日頃のデスクワークなどで肩こりに悩む人が多いかと思います。自宅でも簡単にできる体幹トレーニングであるプランクで肩こりを解消することはできるのでしょうか?どのようにプランクを実施すれば肩こり改善に効果があるのでしょうか。本記事ではプランクで肩こりを改善する方法を解説していきます。
一口に「肩こり」と言っても、肩こりの原因は様々です。原因によってはプランクを実施しても改善に繋がらないということもあります。原因に合わせた対処法を行いましょう。
特に肩こりの原因として多いのが「筋繊維に炎症がおきている」「血流が悪い」「筋力不足」です。
打撲など筋繊維に炎症が起きている場合は、プランクを実施すると逆効果です。この場合は症状が収まるまでしっかり安静にする必要があります。痛みが続く場合は、専門医に診察してもらいましょう。その他、肩の骨や神経などに異常がある場合も、プランクなどの運動は実施せず、信頼できる専門医に相談するようにしましょう。
血流が悪いと、蓄積した筋肉の老廃物で血管が圧迫され、痛みや緊張感などの肩こりの症状がおきます。この場合は、プランクを行うことで血流がよくなり肩こりを改善する効果が期待できます。
筋肉不足も肩こりの大きな一因です。運動不足はもちろんのこと、加齢によって筋肉量が減ってしまい肩こりを感じやすいということもあります。また、筋肉不足により背筋を伸ばした状態を保てず、姿勢が悪くなり、肩こりになることも多いです。この場合は、プランクで体幹(腹筋・背筋)を鍛えることで改善することができます。
筋肉不足により筋繊維に炎症がおきているという場合はプランクが直接的に肩こり改善に繋がるというわけではありませんが、プランクで筋力不足を解決できる場合があります。
しかしながら、プランクのメインターゲットは体幹(腹筋・背筋)なので、肩への刺激はあくまで副次的なものです。プランクを実施したからといって、激的に肩こりが改善するということはないでしょう。しかし、プランクにより体幹を鍛えることは、肩こりになりにくい身体を作ることに繋がります。
プランクで最も重要なポイントは、上半身から下半身まで一直線になるようにすることです。正しいフォームで実施することで体幹が鍛えることができるため、血流がよくなり肩こりの改善に繋がります。
また、肩にも適度に刺激が入るため肩こりを予防することができます。
身体を一直線に保つためには、上半身は腹筋を意識し、下半身はお尻を意識します。特にお尻は、プランクで身体を支える肘もしくは脚と一番離れている部分になりますから、どうしても自重によるたわみが発生しやすい部分になっています。お尻が落ちてしまうと腕や肩に負担がかかり、余計に肩を痛める原因になってしまうので、お尻が落ちないように注意しましょう。
脚幅は基本的には、腰幅かそれよりも狭い位に設定することが推奨されています。腕の幅も肩幅に設定して床につけるようにすると、身体を安定的にしっかり支えることができます。広げすぎてしまうと腰から落ちやすく、肩や腕に余計な負荷がかかり逆に肩こりを悪化させてしまいます。
また、肘で体重を支えるためフローリングの床などで実施するとどうしても肩や肘、腕が痛くなってしまいます。実施する際には、肘の下に座布団やマットなどの緩衝材を敷きましょう。
身体が一直線になる状態でキープするには、腕を床に対して垂直に下ろすことも大切です。床に対して垂直になるように腕を下ろすことで、しっかりと身体を支えることができるので、正しいフォームでより効果的に体幹を鍛えることができます。
腕が垂直に下りていないと、フォームが崩れてしまうだけではなく腕や肩に余計な負荷がかかり肩こりを悪化させてしまう原因になるので注意しましょう。
肩が丸まらないように、肩甲骨を寄せて胸を開いた状態で行うことも大切なポイントです。
肩甲骨は助骨の背中側の上の部分にあり、肩甲骨周辺の筋肉の血行が悪くなると肩こりを感じやすくなります。肩甲骨を動かして肩甲骨周辺の筋肉をほぐすことが肩こり改善に繋がります。
また、肩甲骨を寄せて開いた状態でプランクを実施すると、呼吸が深くなります。しっかりと深く呼吸をすることで血流がよくなり肩こりを改善することができます。
プランクを実施する際の目線は、拳と拳の間に向けます。
よりプランクの効果を高めたいのであれば、目線を正面にします。目線を正面にすると上半身で頭の重さを支えなくてはいけないので負荷が高まるためです。
負荷を高めるということは、より効果的に体幹を鍛え血流の改善が期待できますが、肩への負担も高くなってしまうため、肩こりがひどい場合は無理をせず目線は拳と拳の間に向けましょう。
プランクでは手を握った状態にすると腕に力が入り身体を支えやすいため、手は握った状態でやることが多いです。しかし、強く握りすぎると力が入りすぎて腕や肩に余計な刺激が入り、逆に肩こりの原因になってしまうので、手は強く握らないように注意しましょう。
手を開いた状態にして床を触れて、バランスを取る方法もあります。手を握るとどうしても力が入りすぎてしまうという方はこのフォームがおすすめです。
プランクは、正しい呼吸法を実施することも大切です。正しく呼吸をすることが直接的に肩こりの改善に繋がるわけではありませんが、正しい呼吸で実施しより効果的に体幹を鍛えることで血流を良くすることができるため、副次的に肩こりの改善に繋がります。
プランクで推奨される呼吸法は、基本的には「息を吐く」という動作であり、吸った息を長い時間をかけて吐き出すことを意識しましょう。息を吐いたときに筋肉が収縮することで、しっかりと腹筋や背筋を鍛えることができます。
筋力が足りていなかったり、プランクに慣れていないと体勢をキープするのがきつく、ついつい呼吸を止めてしまいがちですが、正しく呼吸をするように意識しましょう。
プランクは負荷の高いエクササイズではないため、短時間でも毎日実施することでより効果を発揮しやすいです。毎日、少しずつ秒数を伸ばして負荷を高めていくなど工夫をしながら継続していくと良いでしょう。
プランクを続けることで、肩こりを起こしにくい身体に繋がります。
肩の血流をよくする、という観点から肩こり改善が期待できるプランクのアレンジ種目を紹介します。
ドルフィンプランクは、基本のプランクの状態で意図的に腰を上げる動的なプランクです。
肩を動かす動作が入るため、肩の血流がよくなることが見込めます。また肩の筋肉をほぐすこともできるため肩こりの改善に効果が期待できます。
基本のプランクと同じように腹筋や背筋、臀部を鍛えることができる他、肩周りの筋肉を強化することができます。
まずは10回を目安に実施し、そこから徐々に回数を増やして最終的には20回程度実施できれば十分です。
頭からお尻までしっかり一直線になるようにするようにし、肩をすくめないように肩甲骨を開くことを意識することポイントです。
リバースプランクは、仰向けの状態で実施するプランクです。
近年はデスクワークやスマホ操作などにより、猫背などの姿勢の悪さや、肩が本来の位置よりも前に向いてしまう巻き肩が肩こりの原因になっている人も多いです。仰向けの状態でプランクを実施することで、主に背筋を鍛えることができます。背筋が鍛えられることで姿勢をキープすることができるようになり肩こりの原因を解消することができます。
また、肩こりの原因でもある巻き肩を反対に伸ばすことができるため、肩こりの改善に繋がります。
まずは、10秒 × 3セットを目安に実施し、負荷に慣れてきたら少しずつ秒数を増やし、最終的には30-45秒程度実施できれば十分です。
リバースプランクで効果を上げるポイントも身体を一直線にすることです。リバースプランクもお尻が落ちてしまいやすいので注意しましょう。
できるだけつま先を曲げて、脛(すね)から一直線になるように意識します。つま先をたてて踵(かかと)だけで体重を受けようとすると下半身が落ちやすくなり、エクササイズの効果は減少するため、つま先を曲げてしっかりと足の裏全体で重心を取るイメージを持ちましょう。
ロッキングプランクは、基本のプランクの状態で上腕とつま先の動きにより身体を前後に動かすプランクです。
ロッキングプランクでは甲骨を動かすことで上腕を動かすため、肩周りの筋肉をほぐすことができ肩こりを改善することが期待できます。また、肩に適度に刺激を入れることができるため肩こりしにくい身体を作ることができます。
まずは10回を目安に実施し、慣れたら回数を徐々に増やして、最終的には30回程度実施できれば十分です。
ロッキングプランクの効果を上げるポイントは、基本のプランクの後に実施することと、身体を前後に動かしても身体を一直線に維持することが挙げられます。
ロッキングプランクはエクササイズとして行う場合、単独では明らかに強度不足(負荷が低い)です。ロッキングプランクを練習するという目的でそれ単独で行うことは良いのですが、基本的には、基本のプランクと組み合わせて行いましょう。
ロッキングプランクは身体を前後に動かした反動で、身体の状態が崩れやすいという問題があります。ロッキングプランクは、身体を一直線に維持した状態で前後に動かすことで刺激が入りますから、身体を一直線に維持するよう心がけましょう。
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