ファイヤーハイドラントは実施方法によっては、股関節が痛いと感じることがあります。今回は、関節が痛い場合のファイヤーハイドラントの原因と対策についてご紹介します。
ファイヤーハイドラントは英語で「fire hydrant」であり、「消火栓」を意味します。消火栓を考えると寸胴の構造物でありマイナスなイメージがありますが、本種目はそれをあえて「消火栓の様な太くてしっかりしたお尻」と考えることでプラスのイメージを持つ様にした種目名です。つまり、「ファイヤーハイドラント」という名前自体は動作を表しているわけではなく、その種目の目標を意味しています。
以上より「ファイヤーハイドラント」という名前だけ聞くと、非常に難しそうな印象を受けますが、動作自体はそこまで難しくなく、基本的にはそこまで難易度は高くありません。
ファイヤーハイドラントを実施する際に、股関節の柔軟性が足りないと股関節が痛いと感じることがあります。
ファイヤーハイドラントは膝を外旋させるエクササイズであることから、自然と股関節に負担がかかる種目です。そのため、股関節の柔軟性が足りないと、無理に膝を外旋させてしまい股関節が痛いと感じることがあります。
この場合、まずは股関節の柔軟運動を実施するようにします。それでも柔軟性が足りないと感じる場合にはお風呂上がりに少しずつ柔軟運動を実施して股関節をほぐすのがおすすめです。
ファイヤーハイドラントを実施する際に、足を上げ過ぎると股関節が痛いと感じることがあります。
前述した通り、ファイヤーハイドラントは膝を外旋するエクササイズであり、足を上げるほど外旋する量が多くなり、股関節にかかる負担も増大します。このため、足を上げ過ぎてしまうと場合によっては股関節が痛いと感じることがあります。
この場合、足を上げ過ぎないようにします。いきなり足を上げすぎるのではなく、少しずつ足を上げるようにしましょう。
ファイヤーハイドラントを実施する際に、股関節をそもそも痛めていると実施している中で股関節に痛みを感じる原因になり得ます。
股関節は一度怪我をすると完治するのが非常に難しい部位であることから、痛みを感じている場合には非常に慎重になる必要があります。
このため、股関節に痛みがある場合には、股関節を稼働する下半身の種目を控えることはもちろんですが、病院の受診も検討しましょう。
筋トレ初心者は、ファイヤーハイドラントを10〜12回3セット実施します。
ファイヤーハイドラントは、そこまでエクササイズ強度が高くないため、筋トレ初心者のうちから多くの回数を実施することが期待できます。ただし、筋トレ初心者のうちはフォームを確認するという意味でやや少ない回数を実施するようにしましょう。
ファイヤーハイドラントに少し慣れてきたら、12〜15回3セット実施します。
ファイヤーハイドラントは慣れてくると、中臀筋の発達により安定して実施することを期待できます。そのため、ファイヤーハイドラントに少し慣れてきたら、初心者のときよりも回数をやや増やして、12〜15回3セット実施するようにしましょう。
上級者の場合、ファイヤーハイドラントを実施する際には、その他の中臀筋を鍛える種目と組み合わせて実施します。
上級者がファイヤーハイドラントを実施する場合には、ウォーミングアップ種目として実施します。本番種目として、ワイドスクワット、ヒップスラストなどの重量を扱う種目を実施するのがおすすめです。この場合、ファイヤーハイドラントを12〜15回を実施し、ワイドスクワット、ヒップスラストを10〜12回3セット実施しましょう。
ファイヤーハイドラントは中臀筋に負荷を与えるための種目であり、中臀筋をより伸展させるためには足をしっかり上げる必要があります。
ただし、足をしっかり上げるにはそもそも股関節の柔軟性が必要です。柔軟性が足りない状態で無理に足を上げようとすると股関節を怪我する原因になるため注意が必要です。
また、股関節の外旋動作は、必然的に腰に負担がかかるため、足をしっかり上げるほど腰を痛めるリスクがあることは留意しましょう。
ファイヤーハイドラントでは、足の上げた動作でお尻が上がってしまうと、中臀筋への負荷が抜けてしまうため注意が必要です。
ファイヤーハイドラントでは、足を上げた動作に対する慣性力をお尻でしっかり制御するため中臀筋に負荷を与えることができます。つまり、臀部は常に床に対して並行を意識する必要があり、足を上げた動作に伴って臀部が上がってしまうと中臀筋に対する負荷が低減してしまうため注意が必要です。
ファイヤーハイドラントは、1回1回の動作の負荷は高くありません。それを補うようにして、回数を多くして実施しますが、負荷を高める別の方法としてトレーニングバンドを使うやり方もあります。
トレーニングバンドを使う場合には、基本的には膝上にトレーニングバンドを巻いてファイヤーハイドラントを実施します。トレーニングバンドの選び方ですが、基本的には、やや負荷の低いものを購入するのがおすすめです。負荷が高すぎると、ファイヤーハイドラントの場合には脚を開くことが困難になるためであり、少し負荷が小さいと感じるものを選ぶようにしましょう。
ファイヤーハイドラントに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、中臀筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での中臀筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ファイヤーハイドラントに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ファイヤーハイドラントに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ファイヤーハイドラントでは、脚を下ろすときに息を吸い、脚を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ハイサイドプランクは、片側10秒3セットを実施します。
ハイサイドプランクは、実施するにあたり、体幹部及び腕の筋肉が必要です。そのため、男性と比較して腕の筋肉量が少ない女性の方はどうしても実施し辛いことが多く、その場合には、膝付きのサイドプランクから始めても全く問題ありません。負荷は比較的高いことから、まずは片側10秒3セットから実施するようにしましょう。
脇を締めることを意識するとバランスを崩しにくい。
どうしてもバランスが崩れてしまう場合には、脚をずらして配置する。
身体は一直線。
長い秒数をやりすぎないようにする。
サイドプランクは、20〜30秒を3セット目標に実施します。
サイドプランクは、自体重を片足、片手で支えるエクササイズであることからエクササイズの強度としてはやや高いです。このため、まずは10秒3セット程度から始めて、最終的には20〜30秒を目安に実施するようにしましょう。負荷が高すぎる場合には片手及び片膝で身体を支えるように実施しても問題ありません。
上半身から下半身までは真っ直ぐ。
できない場合には膝付きで実施する。
身体のコアを意識する。
上半身が腕に覆いかぶさらないようにする。
ヒップリフトは、12〜15回を3セット実施するようにしましょう。
ヒップリフトもクラムシェルと同様に、「ながら」でできるエクササイズですが、負荷はクラムシェルよりもやや高めです。このため、一般的なトレーニングで推奨とされている12〜15回を3セット実施するようにしましょう。
トップポジションで静止する。
お尻をゆっくり下げる。
お尻を上げる際に息を吐いて、お尻を下げるときに息を吸う。
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