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ハイプランク(ストレートアーム)のやり方と効果を解説

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ハイプランク(ストレートアーム)のやり方と効果を解説

肘をつかないプランクであるハイプランク(ストレートアームプランク)。一見、通常のプランクより難しそうに見えますが、実は前腕を使えるので簡単にできるのが特徴。ハイプランクの効果とやり方、腕や肩が痛いときの対処法を解説していきます。

ハイプランクとは?プランクとの違いは?

ハイプランクは、肘をつけないプランクです。手の平とつま先で身体を支えます。端的に表すと腕立て伏せのトップポジションの状態を維持したプランクで、「ストレートアームプランク」ともいいます。

トレーニングにおける「ボトムポジション」とは、身体が一番低い状態にあることを指します。反対に「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。その間を「ミッドレンジ」といいます。

前腕で身体を支えることができるので、基本のプランクよりも負荷が弱く、その分通常のプランクで鍛えられる体幹(腹筋・背筋)への負荷は弱まってしまいますが、筋力に自信のない人など初心者におすすめのプランクです。

プランクとは、体幹の基本エクササイズの1つです。語源は英語で「厚板(あついた)」を意味する「plank」です。手足で身体を支え、まっすぐ硬直させる姿は、まさに「厚板」と表現するのにふさわしいといえます。

通常のプランクのことを、ハイプランクと対比させて「ロープランク」という場合もあります。ただし、ロープランクは腕立て伏せのボトムポジションを維持するプランクを指す場合もあります。

エクササイズには動的トレーニングと静的トレーニングがありますが、プランクは後者に分類されます。

ハイプランクで鍛えられる部位・効果

ハイプランクで鍛えられる部位は、基本のプランクと同じですが、肘を伸ばして身体を支えるため、腕に入る刺激は大きくなります。

具体的には、上腕三頭筋や三角筋です。

上腕三頭筋は、腕を伸ばしたときに浮き出る上腕の後ろ側にある筋肉です。上腕三頭筋が鍛えられると、二の腕周りに筋肉をつけることができます。腕立て伏せなどの筋トレが難しい女性も気軽に二の腕をシュッと引き締めることができます。

三角筋は、肩を覆うようについている三角形の筋肉です、三角筋を鍛えることで肩周りがすっきりとします。

腹筋

腹筋の中でも、腹直筋や腹横筋、腹斜筋という筋肉を鍛えることができます。

腹直筋は、上半身の真ん中にある筋肉です。6パックとなって割れる部分が腹直筋です。

腹横筋は、お腹の周りを包むようについている筋肉で、わかりやすくいうとコルセットのような役割を果たしており、まさにくびれができる箇所です。

お腹周りの筋肉を鍛えることで、ぽっこりお腹を改善する効果があります。

通常の腹筋運動は動的なトレーニングであるため、どうしても上体を上げたときと下げたときで負荷が抜けやすく、効率よく腹筋に刺激が入らないケースが多いですが、プランクは静的なトレーニングであり、同一のポーズを数十秒間取り続けますから、負荷が抜けにくいというのがプランクのメリットです。

ただし、プランクはお腹まわりのシェイプアップに効果がありますが、負荷自体は小さいためプランクだけでシックスパックのように腹筋をバキバキに鍛えられるということはありません。

背筋

背筋も鍛えることができます。具体的には、身体の中で最も面積が大きいといわれている広背筋(こうはいきん)です。背中から腕へと繋がっており、開いている腕を閉じたり、後ろに挙げるときに動きます。

また、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)も鍛えることができます。脊柱起立筋は、首から腰にかけて背骨の両側にある、身体を伸ばしたり曲げたりする筋肉です。

広背筋と脊柱起立筋が鍛えられることで、背筋が伸びます。基本的に姿勢が悪いのは、身体のバランスが崩れていたり、姿勢を保つための腹筋と背筋が弱くなっていることが考えられるため、姿勢の改善に一役買うといってもよいでしょう。

背筋運動は稼働範囲が狭く、「効いているのか良く分からない」と感じる人が多い種目でもあります。その点、プランクの場合は数十秒間常に背筋を張っている状態をキープするため、通常の背筋運動と比較して効果を感じやすいというメリットがあります。

ハイプランクは、大胸筋を鍛えることもできます。大胸筋は、胸部の中でも最も大きい筋肉です。腕を内側に閉じたり、上げるときに動きます。

大胸筋は胸板を形成する表層部にあるため、大胸筋を鍛えることで女性はバストアップの効果が期待でき、男性はたくましい胸板を作る効果が期待できます。

太もも

ハイプランクで鍛えることができる太ももの筋肉は、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)です。大腿四頭筋は、太ももの前にある筋肉です。

太ももの筋力が弱いと、太ももがたるんでしまう原因になります。大腿四頭筋を鍛えることで、太ももを引き締める効果があります。

お尻

大臀筋(だいでんきん)も鍛えることができます。大臀筋とは、臀部(でんぶ)つまりお尻の筋肉のことです。

プランクはお尻に意識を置くことで、効果向上が期待できます。その結果、自然とお尻に力が入り、お尻を鍛えることに繋がるため、いわゆる「美尻」に近づくことができます。

ただし、お尻も腹筋と背筋と同様に、プランクでお尻に意識をおいたからと言って「美尻」が手に入るわけではありません。プランクは、あくまでも補助運動であり、「美尻」を手に入れたいのならば、ヒップスラストに代表されるお尻のトレーニングを並行して行う必要があります。

代謝アップ

プランクは、代謝を上げることができます。代謝が上がると、体温が上がって脂肪を燃焼させやすくなり、人によってはプランクだけで体重が落ちる人もいます。

そのため、特にジムに通っている方は、エクササイズの前にウォーミングアップの一環としてハイプランクを取り入れると非常に有効的です。

ハイプランクのやり方

ハイプランクのやり方

  1. うつ伏せになり腕を肩幅に設定したら、肩の真下に手の平をついて肘を伸ばす
  2. 背筋を伸ばし腰を持ち上げて、身体を浮かせる
  3. 頭から足先まで一直線になる姿勢を維持する

長さ・回数

ハイプランクは、まずは、30秒 × 3セットを目安に実施します。負荷に慣れてきたら、少しずつ秒数を増やし、最終的には1分30秒程度実施できれば十分です。

ハイプランクにかぎらず、プランクは負荷の小さいエクササイズであるため、毎日実施しても問題ありません。毎日実施すると腕や太ももが太くなるのではないか?と不安な方もいるかと思いますが、その可能性は著しく低いといえます。

ハイプランクの効果を高める方法

身体を一直線にする

ハイプランクに限らず、プランクはどの種目においても上半身から下半身までを一直線にするのが基本です。

ハイプランクでは、基本のプランクと比較して床から高い位置に身体が設定されるため、腰が下がりやすいため注意が必要です。反対に腰の位置が高すぎるのもNGです。腰を高くしてしまうと筋力が抜けてしまいます。

「身体を一直線にできない」という方は、無理をせずにまずは両膝をつけて実施する(膝つきハイプランク)など負荷よりもフォームを優先に実施しましょう。

膝をつけて実施する場合には、太ももを下半身が真っすぐになることをしっかり意識することが大切です。

腕は床に対して垂直

腕は床に対して垂直に下ろすことで、しっかりと身体を支えることができるので、正しいフォームをキープすることができるためより効果的に腹筋を鍛えることができます。

腕が垂直に下りていないと、フォームが崩れてしまうだけではなく腕や肩に余計な負荷がかかり痛みを感じる原因になります。

呼吸は吐くことを意識する

正しい呼吸法を実施するのも効果を高めるポイントです。プランクで推奨される呼吸法は、基本的には「息を吐く」という動作であり、吸った息を長い時間をかけて吐き出すことを意識しましょう。

息を吐いたときに筋肉が収縮することで、しっかりと腹筋や背筋を鍛えることができます。ただし、吐いてばかりだと酸欠になるので注意です。ゆっくり呼吸をしつつ特に吐くことを意識しましょう。

目線は正面

ハイプランクに限らず、プランクは顔を上げて目線を正面にもってくることが理想的です。目線を前に持ってくることで上半身で頭の重さを支えなくてはいけないので負荷が高まるため、効果を向上させることができます。

腹筋への負荷を意識するために、あえて首を曲げておへそを覗くようにするフォームも存在します。目線を向けて鍛えたい部分を意識することで、より効果的に鍛えることができますが、首に負担がかかるため初心者にはおすすめしません。

適切な設定時間

適切な時間を設定することも重要です。

プランクでは、秒数を長く設定すると確かに負荷は大きくなるのですが、その分フォームを維持するのが難しくなります。

フォームが崩れるか崩れないか位のギリギリの時間を狙うことが重要であり、過度に長すぎる時間はフォームを崩して効果的でないだけではなく、怪我をする原因にもなります。初心者の方はまず正しいフォームで30秒できるように頑張ってみましょう。

ハイプランクで腕・肩が痛いときの対処法

腹筋・お尻を意識

腹筋・背筋にしっかり力を入れないと、腕に負荷が移ってしまう原因となります。上半身は、腹筋と背筋を意識しましょう。

また、しっかりと鍛えたい箇所を意識することで、より効果的に鍛えることができます。これはプランク以外のエクササイズにもいえることです。

下半身は臀部(お尻)を意識します。臀部は、プランクを実施する上で落ちてきやすい部分になり、その部分を意識することで上半身から下半身までを一直線にすることができます。

フォームが崩れてしまうのも腕や肩を痛める原因になってしまうので、しっかり臀部を意識しましょう。

負荷を下げる

ハイプランクで腕や肩が痛いと感じる原因には、負荷が高すぎる可能性があるので、長くやりすぎている人は秒数を減らして負荷を下げてみましょう。

プランクは、30秒×3セットで、間に30秒のインターバルを挟んで行うのが基本です。慣れてきたら秒数を増やしても良いですが、最長でも1分で十分です。

適度にインターバルを入れて3セットやることで効率的に筋肉を鍛えることができるので、インターバルを極端に長くしたり、セット数を減らしたりせず、1セットあたりの秒数を減らすのが基本です。

1セットもできない人はまず10秒からチャレンジし、20秒、30秒と負荷を上げていきましょう。プランクでは、自分ができるかできないかギリギリの秒数設定を行うのがオススメです。

筋力をつける

ハイプランクは元々、動的なエクササイズと比べると負荷の小さい静的なエクササイズなので、腕がきついとなると、根本的に腕の筋力が足りなさすぎるということも考えられます。

腕の筋力が上げる自重トレーニングはプッシュアップ(腕立て伏せ)がメインですが、プッシュアップはプランクよりはるかに負荷が高いので、膝つきプランクなどより負荷のかからないプランクから挑戦してみましょう。

ダイエットを実施する

ハイプランクは、自分の体重を負荷にして行うエクササイズであるため、体重が重ければ重いほど負荷は大きくなります。

負荷が大きい分、効果が大きいというメリットがありますが、体重が重すぎることで腕や肩が痛くなってしまう場合は、ダイエットをしてから実施するしかないでしょう。

手の位置を確認

誤った位置に手を置いてしまうのも腕への負荷が高くなり、痛みを感じる原因になります。

正しい位置は、必ず肩の真下です。肩の下とは、正座をして真横に腕を下ろしたときの位置です。そのまま手を前にスライドさせてハイプランクの姿勢を作ると、理想的なポジションになるので、正しい位置がわからないという方は確認してみてください。

手首はストレッチ

ハイプランクは、手首が硬い人にとってはきつい種目でもあります。

ハイプランクを実施する前に、必ずストレッチをしましょう。しっかりとストレッチをしておくことで、痛みの予防になります。

また、ハイプランクをする場所も大切です。フローリングの床などで実施するとどうしても痛くなってしまうので、実施する際には、座布団やマットなどの緩衝材を敷きましょう。

腕を伸ばすプランク種目

膝つきハイプランク

膝つきプランクとは、膝をついた状態でハイプランクを行います。ノーマルプランクよりも簡単なハイプランクよりもさらに負荷が軽い初心者向けのプランクです。

ハイプランクができないという方は、膝つきプランクからはじめてみましょう。

ハイプランクと同じように、腹筋・背筋・臀部(でんぶ)をバランス良く鍛えることができ、腕にも刺激が入ります。

膝つきプランクのやり方

  1. うつ伏せになり、腕を肩幅に設定したら両肘を伸ばして肩の真下に手をつく
  2. 両膝をついたまま背筋を伸ばし身体を持ち上げてつま先を浮かせる
  3. 身体が一直線になる姿勢をキープする

つま先を浮かせず床につけるやり方もあります。しかし、より負荷が小さくなるため通常はつま先を浮かせます。

膝つきプランクは、30秒 × 3セットを目安に実施します。負荷に慣れてきたら少しずつ秒数を増やしていきましょう。

ハイサイドプランク

ハイサイドプランクとは

ハイサイドプランクは、外側を向いた状態で片足、片手で身体を支えるプランクです。

ハイサイドプランクでは、主に腹斜筋を鍛えることができます。

ハイサイドプランクのやり方

  1. 顔を正面に向けて、床に横になる
  2. 床に接している方の肘を伸ばして身体を持ち上げる
  3. 左右で繰り返す

まずは、10秒 × 3セットを目安に実施し、負荷に慣れてきたら少しずつ秒数を増やして最終的には1分程度実施できれば十分です。

ハイリバースプランク


ハイリバースプランクとは

ハイリバースプランクは、仰向けの状態で行うハイプランクです。

ハイリバースプランクで鍛えられる部位は、基本的には腹筋と背筋、臀部になり、慣れるまでは特に肩や腕にも刺激が入ります。特に背筋を稼働する必要があり、背筋を鍛えるためにも有効な種目です。

ハイプランクでは腹筋を中心に鍛えることができるので、ハイリバースプランクと合わせて実施すると、身体の両面をバランスよく鍛えることができます。

ハイリバースプランクのやり方

  1. 仰向けの状態で、手の平を床につける
  2. 肘を伸ばし、身体を浮かせる
  3. 両手と両足の踵(かかと)を身体で支え、頭から足先まで一直線になる姿勢をキープする

まずは、30秒 × 3セットを目安に実施し、負荷に慣れてきたら少しずつ秒数を増やし、最終的には1分程度実施できれば十分です。