パイクプレスは、大胸筋上部も鍛えることも期待できます。今回は、大胸筋を鍛えるパイクプレスのやり方及びコツについてご紹介します。
パイクプレスは、三角筋前部を鍛えるためのエクササイズですが、三角筋前部は大胸筋上部と繋がっているため、副次的に大胸筋上部を鍛えることもできます。
大胸筋は、上部、中部、下部からなる部位ですが、多くの人が最も発達しているので大胸筋中部です。逆に、最も軽視されがちなのが大胸筋上部です。そのため、大胸筋上部が極端に発達しているという人はほとんどいません。
一方で、自重で大胸筋上部を効率的に鍛えることができる種目は多くありません。その中で、パイクプレスは数少ない自重で大胸筋上部を鍛えることができる種目であり、鍛えることで他の人と差別化をすることが期待できます。
筋トレ初心者は、大胸筋を鍛えるパイクプレスを8〜10回3セット実施します。
大胸筋を鍛えるパイクプレスは、慣れていないと負荷の高い種目であり、特に腕立て伏せのような種目であるため初心者にはとってはかなり難易度の高い種目です。このため、フォームをしっかり確認するという意味で、まずは8〜10回3セット実施しましょう。
大胸筋を鍛えるパイクプレスに少し慣れてきたら、10〜12回3セット実施します。
パイクプレスは慣れてくると、動作に慣れることでより安定して実施することを期待できます。そのため、パイクプレスに少し慣れてきたら、初心者のときよりも回数をやや増やして、10〜12回3セット実施するようにしましょう。
上級者の場合、大胸筋を鍛えるパイクプレスを実施する際には、その他の大胸筋を鍛える種目と組み合わせて実施します。
上級者が大胸筋を鍛えるパイクプレスを実施する場合には、ウォーミングアップの種目として実施します。本番種目として、ワイドプッシュアップ、ダンベルフライなどの種目を実施するのがおすすめです。この場合、パイクプレスを12〜15回を実施し、ワイドプッシュアップ、ダンベルフライを10〜12回3セット実施しましょう。
パイクプレスでは、腕幅を広げて実施することで大胸筋への負荷を高めることを期待できます。
通常、パイクプレスでは頭を床に近づけて実施することから、安全面を考慮して腕幅は力の出やすいやや狭めに設定して実施するのが一般的です。一方、大胸筋に負荷を与える場合には、大胸筋が伸展した状態を作り出す必要があるため、腕幅をやや広げて実施します。
ただし、このように実施すると、力を発揮しにくく、額を床に激突させてしまうこともあるため注意しましょう。
パイクプレスでは、ボトムポジションで大胸筋上部を伸展させる必要があり、そのためにはボトムポジションの設定が重要です。
通常のパイクプレスでは、額が床につくようにしてボトムポジションを設定するのが一般的ですが、このように実施すると三角筋前部に対する負荷がほとんどとなってしまいます。大胸筋上部に負荷を与えるためには、ボトムポジションをやや深めに設定する必要があり、そのために鼻くらいに設定するようにしましょう。
このため、通常のパイクプレスに対して、身体の角度はやや浅めに設定して実施することも留意しましょう。
パイクプレスでは、他の種目と同様に、負荷が入っている可動域の中で実施することが重要です。
パイクプレスにおいて、可動域を完全に設定しようとした場合には、肘を完全に伸ばした状態から、おでこが床に付く場所まで下げ、再び肘を完全に伸ばす必要があります。しかし、肘が伸び切ってしまうと、身体の重さを肘で支えることになり、肩に刺激が入り難くなります。このため、肘は伸ばし切らずに実施することが重要であり、トップポジションにおける肘がやや曲がった状態に設定するようにしましょう。
パイクプレスでは、脚をどのように設定するかで負荷が大きく変わります。
通常のパイクプレスでは、床でつま先立ちになって実施しますが、通常のプッシュアップと同様に、負荷を高めるためには少々高い場所に脚を置くことも効果的です。これにより、ボトムポジションにおいて、肩にかかる体重由来の負荷が高くなるためであり、究極的には完全に脚が頭の上にある逆立ちプッシュアップが最も負荷が高くなります(負荷が高い割には、実施するのが難しく、かつ、安全性に問題があるためおすすめではありませんが)。
逆に、負荷を小さくする場合には、膝立ちで実施しても問題なく、通常のパイクプレスを実施するのが難しい方は、まずは膝立ちで実施できるようにしましょう。
パイクプレスに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、パイクプレスで鍛えている部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの筋肉の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
パイクプレスに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
パイクプレスに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。パイクプレスでは、身体を下ろすときに息を吸い、身体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ワイドプッシュアップは、パイクプレスと同様に大胸筋を鍛えることができるためです。
ワイドプッシュアップは、大胸筋を鍛えることができるエクササイズです。パイクプレスと比較すると、ワイドプッシュアップの方がエクササイズ強度は高いです。実際に実施する場合には、ワイドプッシュアップを実施した後にパイクプレスを実施することで効率的に大胸筋を鍛えることを期待できます。
ワイドプッシュアップは、12〜15回を3セット実施します。
ワイドプッシュアップは、比較的負荷の高いエクササイズです。このため、理想的には、つま先立ちで実施することが望ましいですが、負荷が高すぎる場合には膝付きで実施しても問題ありません。少しずつ負荷を増やしながら、最終的に12〜15回を3セット実施できるようになることを目指しましょう。
実施中は常に肩甲骨を寄せたままにする。
トップポジションで肘を伸ばし切らない。
身体を下げるときはゆっくりにする。
上半身から下半身は常に一直線で実施する。
ダンベルチェストプレスは、パイクプレスと同様に大胸筋を鍛えることができるためです。
ダンベルチェストプレスは、大胸筋を鍛えることができるエクササイズです。ダンベルフライと比較すると、基本的にはエクササイズ強度はほぼ同じくらいです。実際に実施する場合には、どちらを先に実施しても問題なく、両方を合わせて実施することで効率的に大胸筋を刺激することを期待できます。
ダンベルチェストプレスは、12〜15回を3セット実施します。
ダンベルチェストプレスは、高重量を比較的扱い種目ですが、怪我をしやすい(特に肘、肩を痛め易い)種目です。このため、ダンベルの重量設定に注意しながら12〜15回を3セット実施できるようにしましょう。あくまでも、「ぎりぎり12〜15回を実施できる重量」を選択することが重要であり、楽に12〜15回を実施できる重量を選択しないようにしましょう。
肘を伸ばし切らない。
ダンベルを下げすぎない。
ダンベルの軌道は弧を描くのではなく、直線。
床に対して肘は常に垂直。
ダンベルチェストプレスは、ダンベルフライと同様に大胸筋を鍛えることができるためです。
ダンベルチェストプレスは、大胸筋を鍛えることができるエクササイズです。ダンベルフライと比較すると、基本的にはエクササイズ強度はほぼ同じくらいです。実際に実施する場合には、どちらを先に実施しても問題なく、両方を合わせて実施することで効率的に大胸筋を刺激することを期待できます。
ダンベルフライは、まずは12〜15回を3セット実施しましょう。
ダンベルフライは、基本的には大胸筋のみを狙う比較的負荷の高いエクササイズです。特に初心者の場合には、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
重量設定。
肩甲骨を寄せる。
ダンベルを下げすぎない。
ダンベルを上げすぎない。
肘の角度を常に固定。
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