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揺らすプランク「ロッキングプランク」のやり方と効果、コツを解説

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揺らすプランク「ロッキングプランク」のやり方と効果、コツを解説

プランクの種類の一つに、身体を揺らしながら行うロッキングプランクがあります。今回は、ロッキングプランクのやり方についてご紹介します。

ロッキングプランクとは

ロッキングプランクの由来は英語「rocking plank」で、「揺れるプランク」という意味です。「rock」の原義は「揺らす。揺れる」です。基本のプランクの状態で上腕とつま先の動きにより身体を前後に動かすエクササイズです。「ロッキンプランク」と表記される場合もあります。

プランクは、体幹の基本エクササイズの1つです。体幹とは、身体の胴体のことです。語源は英語で「厚板(あついた)」を意味する「plank」で、手足で身体を支え、まっすぐ硬直させる姿は、まさに「厚板」と表現するのにふさわしいと言えます。

プランクに身体を前後に動かす動作を入れることで、身体を一直線に保つことが難しくなるため、より効果的に体幹を鍛えることができます。

それに加え、身体を揺らすことで筋肉に刺激が入り筋肉を鍛えることができます。ロッキングプランを実施する大きなメリットは、この2点です。

ロッキングプランクの鍛えられる部位・効果

腹直筋

腹直筋とは、お腹の部分にある筋肉です。腹直筋と聞くと、なんとなく馴染みのない感じがしてしまいますが、所謂、我々が「腹筋」と呼ぶ筋肉は腹直筋を指します(厳密には、腹筋は、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋の総称であると想定されます)。

筋トレを少ししたことがある人ならば、「シックスパック」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、シックスパックとは特に腹直筋が身体の表面に浮き出た状態を指します(シックスパックは人によって様々な形をしており、エイトパックだったり、フォーパックだったりします)。

自身のお腹を見てみるとわかりますが、お腹は縦に比較的長くなっており、このことから腹直筋は上部と下部に分けることができます。バランスの良い腹直筋を作るためには、両者をしっかり鍛える必要がありますが、特に重要なのが、腹直筋の下部です。腹直筋の上部は、脂肪が薄いため、エクササイズを実施すると比較的すぐに効果を実感できる部位です。一方、腹直筋の下部は、一般的には脂肪が厚いため、かなりしつこくエクササイズをすることに加えて、有酸素運動をしないとなかなか効果を実感することが難しい部位です。

お腹まわりをすっきりさせる

腹直筋を鍛えることで、特にお腹周りについている脂肪を燃焼することを期待できます。これにより、お腹周りをすっきりさせることが期待できますが、腹直筋だけを鍛えるということで得られる効果は限定的です。腹直筋を鍛えてお腹周りをすっきりさせたい場合には、腹直筋を鍛えるエクササイズに加えて有酸素運動や食事制限を行う必要があります。これは、シックスパックを作りたい際にも同様であり、シックスパックをしっかり出したい場合にはかなりの計画的な有酸素運動、もしくは食事制限を実施する必要があります。

腹直筋を鍛えることでお腹周りをすっきりさせるということは注意も必要です。つまり、腹直筋をつけることでウエストが太くなってしまう可能性もあるという点です。このため、ウエストを太くしたくないという方は、むしろ腹直筋を鍛えすぎないように注意する必要があります。

基礎代謝の改善

腹直筋は、身体の中ではそこまで大きな筋肉ではありません。そもそも、腹直筋が分類される腹筋は身体の中でも大きい筋肉ではないため、例えば、大腿四頭筋や大臀筋といった身体の中で筋肉が大きい部位と比較すると、鍛えることでの代謝の改善効果は限定的です。それでも、腹直筋は、腹筋の中では最も大きい筋肉であり、これにより、鍛えることで基礎代謝の改善効果を期待できます。代謝を改善するということは、脂肪を燃焼させやすい身体を作るということであり、これによりダイエット効果を期待できます。

腰痛の予防、改善

腹直筋は、前述した通り腹筋に分類される筋肉であり、腹筋は背筋とともに上半身を支える筋肉です。これにより、腹直筋を鍛えることで上半身をしっかり支えることができるようになります。腰痛が発生するメカニズムは、上半身の重さを支えることができなくなることで姿勢が悪化し、これにより、腹筋と背筋のバランスが崩れることで、上半身と下半身の付け根である腰に負担がかかってしまうということです。特に、背筋は日常的に使用する機会が多い筋肉であるものの、腹筋は意識的に使用しないと鍛えることが難しい部位です。以上から、腹直筋を鍛えることで腹筋と背筋のバランスを改善することを期待でき、これにより、腰痛の予防はもちろんですが、既に腰痛を抱えている方も腰痛を改善することを期待できます。

姿勢改善

姿勢が悪い状態というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、もしくは、腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。一方、反り腰は、猫背を治そうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生しているということが言え、姿勢の改善を行うためには猫背の改善を行う必要があります。

猫背の大元の原因を紐解くと、骨盤の歪みが挙げられます。ここで、腹直筋には骨盤の角度を調整する働きがあります。腹直筋に十分な刺激を与えていないと、腹直筋が凝り固まり、これにより、骨盤の角度調整機能が十分な役割を果たさず、骨盤が後傾するようになります。このため、腹直筋を鍛えることで骨盤を正しい位置に戻すことを期待でき、これにより猫背を改善して姿勢改善効果を期待できます。

便秘の改善

便を排出する結腸は上半身と下半身をつなぐインナーマッスルである腸腰筋の内側にあります。便を排出するということは、大腸のぜんどう運動が関係していますが、便秘の人の中にはこのぜんどう運動の能力が低下している場合があり、これを弛緩性便秘と呼びます。弛緩性便秘になると、便が大腸内に滞留する時間が長くなることで、便の水分が低下することで便を排出しにくくなります。腹直筋を鍛えると、身体が力む作用を促進させ、これによりぜんどう運動の働きを補助する役割があり、これにより、便秘の改善を期待できます。

ただ、腹直筋を鍛えることで改善できる便秘は一部であるため、腹直筋を鍛えても便秘が治らない場合にはそもそも弛緩性便秘でない可能性もあるため、病院の受診も視野に入れましょう。

腹横筋

腹横筋は、横腹についている筋肉であり、腹筋では最も深層にある筋肉です。このため、腹横筋は筋肉の種類としてはインナーマッスルに分類されます。

腹横筋は、コルセット筋とも呼ばれます。コルセットとは、ウエスト周りを締め付けることでウエストラインを矯正する器具であり、腹横筋もコルセットと同様にウエストを締め付けることでウエストラインをタイトに保つ役割があります。また、コルセットの役割を果たしていることから推察できる通り腰痛を予防する役割もあります。

ウエスト引き締め効果

腹横筋は、前述した通りお腹の周りについており、コルセットのような役割をしています。コルセットは、「衣装着用のために、肋骨の周りに巻いてウエストを細く締め付ける」という役割があるため、同じく、コルセットのような役割をしている腹横筋にもウエストの引き締め効果を期待できます。腹筋というと、鍛え上げるとウエストが逆に太くなってしまうことで有名ですが、腹横筋はその逆で発達させるとウエストを細くさせることを期待できます。

腰痛予防

前述したように、腹横筋はコルセットのような役割をしています。コルセットは、衣装着用の他の用途として、腰痛が酷い人に処方されることがあり、これは、巻くことで体幹の役割を補助することで体幹を安定させ、これにより、無駄な力が腰にかかることを防ぐ役割があるためです。そのため、同じくコルセットのような役割をする腹横筋にも体幹を安定させ、これによる腰痛予防を期待できます。ただし、根本的な腰痛の予防を図るならば、腹横筋以外の腹筋、及び背中の筋肉を鍛えることで体幹をしっかりと支えることができるようになりましょう。

臓器の位置を改善、安定

あまり知られていませんが、内臓は自重があるため、そのままだと実際のあるべき位置に対して、下側に落ちた状態になっています。このとき、腹筋が発達していて、特に腹横筋が発達していると、コルセットのように、お腹の周りを締め上げる働きがあることから、臓器が下側に落ちてしまうという問題を防ぐことが期待できます。このようにすることで、姿勢改善を期待でき、それにより、ぽっこりお腹の改善を期待できます。特に、臓器位置の改善によるぽっこりお腹の改善は、身体全体でお腹周りだけが出ている人におすすめです。

脊柱起立筋

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、腸肋筋、最長筋、棘筋からなり、背中の中央部を縦に背骨に沿うように走る背中の筋肉です。

脊柱起立筋は、背中の代表的な筋肉である広背筋や僧帽筋と比較すると小さい筋肉ですが、姿勢を維持するために大きな役割を担っています。そのため、脊柱起立筋は、身体が横になることで姿勢を維持する必要がなくなった状態を除いて、常に働いている筋肉であると言えます。

姿勢改善

「姿勢が悪い」というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、または腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。

一方、反り腰は、猫背を治そうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生していることが多く、姿勢の改善を行うためには、まず猫背の改善を行う必要があります。

脊柱起立筋は、前述した通り、背中の中央部を上下に走るように付いており、姿勢を維持する役割があります。ここで、脊柱起立筋を鍛えておけば、脊柱起立筋の姿勢改善効果をより期待できます。特に、脊柱起立筋を鍛えておけば、前述した猫背のように背中が曲がってしまうことを防ぐことが期待でき、姿勢改善を期待できます。

腰痛予防

腰痛が発生する原因は、いくつか理由がありますが、その理由の一つに、体幹を支える腹筋と背筋のバランスが崩れていることが挙げられます。

背中の筋肉において、体幹部を支えるのに重要な筋肉は脊柱起立筋であることから、スーパーマンを実施することで、脊柱起立筋を鍛えることで腰痛予防を期待できます。ただし、基本的に、脊柱起立筋は日常的に稼働しているケースが多く、腹筋に対してそこまで弱いという場合は少ないため、「腰痛を改善する」という目的ならば、脊柱起立筋よりも腹直筋を鍛えた方が有効な場合があることには留意しましょう。

運動パフォーマンスの向上

脊柱起立筋は、前述したように、姿勢を保つ働きがあり、これは言い換えると、「上半身を真っ直ぐに保つことに役割がある」ということです。基本的に、運動を行う際には「上半身を真っ直ぐに保つ」ケースは少ないため、脊柱起立筋を鍛えることと運動パフォーマンスが改善することを結びつけることが難しいかもしれません。しかし、「上半身を真っ直ぐに保つ」という動作は、特にトレーニングで実施するケースが多く、例えば、ショルダープレスやクリーン、ジャークなどで重要であり、脊柱起立筋が発達していると高重量を扱うようになることが期待できます。これらのエクササイズは、運動の補助として行われるケースもあるため、運動パフォーマンスの向上を期待できます。

広背筋

広背筋は、脇の下から下背部にまで走る背中の筋肉です(よく似た部分の筋肉に大円筋がありますが、大円筋は肩甲骨の下側から上腕筋に走る非常に限定的な部分の筋肉です)。

広背筋は、背中の中で最も大きい筋肉であり、肩関節の動きに寄与しています。「肩関節の動き」は非常に漠然としていますが、具体的にいうと、「ものを引く動作」等を意味しており、このため、広背筋があるからこそ、「ものを引く動作」ができるということが言えます。ただし、この動作は日常生活の中ではあまり使われず、特にトレーニングを行っているときに良く使われる動作です。このことから、広背筋を鍛えるためには、日常的な動作だけでは不十分であり、自重トレーニングやウェイトトレーニングにより意識的に鍛える必要があります。

代謝を改善

背中の筋肉は、脚の筋肉と並んで身体の中で締める割合が大きい部位です。背中の筋肉の中でも、広背筋は、その名の如く、背中の中で広い筋肉であり、背中の筋肉の中では最も大きい筋肉です。このため、広背筋を鍛えることで、効率的に代謝の改善を促すことが期待できます。例えば、体温が1度上昇することで代謝量は13%程度向上すると言われています。このため、広背筋を鍛えることで代謝を改善するということは、ダイエットの近道であるということが言えます。

姿勢改善

前述した通り姿勢を改善するためにはまず猫背の改善を行う必要があります。猫背になってしまっているのは、背中を真っ直ぐに支える力が弱くなってしまっているためです。広背筋は、背中の非常に広い部分をカバーしており、これにより、鍛えることで背中を支える力を改善することが期待でき、姿勢改善を期待できます。

お腹周りの引き締め効果

お腹が出ている状態というのは、いくつかの原因があり、その一つとして、「背中の筋肉が弱いことでお腹が出ている」ということが挙げられます。これは、猫背になっている状態を想像すると非常にわかりやすいですが、猫背になると自然と背中と逆側にあるお腹は出るようになります。つまり、姿勢が悪くなると腹筋をうまく使うことができず、これによりお腹が出やすい状態になります。この現象は、体脂肪率が低いのにも関わらず、お腹が出ている方に多く見られるものであり、身体が痩せ型にも関わらず、お腹が出てしまっている場合には姿勢を改善するようにしましょう。また、姿勢を改善することができれば、腹筋を使うことができるようになり、結果としてお腹周りの引き締め効果を期待できます。

肩こり、首こりの改善

肩もしくは首が凝っているというのは、基本的には何かしらの原因で首から肩にかけての筋肉がこわばっている状態です。筋肉がこわばると、血管を圧迫するため、これにより血流が悪化させるのと同時に、リンパの流れを悪化させます。血流及びリンパの流れは、疲労物質を流す作用があるため、血流が悪化した状態だとこの疲労物質が蓄積し、「肩、首が重い、だるい」といった症状を引き起こしてしまいます。

以上のような肩こり、首こりが発生している際には、肩や首をもみほぐす、もしくはトレーニングを行うことで血流改善をすることが有効とされているケースが多いですが、実は背中を鍛えることも有効です。特に、広背筋は背中の大部分をカバーしていることから、鍛えることでリンパの流れを改善することが期待でき、また、筋肉の大きさから血流を改善することが期待できるためです。このため、肩こりを改善したい場合には、首、肩の筋肉に加えて広背筋も鍛えるようにしましょう。

背中の見栄え改善

広背筋は、背中の筋肉の中でも、その名前の如く、「広さ」を改善するために重要な役割を果たしている筋肉です。このため、ボディメイキング的な観点でいうと、広背筋を鍛えることで背中の見栄えを改善することができます。特に、広背筋を鍛えると後ろから見た際に非常に背中が大きく見え、これにより、逆三角形であるようになるため、背中を大きく見せたい方は是非とも鍛えたい筋肉です。一方で、広背筋を鍛えすぎると、背中が非常に広くなるため、これに伴って、着用することができる衣服も制限される可能性が高くなります。このため、着用する衣服にこだわりがある方は、注意して広背筋を鍛えるようにしましょう。

三角筋

三角筋は肩の筋肉であり、前部、中部、後部からなります。

三角筋前部とは、肩の前部についている筋肉、つまり、大胸筋上部の上側に位置する筋肉です。ここで、大胸筋とは、胸の筋肉で上部、中部、下部に分けることができます。大胸筋の中で三角筋と密接な関係があるのは、前述した通り、大胸筋の上1/3が該当する大胸筋上部です。三角筋前部が発達していると、大胸筋上部との区別がはっきりとし、これにより肩がより丸みを帯びて見えることに繋がります。

三角筋中部とは、肩の側面についている筋肉です。三角筋中部が発達していると、側面から見たときの腕の凹凸がはっきりすることはもちろんですが、正面から見たときの肩の張り出し感に繋がります。

三角筋後部とは、肩の後ろについている筋肉であり、三角筋後部が発達していると、肩甲骨周りの凹凸感が出るようになり、非常に逞しい見た目になります。

バランスの良い三角筋を手に入れるためには、三角筋前部、中部、後部の3つの筋肉をバランス良く鍛えることが重要です。

身体の見栄えを大きく改善可能

三角筋は発達していると外見から非常に分かりやすいです。特にそれが顕著であると言われるのが三角筋の中部、つまり、肩の側面に付いている筋肉です。三角筋中部が発達していると、男性ならばシャツを着たときにシルエットが非常にはっきりするようになり、女性の場合は肩周りがスッキリすることでスラッと美しくなります。また、肩が張り出したような状態になるため、相対的に身体が逆三角形に見えるようになることが期待できます。一方で、肩の張り出しが大きくなるということは、発達させすぎると入る服が少なくなるため注意が必要です。

肩こり、首こりの改善

肩こりが発生している状態というのは、前述した通り、血流及びリンパの流れが悪くなることで老廃物が溜まってしまっている状態です。肩の筋肉を鍛えることで、肩周りの血流及びリンパの流れを改善することが期待できます。これにより、廃物が流れるようになることで、血管を圧迫しなくなり、これにより肩こり、首こりの改善を期待できます。

代謝の改善

三角筋は、意外かもしれませんが、身体の中で非常に大きな筋肉です。代謝を改善するための筋肉というと、脚の筋肉である大腿四頭筋、お尻の筋肉である大臀筋、背中の筋肉である広背筋等が非常に有名ですが、実は三角筋を鍛えることでの効果も非常に大きいです。ここで、よく見逃されがちなのが、三角筋後部です。三角筋後部は、三角筋前部、中部と比較すると正面から見えないということで軽視されがちな三角筋の部位であるため、鍛えることで効率的な代謝の改善を期待できます。

姿勢改善

前述した通り、姿勢を改善するためには猫背を改善する必要があります。猫背の原因の一つとして、巻き肩が挙げられます。巻き肩は、肩の筋肉が凝り固まっていることで発生することが多いとされています。そのため、三角筋を鍛えることで血流を改善することが期待でき、これにより、肩の筋肉の凝りの解消を期待することで巻き肩の予防を期待できます。

大臀筋

大臀筋は、お尻の大部分を占めている筋肉であり、単一の筋肉では身体の中で占める割合が最も大きい筋肉です。

お尻には、大臀筋の他に、中臀筋と小臀筋という筋肉があります。中臀筋はお尻の外側についている筋肉、小臀筋はお尻の中で最もインナー部分に存在する筋肉です。ただ、両者ともに大臀筋と比較すると、筋肉としては小さいため、お尻を効果的に鍛えたいならば大臀筋を鍛えると効率的です。

お尻の引き締め・ヒップアップ

ヒップアップ効果とは逆に、お尻が垂れ下がった状態とは、お尻の筋肉がお尻全体の重さを支えきれなくなった状態を指します。お尻が垂れ下がると、まずはお尻の下部から垂れ下がり始め、徐々にお尻の上部も垂れ下がることで、最終的にはお尻全体が垂れ下がります。大臀筋は、単一の筋肉では身体の中で最も大きい筋肉であり、それに伴って、お尻周りの筋肉の中で最も大きい筋肉です。このため、大臀筋を鍛えることでお尻を支える筋肉を強くすることで、お尻の引き締め効果及びヒップアップ効果を期待できます。

スタイル改善

大臀筋を鍛えることで、前述した通りヒップアップ効果を期待できます。ヒップアップ効果を期待できるということは、太ももにお尻が垂れて乗っかっているような状態ではないということであり、これにより後ろ、横から見たときに脚が長く見えるようになることが期待できます。また、お尻の筋肉が発達することでアウトラインが改善されると、相対的に脚が細く見えるようになるという効果も期待できます。以上から、大臀筋を鍛えることで、お尻自体のアウトラインを改善することに加えて、お尻が接続している太ももの見栄えが改善することから、スタイル改善を期待できます。

代謝の改善

大臀筋は、単独の筋肉で比較した場合において、最も筋肉が大きい部位です。筋群で比較した場合には大腿四頭筋が最も大きい筋肉であり、これにより、大腿四頭筋を鍛えることで代謝の改善を期待することができますが、これは大臀筋にも同様のことが言えます。筋肉の大きさについて、大腿四頭筋が非常に大きいということは有名ですが、大臀筋も大きい部位であるということは実は盲点であるケースが多く、だからこそ、大腿四頭筋に加えて大臀筋を鍛えることで効率的にダイエット効果を期待できます。

運動パフォーマンスの向上

久しぶりに運動をすると実は筋肉痛になりやすいのが大臀筋です。大臀筋は下半身を使う動作で、力を発揮するのに必須の筋肉であるため、比較的幅広い運動で作用する筋肉です。このため、大臀筋を鍛えることで運動機能を向上することが期待できます。具体的には、短距離走で速く走ること、バスケットボールやバレーで高くジャンプすること、サッカーや野球で踏み込む動作などに大臀筋は関与しており、これらの運動を行う方は大臀筋を鍛えることで運動のパフォーマンスアップを期待できます。

腰痛予防

腰痛は、前述した通り,姿勢の乱れで発生することが非常に多いです。姿勢を正しく保持するために、腹筋及び背筋を鍛えることが有効であることは非常に一般的ですが、その体幹を下半身で支える働きがある大臀筋も身体を真っ直ぐ立たせる働きがある筋肉です。このため、大臀筋が十分に発達していないと姿勢が崩れる原因になり、これにより腰痛の原因となります。したがって、大臀筋を鍛えることで姿勢を改善し、これにより腰痛の予防を期待できます。

ロッキングプランクのやり方

ロッキングプランクのやり方

ロッキングプランク

  1. 床にうつ伏せになり肩幅に腕を設定したら、両肘を床につける。
  2. 背筋を伸ばし腰を持ち上げて、身体を浮かせる。
  3. 上腕とつま先の動きにより身体を前後に動かす。

長さ・回数

初心者

筋トレ初心者の場合、ロッキングプランクは30-40秒を3セット実施しましょう。

ロッキングプランクは、通常のプランクに対して前後方向の動きが加わるだけであるため、エクササイズの負荷としてはプランクとは大きく変わりません。そのため、初心者でも比較的取り組みやすい種目であり、まずは30-40秒を3セット実施してみましょう。

少し慣れたら

ロッキングプランクに少し慣れた方の場合、ロッキングプランクは60秒程度を3セット実施するようにしましょう。

ロッキングプランクは、プランクと同様に1分30秒程度までならば秒数を増やすことで効果的に負荷を高めることを期待できるため、少し慣れたら、まずは60秒程度を3セットを目安に実施してみましょう。

上級者

筋トレ上級者の場合、ロッキングプランクと他のエクササイズとを組み合わせて実施するようにしましょう。

筋トレ上級者の場合、プランクなどのより静的なエクササイズをウォーミングアップ種目と設定して、その後にロッキングプランクを実施し、当初の目的だったエクササイズを実施するようにしましょう。具体的には、プランクを1分30秒〜2分、ロッキングプランクを1分30秒をそれぞれ3セット実施してから、その他のエクササイズを実施するようにしましょう。

ロッキングプランクの効果を高めるポイント

ノーマルプランクの後に実施する

ロッキングプランクはエクササイズとして行う場合、単独では明らかに強度不足(負荷が低い)です。また、ロッキングプランクは、プランクの状態で前後の運動を実施することから、ウォーミングアップをしない状態で実施すると肩を痛める可能性があります。以上の理由から、「ロッキングプランクを練習する」という目的でそれ単独で行うことは良いのですが、基本的にはそれ単独で実施することはあまり推奨できません。そのため、「強度を高める」、「怪我を防止する」という2つの理由から、ロッキングプランクは基本的には、ノーマルプランクと組み合わせて行うようにしましょう。

身体を一直線に保つ

ロッキングプランクは、特に身体を前後に動かした反動で、身体の状態が崩れやすいです。ロッキングプランクは、身体を一直線に維持した状態で前後に動かすことで刺激が入りますから、身体を一直線に維持するよう心がけましょう。

身体を前後に動かす際には、つま先が起点となって、その動きを上腕で受けて身体を動かします。このとき、上半身と下半身がしっかりと意識されていないと、動かした瞬間に腰が上がり身体全体が「くの字」になってしまいます。これを見越して、最初から身体をやや「くの字」にし実施する場合には問題ないのですが、最初は身体が真っ直ぐだったのにも関わらず、動かした瞬間に身体が曲がってしまうのは問題です。このやり方は、ロッキングプランクの効果が低下するだけではなく、腰を痛める原因にもなるので注意してください。

身体を大きく動かそうとしない

ロッキングプランクの肝は、身体を前後に動かすことであるため、確かに、身体を前後に大きく動かすほど、負荷は高まります。一方で、そもそも、身体の構造上、プランクの状態で動かすことができる距離は非常に限定的であることから、無理に身体を大きく動かそうとすると怪我の原因になります。そのため、基本的には身体をそこまで大きく動かそうとするのではなく、1回1回の動作をしっかり丁寧に実施することを意識するようにしましょう。

腕幅は肩幅

ロッキングプランクは、身体を前後に動かす動作が入るため、しっかりと身体を支えていないと、フォームが崩れて効果が半減するだけではなく、バランスを崩してしまいます。

腕の幅は、肩幅に設定して床につけるようにすると、身体を安定的にしっかり支えることができます。広げすぎてしまうと腰から落ちやすく、身体を一直線に保てなくなってしまいます。

肘で体重を支えるため、フローリングの床などで実施するとどうしても肘が痛くなってしまいます。実施する際には、肘の下に座布団やマットなどの緩衝材を敷きましょう。

手は強く握らない

ロッキングプランクに限らず、プランクでは手は握った状態(「グー」の状態)でやることが多いです。手を握った状態にすると、腕に力が入り身体を支えやすくなります。

ロッキングプランクは特に身体を前後に動かす動作が入るため、しっかり身体を支えている必要があります。ただし、強く握りすぎると力が入りすぎて腕や肩に余計な刺激が入り、痛みを感じる原因になってしまうので注意が必要です。

手を開いた状態にして床を触れて、バランスを取る方法もあります。初心者の方で手を握ると身体がグラつてしまう方はこのフォームがおすすめです。

目線

顔を上げて目線を正面に持ってくることが理想的です。目線を前に持ってくることで上半身で頭の重さを支えなくてはいけないので負荷が高まるため、効果を向上させることができます。

腹筋への負荷を意識するために、あえて首を曲げておへそを覗くようにするフォームも存在します。目線を向けて鍛えたい部分を意識することで、より効果的に鍛えることができますが、首に負担がかかるため初心者にはおすすめしません。

鍛えたい部位の動きを意識

ロッキングプランクに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、ロッキングプランクで鍛えたい部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での筋肉の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

呼吸

ロッキングプランクに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ロッキングプランクでは、前方に身体を動かすときに息を吸い、戻すときに息を吐くことを意識しましょう。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

ロッキングプランクと一緒にやるのがおすすめのエクササイズ

プランク

プランク

なぜ一緒にやるのがおすすめか

ロッキングプランクの基本は、プランクであるためです。

ロッキングプランクの動作を見ると明らかですが、基本のプランクに対して前後移動を加えたのがロッキングプランクです。そのため、両者のエクササイズは非常によく似ており、ロッキングプランクのウォーミングアップ種目としてプランクを実施することでロッキングプランクをより効率的に実施することが期待できます。

やり方

  1. 腕幅を肩幅にし、肘及びつま先をついて上半身から下半身までを一直線にする。
  2. 正面を向いた状態で身体をキープする。

秒数

プランクは、45〜60秒間3セット実施します。

プランクは、体幹及びトレーニングに必要な非常に基本的な筋肉をつけるために有効なエクササイズですが、トレーニング初心者や女性の方にはやや負荷の高いエクササイズです。このため、まずは30秒を3セット実施することから始め、最終的には60秒を3セット実施することを目指しましょう。

効果を高めるポイント

  • 上半身から下半身までを一直線にしてキープする。

  • 脊柱起立筋により身体が曲がらないようにすることを意識する。

  • 上半身は三角筋を使って支えることを意識する。

リバースプランク

リバースプランク

なぜ一緒にやるのがおすすめか

リバースプランクでは、ロッキングプランクで鍛えることができる部位を刺激でき、かつロッキングプランクよりも負荷が高いためです。

リバースプランクとロッキングプランクは動作自体は大きく異なりますが、基本的には鍛えることができる部位に大きな違いはありません。実施する際には、ロッキングプランクをウォーミングアップ種目として実施し、リバースプランクを本番種目として実施するようにしましょう。

やり方

  1. 座った状態で腕を身体の横に置き、肘を床につける。
  2. 身体を持ち上げたら両足の踵で身体を支え、頭からつま先まで一直線にする。
  3. 2の状態をキープする。

やり方

リバースプランクは、20-30秒間実施します。

リバースプランクは、プランクという名前がつきますが、プランクと比較するとかなり負荷が高いエクササイズです。そのため、プランクと比較してかなり秒数の短い20-30秒3セットを目安に実施しましょう。

やり方

  • 目線は身体に垂直。

  • つま先は曲げる。

  • 肩甲骨を寄せる。

  • 上半身から下半身まで一直線。

  • 下半身をやや上げる気持ちを意識。

パイクプッシュアップ

なぜ一緒にやるのがおすすめか

パイクプッシュアップでは、ロッキングプランクで鍛えることができる三角筋前部を刺激できるためです。

パイクプッシュアップは、三角筋前部を鍛えることができるエクササイズであり、ロッキングプランクも三角筋を鍛えるためのエクササイズですが、パイクプッシュアップの方が負荷が高いという特徴があります。そのため、ロッキングプランクをウォーミングアップ種目として実施し、パイクプッシュアップを本番種目として実施するのがおすすめです。

やり方

  1. 腕立て伏せの状態で身体をくの字にした状態(=お尻を上げた状態)を作る。
  2. おでこが床に付くように、斜めに身体を動かす。
  3. 元に戻る。
  4. 2から3を繰り返す。

回数

パイクプッシュアップは、8〜10回を3セット実施します。

パイクプッシュアップは、可動域を狭くしたプッシュアップとも捉えることができますが、それでもエクササイズ強度はやや高めです。特に、女性の場合、男性と比較してどうしても腕の筋肉量が少ないため、実施するのが比較的難しいケースが多いです。このため、標準的なエクササイズでの推奨回数よりも少なめの8〜10回3セットを目標に実施しましょう。つま先立ちで実施するのが難しい場合には膝をついて実施しても問題なく、その場合にも8〜10回3セットを目標に実施し、問題なくできるようになったらつま先立ちで実施するようにしましょう。

パイクプッシュアップは、前述した通り、プッシュアップに分類されるため、エクササイズ強度はやや高めです。特に、女性の場合にはそれが顕著であることから、毎日実施することは推奨されません。女性がパイクプッシュアップを実施する目安としては、1週間に1回程度です。

効果高めるポイント

  • 肘を伸ばし切らない。

  • 負荷をより高めたい場合には、やや高い場所に脚を配置し、ディクラインプッシュアップのような状態になり実施する。