プランクは動作が入らない静的エクササイズに分類され消費するカロリーは比較的少ない運動です。しかしながら、プランクを実施することでダイエットに成功したという方は少なくありません。消費カロリーが低いながらも痩せる理由や、カロリー消費を促すプランクのやり方を解説します。
プランクは、体幹を鍛える基本のエクササイズです。語源は英語で「厚板(あついた)」を意味する「plank」で、手足で身体を支え真っ直ぐ硬直させる姿を表しています。
プランクは、基礎代謝や筋肉量にもよりますが、だいたい30秒で4kcal、1分で6-7kcal、30秒×3セットで10kcal-12kcal消費します。
ウォーキングなら1分で3kcalで20分以上やる必要があり、30分で約90kcal消費します。ランニングなら1分で9kcal、30分で約270kcal消費します。
消費カロリーだけを見ると、「プランクをやってもあまり効果が出ないのではないか」と感じると思いますが、ダイエットに全く効果がないというわけではありません。
プランクを実施することにより、ダイエットをより効果的にすることができます。
確かにプランクの消費カロリーは小さいですが、ゼロではありません。今まで運動習慣のない人にとっては、腹筋・背筋・お尻にかなり刺激が入り、脂肪燃焼(と筋肉増強)が起こります。
プランクを30日間続けただけで、下っ腹のお肉が減った、背中周りがスッキリした、ヒップアップできた、などと感じる人も少なくありません。
ダイエットはしたいけど筋力がなくてきつい筋トレはできないという方や、ウォーキングやジョギングなど有酸素運動が苦手という方は、プランクから初めてみましょう。
プランクを実施すると「痩せた」と実感する人が多い理由は、基礎代謝が上がることが最大の理由です。
プランク単体ではそこまでカロリーを消費するものではありませんが、プランクで体幹を鍛えることができるため、代謝が上がります。基礎代謝が上がると、身体の体温が上がり脂肪が燃焼しやすい状態になります。
代謝は最大で48時間持続すると言われており、プランク後に普通に生活しているだけでもカロリー消費することができます。そのため、朝にプランクをやるのが(特に運動習慣のない人は)、痩せるという観点では効果的です。
筋トレのような無酸素運動は、疲れてしまって長く続けられないのが特徴です。そのため、無酸素運動のみを行うよりも無酸素運動を短時間実施して代謝を上げ、その後に20分以上の有酸素運動(ウォーキングやランニング、バイク、水泳など)を組み合わせるとかなり効果的です。
プランクは負荷の低い無酸素運動と考えられるので、プランクの後に腕立て伏せなど他の種類の無酸素運動を取り入れてみてもよいでしょう。
プランクを実施することで姿勢が改善され、スタイルがよくなったように見られる場合もあります。
プランクでは、腹筋と背筋を鍛えることができます。具体的には、シックスパックのできる箇所である腹直筋と、背中にある広背筋や脊柱起立筋が鍛えられます。
基本的に姿勢が悪いのは、身体のバランスが崩れていたり姿勢を保つための腹筋と背筋が弱くなっていることが考えられるため、プランクで腹筋と背筋を鍛えることで姿勢改善に繋がります。
プランクで最も重要なポイントは、上半身から下半身まで一直線になるようにすることです。身体が一直線になる姿勢をキープすることでバランスよく体幹を鍛えることができ、カロリーを消費しやすい身体を作ることができます。
身体を一直線に保つためには、上半身は腹筋を意識しましょう。腹筋を意識することで、正しいフォームを維持するだけではなく腹筋への効果も高めることができます。
特にお尻が落ちやすくなるので注意が必要です。お尻は、プランクで身体を支える肘もしくは脚と一番離れている部分になりますから、どうしても自重によるたわみが発生しやすい部分になっています。だからこそ、お尻を意識することでそのたわみを抑制しようとする意識が働き、結果としてプランクの効果を最大化することができます。
脚幅は基本的には、腰幅かそれよりも狭い位に設定することが推奨されています。腕の幅も肩幅に設定して床につけるようにすると、身体を安定的にしっかり支えることができます。広げすぎてしまうと腰から落ちやすく、身体を一直線に保てなくなってしまうためプランクの効果が半減してしまいます。
肘で体重を支えるため、フローリングの床などで実施するとどうしても肘が痛くなってしまいます。実施する際には、肘の下に座布団やマットなどの緩衝材を敷きましょう。
プランクを実施するときの目線は基本的に拳と拳の間ですが、顔を上げて正面に持ってくるとより効果が上がりカロリーを消費しやすくなります。
これは、目線を前に持ってくることで上半身で頭の重さを支えなくてはならなくなり、負荷が高まるためです。
腹筋への負荷を意識するために、あえて首を曲げておへそを覗くようにするフォームも存在します。目線を向けて鍛えたい部分を意識することで、より効果的に鍛えることができますが、首に負担がかかるため初心者にはおすすめしません。
正しい呼吸法を実施するのもプランクの効果を上げ、カロリーを消費しやすい身体を作るポイントになります。呼吸を意識する人が少ないのですが、カロリー消費や筋肉増強の観点からも呼吸は非常に重要です。
プランクで推奨される呼吸法は、基本的には「息を吐く」という動作であり、吸った息を長い時間をかけて吐き出すことを意識しましょう。息を吐いたときに筋肉が収縮することでしっかりと腹筋を鍛えることができ、カロリーの消費率を上げることができます。
ただし、吐いてばかりだと酸欠になるので注意です。ゆっくり呼吸をしつつ特に吐くことを意識しましょう。
プランクは有酸素運動とは異なり、長く続けたからといってその分消費カロリーが上がるというわけではありません。消費カロリーを上げたいのであれば、ただ長くやるよりも基本のプランクに動きをつけて実施する方が効率的です。
消費カロリーが上がるおすすめのプランクはツイストプランクです。ツイストプランクとは、プランクの状態で身体を左右にひねるエクササイズです。
ツイストプランクのメインターゲットは腹斜筋・腹横筋で、ウエスト痩せ・くびれ作りに効果があります。
かなり負荷の高い種目なので、いきなり実施するのは避けましょう。腰を痛めてしまう可能性が大です。まずは通常のプランクでウォーミングアップすることが大切です。
また、動的なトレーニングになるのでつい腰の位置が上がったり下がったりしてしまいがちですが、プランクなので「身体は一直線」を忘れないようにしてください。
負荷を高めるポイントはひねったときに片足で身体を支えるようにすることです。片足支持ということはその分ツイストしていることにもなりますし、片足で体重を支えることになるのでその分負荷が高まります。
キャタピラプランクは、やや腰を上げたプランクの実施中に、右の膝(ひざ)を左の肘(ひじ)に、左の膝を右の肘に交互に持ってくる動的なプランクです。
ターゲットは主に腹直筋下部や腹斜筋、臀部です。慣れていないと、肩や腕にも刺激が入ります。
まずは、20回(左右10回ずつ) × 3セットを目安に実施し、負荷に慣れてきたら少しずつ秒数を増やして最終的には40回程度実施できれば十分です。
基本のプランクと違い、腰の高さはやや高めに設定します。身体が一直線にならなくなってしまいますが、本エクササイズのメインはあくまでも膝の動作による腹筋の収縮なので問題ありません。ただし、高く設定しすぎると、そもそもプランクとして実施する意味がなくなってしまうので注意です。
負荷を高めるポイントは、膝をゆっくり動かすことです。膝の動作による腹筋の収縮がメインの種目であるため、速く動かすよりもゆっくり動かすほうが効果が高いです。
また、膝を上げたらその部分で静止することで負荷を高めることができます。
ツーポイントプランクは、片手プランクと片足プランクを同時に行うプランクです。地面と接触する部分が片足、片手の2ポイントであるため「ツーポイントプランク」とも言われています。
ツーポイントプランクで鍛えられる部位は腸腰筋から腹直筋の下部背筋、臀部で、慣れるまでは肩や腕にも刺激が入ります。
負荷の高いプランクであるため、上級者向けのプランクです。
まずは、10秒を目安に実施し、負荷に慣れてきたら少しずつ秒数を増やして、最終的には30秒程度実施できれば十分です。
ツーポイントプランクは、脚と腕が下がってしまうことが多いです。脚と腕が下がってしまうと腹筋への負荷が低くなってしまうので、一直線になるようにしっかりと上げた姿勢をキープしましょう。
しっかりと脚と腕を高く上げると、その分負荷が高くなり、より効果的です。
ドルフィンプランクは、基本のプランクの状態で意図的に腰を上げる動的なプランクです。
ドルフィンプランクも基本のプランクと同じように腹筋や背筋、臀部を鍛えることができますが、この3つの中でも腹筋がメインターゲットになります。
まずは10回を目安に実施し、そこから徐々に回数を増やして最終的には20回程度実施できれば十分です。
肩を主導で腰を上げてしまわないように注意しましょう。肩を主導にして腰を上げていくと確かに腰は上がっていくのですが、腹筋の収縮感が弱いまま腰が上がり、単に基本のプランクの負荷を逃した状態になってしまいます。そうなると、ドルフィンプランクを実施する意味がなくなってしまいます。肘を起点にして、腰を上げる時に最も負荷がかかる腹筋を意識して実施するのが大切です。
ドルフィンプランクは、プランクの生命線である身体の一直線の状態をあえて崩し、腰を上げていくことで腹筋の収縮を高めるエクササイズです。この腰の動きをプランクの負荷を逃がすに惰性で行うのではなく、しっかりとコントロールして上げ切った部分では腹筋の収縮を感じ、ゆっくりと基本のプランクに戻ることで効果を増大させることが可能です。
HIIT(ヒット)とは、「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略で、負荷の高い運動と短い休憩を組み合わせたトレーニング方法のことを指します。
HIITはかなり負荷が大きいため、身体が糖を使い切り次に体脂肪をエネルギー源として使います。体脂肪をエネルギー源とするには酸素が不可欠なので、通常の無酸素運動では脂肪燃焼は起きづらいのですが、HIITでは休憩(インターバル)で多くの酸素を体内に取り込むため、脂肪燃焼が可能です。
HIITの基本的なやり方は、大変シンプルで、実施する種目を決めたらインターバルを含めてそれを繰り返すことです。
HIITについて、初心者は基本的には、以下の通りに行うのが一般的とされています。
例えば、先述した「キャタピラプランク」もHIIT種目としておすすめです。「20〜30秒で自身の8〜9割位のテンポ(息が上がるくらい)でキャタピラプランク→10〜20秒間のインターバル」を4〜5回繰り返します。
静的な運動が多いプランクの中で、キャタピラプランクは動的な運動であり、その分負荷が大きいのが特徴です。そのため、通常は1分程度実施することが望まれるプランクをあえて20-30秒と制限できるHIITで実施することで、しっかりとフォームを保ったまま実施できるというメリットがあります。
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