片足スクワットにはいくつか種類があり、「基本」と「応用」に分類することができます。今回は、片足スクワットの「基本」と「応用」のやり方をご紹介します。
片足スクワットは非常に難易度が高く、怪我をするリスクも高いエクササイズですが、最も手軽にかつ安全に片足スクワットの練習ができるのが椅子を用いて実施する片足スクワットです。
椅子を用いた片足スクワットを実施する際に,椅子の高さは何れでも構いませんが、椅子の高さが高いほど負荷は小さくなります。椅子を用いた片足スクワットでは、片足スクワットを実施する上で最大の問題となる「片足の状態でボトムポジションに移行することが困難である」という問題を解決することが期待できます。つまり、片足スクワットを実施する際に、予め、椅子を用意してボトムポジションを特定の高さに設定すれば、比較的簡単に片足スクワットを実施できる用になります。また、怪我をしやすい最下点にボトムポジションを設定しなくなるため、怪我のリスクも減らすことができます。
トレーニングにおける「ボトムポジション」とは、身体が一番低い状態にあることを指します。スクワットではしゃがんだ状態です。多くは筋肉がピンっと張った状態です。反対に「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。その間を「ミッドレンジ」と言います。
動画で紹介しているように、まずは片足の踵を床につけた状態で練習するのがよく、それに慣れてきたら通常のスクワットと同様のフォームで実施するようにしましょう。
バランスボールを使った片足スクワットにはいくつか種類がありますが、一般的とされているのが壁と自身の身体に対してバランスボールを配置して実施する方法です。
片足スクワットは、その動作の特性上、どうしても上半身が足に被さるようなフォームになります。片足スクワットはそれでも十分に負荷が高くなりますが、理想的には上半身は床に対して垂直になるように設定した方が負荷が高まります。その際に役に立つのがバランスボールであり、バランスボールを自身の背中と壁の間に配置することで、バランスボールの反発を利用して上半身を床に対して垂直に保つことができ、かつ、バランスボールが動くため無理なく片足スクワットを実施することができます。
バランスボールを利用して身体を床に対して垂直にして実施することから、深くまで下げる必要がなく、バランスボールの反発も使うことができるため、通常の片足スクワットと比較して取り組み易い種目です。
片足スクワットをよりやり易くするための方法として、タオル及び床、もしくは地面に対してしっかりと固定した物を利用して実践する方法もあります。
できるだけ長いタオルを用意し、柱に対してタオルを巻き付け、タオルの両端を把持して片足スクワットを実施します。これにより、柱に巻き付けたタオルによりバランスを取ることができ、片足スクワットを実施した際に身体が後ろに倒れてしまうという問題点を克服することができます。ただ、身体が下がる速度は、依然としてコントロールすることは困難であるため、注意して実施する必要があります。
片足スクワットで限界が来てしまっても、タオルを引っ張ることで自身が元の場所に戻ることを可能とすることができるため、通常の片足スクワットの追い込み種目としても非常に有効です。
フロアピストルスクワットは、ボトムポジションでわざと床にお尻を付き、そこから復帰するピストルスクワットです。
フロアピストルスクワットにはいくつかの種類があり、ピストルスクワットを実施する際にお尻が床まで完全についた全ての種目を指すことが一般的です。ボトムポジションで床にお尻をつけることから、ボトムポジションでの膝への負荷は低減することが可能ですが、フロアを付けた状態から復帰するのに相当な脚の筋肉が必要です。
今回の動画で紹介しているのは、ボトムポジションで後転して背中を地面に付けてから、そこから戻る勢いを使ってピストルスクワットを実践する方法です。勢いを使うことができるため、こちらの方が負荷は低いですが、それでも、お尻が床についた状態から復帰するのにはかなりの筋肉と身体のバランスが必要です。
タイガーピストルスクワットは、ボトムポジションで軸足の膝を床につけるようにして、そこから復帰するピストルスクワットです。
片足でシシースクワットを実施するような状態になり、これにより大腿四頭筋の伸展を促します。シシースクワットでは両足で体重を受けていましたが、タイガーピストルスクワットでは片足で自身の体重を受けてストレッチさせることから、注意しないと膝を床に激突させる注意があるため、慎重に実施する必要があります(膝が床に強打することを想定して、予め、床にタオルを敷いて実践する人もいます)。
プリゾナーピストルスクワットは、腕を身体の後ろに組んだ状態で実施するピストルスクワットです。
ピストルスクワットは身体を後ろに倒していくことから、バランスを保つために腕は前に出すことが一般的ですが、プリゾナーピストルスクワットでは手を身体の後ろに回します。そのためピストルスクワットを実施するときのバランスが崩れ易くなるので、それを支えようとすることでより負荷が高まります。
通常のピストルスクワットと比べてバランスが崩れ易くなるため、身体のバランスを保つために上体が自然と前のめりになりますが、これはプリゾナーピストルスクワットを実施する上で自然な動きなため、過度にならない限りそこまで気にする必要はありません。
ドラゴンピストルスクワットは、軸足ではない方の脚を軸足と交差するようにしながら身体を下げるピストルスクワットです。
"教科書的"とされているピストルスクワットでは脚を前に出すとされており、それでも相当に不安定になり、それを支えようとしてかなり負荷の高いエクササイズになりますが、ドラゴンピストルスクワットはこれをさらに脚をくねらすように出すため、これ以上ないほど身体が不安定になります。これを支えようとしながら身体を下げるので、非常に負荷の高いエクササイズです。
ただ、この様に脚をくねらせながら出すため、股関節の柔軟性がかなり必要とされています。慣れていないで実施すると足を攣るなどして怪我の原因になるので、慎重に実施する必要があります。
スラックラインピストルスクワットは、スラックラインの上で実施するピストルスクワットです。スラックラインとは、木と木の間にくくりつけるベルト状のものであり、基本的にはその上に乗って歩くことでバランス感覚を養います。
そもそも、スラックラインは非常にバランスを取るのが難しい中で、その状態でピストルスクワットを実践することが「どれだけ難しいか」ということは想像に難くないかと思います。スラックラインの上で実施することから、床に対して上げている方の足を平行に保つ必要がないというメリットはありませんが、そもそもバランスを取ること自体が非常に難しいため、エクササイズ難易度も非常に高いです。
ダンベルピストルスクワットは、ダンベルを持った状態で行うピストルスクワットです。
ダンベルの持ち方は様々ですが、最も初歩的なのは、動画で紹介しているように1個のダンベルを両手で身体の前で持った状態で実施するやり方です。このようにすることで、ダンベルを両手に持つ必要がないため、負荷を高めすぎる危険性が少なく、また、バランスをとり易いというメリットがあります。
ただ、ダンベルを1個で実施しても相当に負荷が高いため、基本のピストルスクワットができるようになってから実践するようにしましょう。
オーバーベッドピストルスクワットは、バーベルを頭上で把持した状態で実施するピストルスクワットです。
オーバーヘッドスクワットは、そもそも負荷の高いピストルスクワットに対して、「腕を頭の上に上げ」、「バーベルを把持する」という二段階に負荷を高めたエクササイズです。エクササイズ強度はかなり高いため、怪我のリスクを考えると通常は実践する必要のないエクササイズです。
その一方で、オーバーヘッドピストルスクワットを実践できるというのは、相当に脚の筋肉が強いことに加えて、身体のバランスが凄まじいということが言え、自身の身体のレベルを図るという点では良い種目です。
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