ヒンズープッシュアップは、やり方によっては広背筋を鍛えることを期待できます。今回は広背筋を鍛えるためのヒンズープッシュアップのやり方をご紹介します。
ヒンズープッシュアップは、通常、大胸筋及び上腕三頭筋を鍛えるための種目ではありますが、副次的に広背筋を鍛えることも期待できます。
一般的に、大胸筋を鍛えるための種目の多くは、大胸筋と拮抗筋(きっこうきん)の関係にある広背筋を鍛えることは中々難しいです。その一方で、ヒンズープッシュアップでは、背中を伸ばす動作があるため、副次的に広背筋を鍛えることも期待できます。
ヒンズープッシュアップを実施する際に、広背筋の動きをしっかりと意識しながら身体を動かすことで、効率的に広背筋を鍛えることを期待できます。
筋トレ初心者は、広背筋を鍛えるヒンズープッシュアップを4〜6回3セット実施します。
ヒンズープッシュアップは、通常のプッシュアップに対してさらに負荷を高めた種目であるため、特に初心者にとってはエクササイズ難易度が高くなってしまいます。このため、筋トレ初心者の場合には、まずは4〜6回3セット実施しましょう。
広背筋を鍛えるヒンズープッシュアップに少し慣れてきたら、6〜8回3セット実施します。
広背筋を鍛えるヒンズープッシュアップは慣れてくると、動作に慣れることでより安定して実施することを期待できます。そのため、ヒンズープッシュアップに少し慣れてきたら、初心者のときよりも回数をやや増やして、6〜8回3セット実施するようにしましょう。
上級者の場合、広背筋を鍛えるヒンズープッシュアップを実施する際には、その他の広背筋を鍛える種目と組み合わせて実施します。
上級者がヒンズープッシュアップを実施する場合には、ウォーミングアップ種目として実施します。本番種目として、ワンハンドロウイング、ダンベルプルオーバー、チンニングなどの種目を実施するのがおすすめです。ヒンズープッシュアップは、12〜15回3セット実施し、ワンハンドロウイング、ダンベルプルオーバー、チンニングなどの種目は8〜10回3セット実施しましょう。
ヒンズープッシュアップで最も重要なポイントは、身体を床に対してぎりぎりで動かすこと、つまり、身体が床を舐めるように実施することです。
身体が床を舐めるように実施すると、その動作の間は肘が曲がっている間になり、常に上腕三頭筋及び大胸筋に負荷がかかっている状態になります。床に対して身体をぎりぎりに設定するほど、肘がしっかりと曲がるようになるため、より負荷を高めることを期待できます。ただし、その分、エクササイズ強度はかなり高まるため注意して実施しましょう。
通常のほとんどのエクササイズでは、動作を戻すときに「戻しすぎる」と対象となる部位から負荷が抜けてしまうため、推奨されないことが多いですが、ヒンズープッシュアップでは異なります。
ヒンズープッシュアップではしっかり戻すことで、三角筋や広背筋にも負荷を与えることが期待できます。このときに、後方を向くようにするとより三角筋を伸展することを期待できるためおすすめです。
また、しっかり戻すということは、ヒンズープッシュアップで最も重要な床を「舐める」動作をより広範囲に設定できるということであり、この点でもエクササイズ効率を高めることを期待できます。
ヒンズープッシュアップに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、ヒンズープッシュアップで鍛えている部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの筋肉の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ヒンズープッシュアップに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ヒンズープッシュアップに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。ヒンズープッシュアップでは、身体を下げているときに息を吸い、上げるときに息を吐きます。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ワンハンドローイングは、特に初心者の場合には12〜15回を3セット実施しましょう。
ワンハンドローイングのは、やり方にもよりますが基本的には比較的高重量を扱いやすい種目です。ただし、ワンハンドローイングはフォームが重要であるため、やや軽めの重量で一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
背中を張る。
目線は正面。
ダンベルは床と垂直。
肘をしっかり引く。
ダンベルをやや後方に引くように。
上体の角度。
ダンベルプルオーバーは、まずは10〜12回を3セット実施します。
ダンベルプルオーバーは、比較的高重量を扱いやすく、可動域もしっかりと設定する必要があるため、回数をやや少なくしても問題ありません。そのため、一般的な筋トレで標準的な回数よりもやや少ない10〜12回を3セットで実施するようにしましょう。
座面の向きの設定。
ダンベルの持ち方。
重量設定。
チンニングは、3〜5回3セットを実施します。
チンニングは、非常に負荷の高いエクササイズであり、そもそも1回でも実施するのが難しい場合があります。その場合には、チンニングをするために台に掴まってからジャンプして、身体が落ちることに抵抗するなどのエクササイズをしながらチンニングに必要な筋肉をつけていきます。チンニングは、負荷の高いエクササイズであることから、まずは3〜5回3セットを実施し、徐々に回数を増やしていきましょう。
身体は海老反り。
手首は掌屈。
肩甲骨の動きを意識。
下げすぎない(=肘の角度が真っ直ぐになる部分まで戻さない)。
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