パラベンによる肌荒れに悩む方へ、パラベンフリーのおすすめクレンジング剤を紹介します。また、パラベンとは何なのか、クレンジング剤の選び方も解説します。
パラベン(別名:パラオキシ安息香酸エステル)は、防腐剤の一種です。防腐剤は、細菌やカビの増殖を防ぎ、肌トラブルの原因とならないよう配合されています。
防腐剤には様々な種類がありますが、その中でもパラベンは最も広く使用されています。防腐性と安全性が高く毒性が低いため、食品の保存料として使われることもあります。
パラオキシ安息香酸とアルコール類とのエステル化合物質で、「メチルパラベン」「エチルパラベン」「プロピルパラベン」「ブチルパラベン」など多くの種類があります。
化粧品でよく「パラベンフリー」という文言を見かけることがありますが、防腐剤が全く入っていないというわけではなく、パラベン以外の防腐剤が使用されていることがほとんどです。
化粧品は、空気や手にふれることで酸化したり雑菌が繁殖する恐れがあります。そのような状態の化粧品は従来の効果が発揮されないだけでなく、肌に塗ることで肌トラブルを引き起こしてしまうこともあります。安全に安心して化粧品を使用するために、防腐剤は必要不可欠といえます。
<パラベン以外の防腐剤一覧>
フェノキシエタノール、安息香酸、安息香酸Na、サリチル酸、サリチル酸Na、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、メチルイソチアゾリノン、ソルビン酸、ソルビン酸K、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸Na、クロルフェネシン
※下記のような防腐(静菌)効果を持つ保湿成分を防腐剤の代わりとして使用することもあります。
BG(1,3−ブチレングリコール)、ペンチレングリコール、エタノール、DPG(ジプロピレングリコール)、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、エチルヘキシルグリセリン
パラベンは化粧品に使用される防腐剤の中でも比較的に防腐性と安全性が高く、一概に肌に悪いとはいえません。
ただし、極稀にパラベンでアレルギーを起こす人がいます。割合としては、0.3%程度といわれています。パラベンアレルギーの方は、パラベンフリー商品を使うことで肌トラブルが改善される場合があります。
パラベンの刺激性や含有量は商品によって違います。今までパラベン配合の化粧品を使用してきて肌トラブルがない人でも、体調や生活習慣によって肌への影響に違いが生まれる場合もあります。肌トラブルをかかえている方は、皮膚科医に相談の上、使用する化粧品を決定しましょう。
Attenir(アテニア)は、ファンケルグループのブランドで、一流ブランドの品質を3分の1の価格で提供することをコンセプトにしています。商品開発・製造・販売を自社で行い、削減したコストを惜しみなく商品研究や品質向上に投資しています。
この商品は、肌ステインを洗い流すことで、くすみのない明るい肌を目指すという理念のもと企画・製造されています。配合されている珊瑚草オイルにはくすみの原因である肌ステインを分解する作用があります。
パラベンフリー、鉱物フリー、アルコールフリーです。また、アレルギーテスト済み*、ノンコメド処方*の商品です。
*全ての方にアレルギー、コメドが起きないというわけではありません。
マツエク対応、W洗顔不要、濡れた手で使用可能、ウォータープルーフメイク対応です。
今回ご紹介したクレンジングオイルの中では、最もとろみのある厚めのテクスチャーです。洗い上がりの肌はつっぱり感はありませんがさっぱりめです。柑橘系の香りで、特にレモングラスの香りが強く感じられます。
あらゆる肌タイプの人におすすめです。
CLINIQUE(クリニーク)は、1968年に世界で初めて皮膚科学的見地から生まれたアメリカのブランドです。皮膚科医の問診からヒントを得て独自に開発された肌診断ツールを使用し、一人ひとりにあった商品を提供しています。
この商品は洗浄力が高く、落としづらい日焼け止めやしっかりメイクもするりとメイクオフできます。また、保湿成分(エモリエント作用)としてハイブリッドサフラワー油が配合されています。
パラベンフリー、フタル酸エステルフリー、香料フリー、ヴィーガンフレンドリーです。また、アレルギーテスト済み*です。
*全ての方にアレルギーが起きないというわけではありません。
マツエク非対応、W洗顔不要、濡れた手で使用不可、ウォータープルーフメイク対応です。
手のひらで溶けるバームは、とろっと厚めのオイル状になります。皮脂やうるおいを取りすぎることはありませんが、さっぱりとした洗い上がりです。ほぼ無臭ですが、油特有の匂いがかすかにあります。
あらゆる肌タイプの人が使用できますが、特に脂性肌の方におすすめです。
オルビスは、ポーラの通販部門として1987年に設立されたブランドです。化粧品に油性成分を含まない「オイルカット」など、肌に不要なものは使用しない商品開発を行っています。スキンケアやメイクアップ商品以外に栄養補助食品やボディウェア等も販売しています。簡易包装や詰替え用販売を採用しており、環境へ大きく貢献しています。
この商品は「メルティクリアベース」が採用されており、メイク汚れとなじむとオイルのような液状に変化します。また、ヒアルロン酸ナトリウムやマリンコラーゲン、ローヤルゼリーエキスなどの保湿成分が配合されています。
オイルフリー、アルコールフリー、無香料、無着色で、かつアレルギーテスト済み*、ノンコメドジェニックテスト済み**です。
*全ての人にアレルギーが起きないというわけではありません。
**全ての人にコメド=ニキビのもとができないというわけではありません。
マツエク対応***、W洗顔必要、濡れた手で使用可能、ウォータープルーフメイク非対応です。
***一般的なシアノアクリレート系の接着剤に対応しています。使用されている接着剤については、施術店にご確認ください。
弾力のあるジェル状のテクスチャーです。洗い上がりはしっとりもちもちとした肌になります。無香料なので香りはほぼありません。
DECORTÉ(コスメデコルテ)は、株式会社コーセーが運営するブランドです。4つのラインが用意されており、この商品が属するAQ MELIORITY(ミリオリティ)は最高級ラインで、エイジングケアに特化しています。
この商品は夜用のクレンジングクリームで、メイク汚れはもちろんのこと、不要な角質や酸化した皮脂も落とします。紅富貴エキスや紫茶エキス、白檀エキスなどの保湿(エモリエント)成分が豊富に配合されています。
パラベンフリーです。
マツエク対応*、W洗顔必要、濡れた手で使用不可、ウォータープルーフメイク非対応です。
*一般的なシアノアクリレート系の接着剤に対応しています。使用されている接着剤については、施術店にご確認ください。
クリームは濃厚なテクスチャーです。肌にのせてもクリーム状のままで、メイク汚れとなじむとヨレて「モロモロ」とした状態に変化します。しっとりふっくらとした肌に洗い上がります。フローラル系の高級感のある香りです。肌になじむまでやや時間がかかり、かつ高価なため、週1回のスペシャルケアとして使用するのもおすすめです。
あらゆる肌タイプの人におすすめです。
ポイントメイクは同ブランドの「アイ&リップ メイクアップ リムーバー」を使って落としましょう。クレンジング後は同ラインの「AQ ミリオリティ リペア フォーミングウォッシュ n」での洗顔をおすすめします。
チャントアチャームは、株式会社ネイチャーズウェイが運営する日本のオーガニックブランドです。100%自然成分*にこだわり、有機JAS認証の自社農場で育てたハーブを積極的に使用しています。パラベンやシリコン、合成ポリマー、紫外線吸収剤などの石油由来・化学成分は一切使用しません。
この商品は、石油系界面活性剤は一切使っておらず、天然由来成分のみで汚れを落とします。無農薬ハーブエキス(エキナセア、ゼニアオイ、セイヨウノコギリソウ)や北アルプスの温泉水、天然由来のアミノ酸が配合されています。
パラベンフリー、石油系界面活性剤フリー、鉱物油フリー、シリコンフリー、合成香料フリーです。
マツエク対応、W洗顔不要、濡れた手で使用不可、ウォータープルーフメイク対応です。
軽めのミルク状が、肌になじませると透明のオイル状になります。洗い上がりの肌はうるおいがキープされ、しっとりとします。オーガニック商品のため、薄いメイク(下地とフェイスパウダーのみ)向きです。香りはほのかな天然のハーブの香りです。洗い上がりの肌のうるおいを守ってくれます。
あらゆる肌タイプの人におすすめです。敏感肌の方でもご使用いただけます。
*ISO16128-1で定義された自然成分、自然由来成分、鉱物由来成分のみを使用。
自然原料:植物や鉱物などから得て科学的処理など施していない原料のこと。
自然由来原料:植物や動物などから取り出した特定の物質や自然原料を科学的処理または生物学的処理をして得た原料のこと。半分以上が自然由来物質で構成されるもの。
鉱物由来原料:地球上に自然に存在する無機物質と同じものを化学合成によって得る原料で、自然鉱物原料と同じ化学組成を持っているもの。
ビオデルマは1977年にフランスで創業されたスキンケアブランドです。生物学の視点を皮膚科学に取り入れた科学的アプローチで、40年以上にわたり研究を続けています。皮膚科学に関心の高いフランスでは、多くの皮膚科専門医がビオデルマの商品を処方しています。
この商品は、1本でクレンジング・洗顔・保湿の役割を果たすというコンセプトで作られた、弱酸性のクレンジング剤です。保湿成分であるキュウリ果実エキスやビオデルマ独自D.A.F.(マンニトール、キシリトール、ラムノース)が配合されています。
パラベンフリー、エチルアルコールフリー、オイルフリー、無香料、無着色で、パッチテスト済み*、ノンコメドジェニックテスト済み**です。
* 全ての人に皮膚刺激が起きないないということではありません。
** 全ての方にコメド(ニキビのもと)が発生しないということではありません。
マツエク対応、W洗顔不要、濡れた手で使用不可、ウォータープルーフメイク対応です。
リキッドタイプなので、水のようにさらさらとしたテクスチャーです。拭き取り後の肌はさっぱりとします。無香料ですが、かすかに原料臭がします。
敏感肌の方も含め、あらゆる肌タイプの人が使用できます。
メイクをした日はオイルやバーム、油性ジェルタイプなど洗浄力の高いクレンジング剤で、メイクや皮脂の汚れをしっかり取り除くのが基本です。
薄いメイク(下地とフェイスパウダーのみ)や日焼け止めだけの日は、クリームや水性ジェル、ミルクなど肌負担の小さいクレンジング剤を使うのがおすすめです。
メイクをしっかり落とすことが美肌への第一ステップです。化粧水や美容液、乳液などのスキンケアの効果を高めるためにも、クレンジングでしっかりメイクを落とすことが重要です。
肌質に関係なくメイク汚れはしっかり落とすことが重要なので、しっかりメイクの日は洗浄力の高いものがおすすめです。
乾燥肌の人が洗浄力の強いクレンジング剤を使うと、皮脂が取れすぎてしまうと心配する方もいるかと思いますが、洗浄力の弱いクレンジング剤で長時間クレンジングをしたり何度もこすると、かえって乾燥を助長してしまう場合があるので注意しましょう。
ノーメイクの日でも、オイリー肌の方で皮脂汚れが気になる方は、クレンジング剤の使用をおすすめします。
オイリー肌でなく完全ノーメイクの日はクレンジング剤は使用する必要ありません。ただし、ノーメイクの日でも肌のために日焼け止めは使用するようにしましょう。
W洗顔不要や濡れた手でも使用OK、マツエク対応など、クレンジング剤の機能性に注目するのもよいでしょう。時短を最優先にしたい方やマツエク使用者は、クレンジングの機能性をしっかりと確認することをおすすめします。
洗い上がりは、洗浄力や保湿成分、洗い方、肌質など様々な条件によって決まります。一般的には洗浄力が高いクレンジング剤の方が、さっぱりとした洗い上がりになる傾向がありますが、保湿成分などが含まれていれば一概にそうとはいえません。また、しっとりしていると思っていても、すすぎ残しの場合もあるので注意です。同じクレンジング剤でも人によって洗い上がりが違うことも多いです。
また、香りは、ローズやラベンダー、シトラス系、フローラル系など様々な種類があり、現在化粧品に使用されている香料は3,000種類以上といわれています。 香りにはリラックス効果があるといわれていますので、自分が心地よく感じる香りのクレンジング剤を選ぶとよいでしょう。
香りが苦手な方は無香料のクレンジング剤を選びましょう。ただし、無香料だからといって香りが全くしないというわけではありません。香料不使用というだけで、原料特有の匂いがすることがあります。
肌に触れる前に、手を清潔にすることが第一ステップです。手についた雑菌などが肌荒れを引き起こす場合があるので、ハンドソープなどで軽く手を洗いましょう。
一般的なクレンジングオイルは、乾いた手で使用するように作られています。手を洗ったらタオルなどでしっかりと水気を取り、クレンジング剤を手に取ります。使用方法などに記載されている分量、もしくはそれよりも多めに使いましょう。
クレンジング剤を肌にのせる順番は、皮脂腺が活発なTゾーン(おでこから鼻先)→Uゾーン(フェイスライン)→頬です。
お風呂に入る前か、お風呂に入ってすぐのクレンジングがおすすめです。
肌がふやけた状態は、肌のバリア機能が低下している状態で、成分の刺激を感じやすくなったり乾燥しやすくなってしまいます。
顔全体にクレンジング剤をのせたら、顔の中心から外側に向かってなじませていきます。この時、ゴシゴシと強い摩擦を加えるのはNGです。小鼻周りなど毛穴が気になる部分は、薬指の腹を使って小さな円を描くようにやさしくなじませます。
肌にクレンジングオイルをのせる時間は、30秒〜1分程度にしましょう。
それ以上は、肌に必要な皮脂まで落ちてしまい、肌負担が大きくなってしまいます。
また、1分以上かけてもメイクとなじまない場合は、メイクに対してクレンジングの洗浄力が低いことが考えられますので、クレンジング剤を変えるなどして対処しましょう。
一般的なクレンジング(特にオイルタイプやバームタイプ)は、洗い流す前に乳化が必要です。乳化とは、オイルと水を混ぜて白く濁らせることです。厳密には水と油は単体では混ざらないため、クレンジング剤に含まれる界面活性剤(水と油を混ぜる物質)の働きによって、透明だったクレンジング剤が白く変化します。乳化によってメイク汚れが浮き、少ない摩擦で落とせるようになるので、この乳化のステップは必ず行いましょう。
乳化ができたらクレンジング剤を洗い流します。この時、ぬるま湯で洗い流すのがポイントです。お湯の温度が高すぎると、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。ほんのり温かいと感じる人肌程度の温度が最適です。
洗い流す時は顔をこするのではなく、お湯を顔に優しくつけるようにします。すすぎの回数は30回ほどが目安で、オイルのヌルヌル感がなくなるまでです。生え際やフェイスライン、小鼻の周りなども丁寧に洗い流しましょう。界面活性剤などのすすぎ残しがあると、肌荒れの原因になってしまいます。
清潔なタオルもしくはティッシュで水分を吸い取ります。顔を擦って水分を「拭く」のではなく、タオルやティッシュを顔にやさしく当て水分を「吸い取る」ことが重要です。肌当たりの良い素材のものを使用しましょう。
W洗顔が必要な場合は、⑤のあとに洗顔へとうつります。
洗顔料の使い方も、基本的にはクレンジングオイルの使い方と同じです。泡立てが必要なものは、手やネットを使ってたっぷりの泡を立てて使います。
かずのすけ, 白野実(2019)『美肌成分事典』主婦の友インフォス
上原恵理(2021)『医者が教える 人生が変わる美容大事典』KADOKAWA
永松麻美(2021)『正しい知識がわかる 美肌事典』高橋書店
すみしょう(2021)『最短で美肌になるために知っておきたい スキンケア大全』KADOKAWA
久光一誠(2021)『効果的な「組み合わせ」がわかる 化粧品成分事典』池田書店
川島眞, 川田暁, 神田吉弘, 世喜利彦, 能﨑章輔(2018)『美容の科学』じほう
宇山侊男, 岡部美代治, 久光一誠(2020)『化粧品成分ガイド 第7版』フレグランスジャーナル
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