また、コルセットの役割を果たしていることから推察できる通り腰痛を予防する役割もあります。
腹横筋は、前述した通りお腹の周りについており、コルセットのような役割をしています。コルセットは、「衣装着用のために、肋骨の周りに巻いてウエストを細く締め付ける」という役割があるため、同じく、コルセットのような役割をしている腹横筋にもウエストの引き締め効果を期待できます。腹筋というと、鍛え上げるとウエストが逆に太くなってしまうことで有名ですが、腹横筋はその逆で発達させるとウエストを細くさせることを期待できます。
前述したように、腹横筋はコルセットのような役割をしています。コルセットは、衣装着用の他の用途として、腰痛が酷い人に処方されることがあり、これは、巻くことで体幹の役割を補助することで体幹を安定させ、これにより、無駄な力が腰にかかることを防ぐ役割があるためです。そのため、同じくコルセットのような役割をする腹横筋にも体幹を安定させ、これによる腰痛予防を期待できます。ただし、根本的な腰痛の予防を図るならば、腹横筋以外の腹筋、及び背中の筋肉を鍛えることで体幹をしっかりと支えることができるようになりましょう。
あまり知られていませんが、内臓は自重があるため、そのままだと実際のあるべき位置に対して、下側に落ちた状態になっています。このとき、腹筋が発達していて、特に腹横筋が発達していると、コルセットのように、お腹の周りを締め上げる働きがあることから、臓器が下側に落ちてしまうという問題を防ぐことが期待できます。このようにすることで、姿勢改善を期待でき、それにより、ぽっこりお腹の改善を期待できます。特に、臓器位置の改善によるぽっこりお腹の改善は、身体全体でお腹周りだけが出ている人におすすめです。
大臀筋は、お尻の筋肉です。お尻の筋肉は、大臀筋、中臀筋、小臀筋から構成されますが、その名前の通り、大臀筋がお尻の筋肉の大部分を占めています。
また、大臀筋は身体全体の筋肉で見ても非常に大きく、単一の筋肉では身体の中で占める割合が最も大きい筋肉です。
大臀筋の他にお尻を形成する中臀筋と小臀筋について。中臀筋はお尻の外側についている筋肉、小臀筋はお尻の中で最も内側に存在する筋肉です。ただ、両者ともに大臀筋と比較すると、筋肉としては小さいため、お尻を効果的に鍛えたいならば大臀筋を鍛えると効率的です。
ヒップアップ効果とは逆に、お尻が垂れ下がった状態とは、お尻の筋肉がお尻全体の重さを支えきれなくなった状態を指します。お尻が垂れ下がると、まずはお尻の下部から垂れ下がり始め、徐々にお尻の上部も垂れ下がることで、最終的にはお尻全体が垂れ下がります。大臀筋は、単一の筋肉では身体の中で最も大きい筋肉であり、それに伴って、お尻周りの筋肉の中で最も大きい筋肉です。このため、大臀筋を鍛えることでお尻を支える筋肉を強くすることで、お尻の引き締め効果及びヒップアップ効果を期待できます。
大臀筋を鍛えることで、前述した通りヒップアップ効果を期待できます。ヒップアップ効果を期待できるということは、太ももにお尻が垂れて乗っかっているような状態ではないということであり、これにより後ろ、横からみたときに脚が長く見えるようになることが期待できます。また、お尻の筋肉が発達することでアウトラインが改善されると、相対的に脚が細く見えるようになるという効果も期待できます。以上から、大臀筋を鍛えることで、お尻自体のアウトラインを改善することに加えて、お尻が接続している太ももの見栄えが改善することから、スタイル改善を期待できます。
大臀筋は、単独の筋肉で比較した場合において、最も筋肉が大きい部位です。筋群で比較した場合には大腿四頭筋が最も大きい筋肉であり、これにより、大腿四頭筋を鍛えることで代謝の改善を期待することができますが、これは大臀筋にも同様のことが言えます。筋肉の大きさについて、大腿四頭筋が非常に大きいということは有名ですが、大臀筋も大きい部位であるということは実は盲点であるケースが多く、だからこそ、大腿四頭筋に加えて大臀筋を鍛えることで効率的にダイエット効果を期待できます。
久しぶりに運動をすると実は筋肉痛になりやすいのが大臀筋です。大臀筋は下半身を使う動作で、力を発揮するのに必須の筋肉であるため、比較的幅広い運動で作用する筋肉です。このため、大臀筋を鍛えることで運動機能を向上することが期待できます。具体的には、短距離走で速く走ること、バスケットボールやバレーで高くジャンプすること、サッカーや野球で踏み込む動作などに大臀筋は関与しており、これらの運動を行う方は大臀筋を鍛えることで運動のパフォーマンスアップを期待できます。
腰痛は、姿勢の乱れで発生することが非常に多いです。姿勢を正しく保持するために、腹筋及び背筋を鍛えることが有効であることは非常に一般的ですが、その体幹を下半身で支える働きがある大臀筋も身体を真っ直ぐ立たせる働きがある筋肉です。このため、大臀筋が十分に発達していないと姿勢が崩れる原因になり、これにより腰痛の原因となります。したがって、大臀筋を鍛えることで姿勢を改善し、これにより腰痛の予防を期待できます。
デッドバグは負荷が高いエクササイズではないので、毎日実施しても問題ありません。そもそも腹筋を鍛えるエクササイズは基本的に毎日実施してもあまり問題がないと言われています。
ただ、効率という点では、毎日デッドバッグを実施するならば、他の種目も併せながら実施するのがオススメです。
デッドバグを行う際に腰が浮いてしまう(背中が反ってしまう)のはNGです。
デッドバグで手脚を動かす際に脚の重さや腕の重さで身体が引っ張られるため、それを支えるために腰を浮かせて背中を反る方が力が出しやすくなります。ただ、そうすると手脚の重さを腹筋で支えているということにならなくなりトレーニングの効果がなくなるため、しっかり背中と腰を床につけた状態でデッドバグを行いましょう。
また、腰を反って実施すると脚の重量を支えるために腰に負荷が集中するため、腰痛の原因にもなります。フォームには気をつけましょう。
デッドバグを行う際、手脚を伸ばしたときに床につかないようにしましょう。
床について力を抜くと楽ですが、それでは負荷が逃げてしまいます。それでは筋肉に効果がなくなってしまいます。なるべく、手脚を床につけないように実施しましょう。
また、気をつけなければいけないのが手脚の可動域です。
デッドバグはその動作の特性上、手脚が身体から遠ければ遠いほど負荷が高まるエクササイズです。そのため初心者のうちから可動域を目一杯に設定して実施すると、負荷が高くなりすぎてしまい、これによりフォームが崩れる原因となるため注意が必要です。
最初の慣れないうちは可動域を狭くして、まずは正しいフォームでしっかりと回数行えるようにしましょう。
デッドバグを行う際、無呼吸にならないように気をつけましょう。
デッドバグは左右バラバラの手脚を同時に動かすエクササイズなので、慣れていないと動作に一生懸命になってしまい呼吸を忘れがちになります。トレーニングを無呼吸で実施することは血圧の上昇という点で非常に危険です。
また、腹筋は呼吸によって収縮と伸展を促すことができるため、無呼吸で実施するとエクササイズの効率が低下してしまいます。
正しいフォームと同じくらい、呼吸を意識しましょう。
デッドバグは前述した通り、エクササイズの強度としてはそこまで高くありません。そのため、デッドバグ単独で実施しても、中々、効果を感じることが難しい種目です。だからこそ、後述するように他の種目と組み合わせて実施することが重要です。エクササイズの順番としては、どちらを先に実施しても問題ありませんが、デッドバグをウォーミングアップ種目と捉えて、後に示すような種目を本番種目と想定して実施するのが良いでしょう。
デッドバグに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、デッドバクで鍛えることができる腹直筋、腹斜筋、腹横筋、大臀筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのこれらの筋肉の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
デッドバグに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
デッドバグに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、デッドバグでは、手脚を下ろすときに息を吸い、手脚を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
トレーニングにおける「ボトムポジション」とは、身体が一番低い状態にあることを指します。デッドバグでは脚を伸ばしたときです。多くは筋肉がピンっと張った状態になります。反対に「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。その間を「ミッドレンジ」と言います。
デッドバグでは、ボトムポジションでの手脚を身体から離すほど、腹直筋にかかる刺激が大きくなり、これにより負荷が高まります。このため、デッドバグの負荷を高めたいならば、手脚が完全に一直線になるまで下ろす必要があります。ただ、このとき床につかないように注意しましょう。
デッドバクで負荷が入るのは、手脚を動かすためであり、動かす手脚を重くすれば負荷を高めることが期待できます。具体的には、手脚に重りを装着することで、手脚を伸ばすとき、伸ばし切ったときにかかる負荷が高まることはもちろんですが、重くなる分だけ戻す時の負荷も高まります。手に負荷をかけるときはダンベルを持てばよく、脚に負荷をかけるときはアンクルウェイトを使用するようにしましょう。家にダンベルがない場合は、水を入れたペットボトルで負荷をかけるのも1つの手段です。
デッドバグでバランスボールを使用することは、なんとなく想像し辛いかもしれませんが、やり方としては、トップポジションで伸ばさない方の手脚でバランスボールを挟み、身体の真上で支えます。伸ばした方の手脚を元の位置に戻したときに、今度はその手脚でバランスボールを支えます。要するに、左右の手脚のペアで交互にバランスボールを身体の上で支えます。
通常のデッドバグでは、トップポジションにある手脚の位置は厳密に限定されていませんが、バランスボールがあることでバランスボールを支える必要があります。そのため、バランスボールの重さによる負荷だけでなく、トップポジションで手脚をきちんと設定することによる負荷が加わります。
プランクは、デッドバグを実施していると発生する腰を痛めるという問題を解決することを期待できるためです。
プランクは、デッドバグよりも静的なトレーニングで、背中及びお腹の筋肉を刺激してくれます。デッドバグのウォーミングアップ種目として実施することで、デッドバグを実施しているときに腰が痛くなるという可能性を低減し、かつ、より腹筋を意識しやすくなることを期待できます。
プランクは、まずは30秒を3セット実施します。
プランクは、動作自体は膝付きプランクに対して、脚を伸ばして実施するだけですが、体重をつま先と両腕で支えることになるため、比較的負荷が高いエクササイズです。そのため、まずは、30秒を3セットをしっかりとポイントを守りながら実施するようにしましょう。
上半身から下半身までを一直線にする。
臀部を"張る"(=外旋する)ようなイメージを持つ。
正面を向く。
オブリーククランチは、デッドバグと異なり腹斜筋を鍛えることができるエクササイズであるためです。
オブリーククランチは、体側が上を向いたになった状態で行うクランチであり、腹斜筋を鍛えることができます。デッドバグでも腹斜筋を刺激することは可能ですが、主に腹直筋全体を刺激する種目なので、オブリーククランチも実施することで腹筋全体をバランス良く刺激することを期待できます。
オブリーククランチは、12〜15回を3セット実施します。
オブリーククランチは、腹斜筋を鍛えるための非常に基本的なエクササイズですが、フォームが非常に重要な種目です。このため、オブリーククランチ自体の負荷を考えると回数は少ないですが、一般的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回を実施し、フォームをしっかりと意識することが重要です。
1回ずつ頭を床につけない。
腹斜筋の収縮、伸展を意識する。
頭を上げるときはしっかりと息を吐き、戻すときに息を吸う。
ツイストクランチは、デッドバグと似ているエクササイズで負荷を高めることができるためです。
ツイストクランチは、デッドバグの動作に加えて上半身がクランチ動作になるため、負荷が高くなります。このため、デッドバグを完全に会得した方向けのエクササイズです。実際に実施する際には、デッドバグをウォーミングアップ種目として実施し、ツイストクランチを実施するとより効率的に腹筋周りを刺激することが期待できます。
ツイストクランチは、片側8〜10回を3セット実施します。
ツイストクランチは、クランチ、デッドバグの応用種目であり腹斜筋を鍛えるエクササイズです。1回1回丁寧に実施することが重要であるため、テンポを重視するのではなく、腹斜筋に刺激を与えることを意識するようにしましょう。
1回ずつ頭を床につけない。
1回1回丁寧に実施する。
膝-肘が付いた際にはしっかり息を吐く。
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