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椅子スクワットのやり方。回数の設定。効果を高めるコツは?

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椅子スクワットのやり方。回数の設定。効果を高めるコツは?

椅子スクワットは、ボトムポジションに椅子を設定して実施するスクワットです。今回は、椅子スクワットのやり方及びコツについてご紹介します。

椅子スクワットとは

椅子スクワットは、「椅子を用いて実施するスクワット」です。

これだけ聞くと、椅子スクワットはエクササイズ強度が低そうに思えます。確かに、椅子スクワットはスクワットで非常に負荷の高い太ももが床と平行よりも深い部分を経験しないことから、その意味でのエクササイズ強度は限定的です。

一方で、「椅子に座る」ということは、一旦、動きを完全に0にするということから、とくにボトムポジション(身体が最も低い位置にある状態)からトップポジション(身体が最も高い位置にある状態)に戻る際のエクササイズ強度を大きく高めることができます。

以上から、椅子スクワットは、筋トレ初心者から上級者までおすすめのエクササイズです。

椅子スクワットで鍛えることできる部位

椅子スクワットで鍛えることできる部位

大腿四頭筋

椅子スクワットで鍛えることできる大腿四頭筋

大腿四頭筋は、太ももの前面についている筋肉であり、大腿直筋(だいたいちょっきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、中間広筋(ちゅうかんこうきん)、外側広筋(がいそくこうきん)から構成されています。中間広筋は深層にあり、大腿直筋がかぶさっています。

大腿直筋は、大腿四頭筋の表層の中央部に相当し、膝関節の伸展、股関節の屈曲に寄与します。大腿直筋が発達していると、大腿四頭筋の凹凸感がはっきりするようになることが期待できます。

外側広筋は、大腿四頭筋の外側に相当し、膝関節の伸展に寄与してます。大腿四頭筋の見た目に対して重要な役割を果たしており、外側広筋を鍛えていると正面から見た時の太ももの太さが際立つことが期待できます。

中間広筋は、大腿四頭筋の深層の中央部に相当し、膝関節の伸展に寄与します。中間広筋は、深層にあるため、外から確認することが難しい部位ですが、下半身を安定化させるためには重要な筋肉です。

内側広筋は、大腿四頭筋の内側に相当し、膝関節の伸展に寄与します。内側広筋を鍛えることで膝の保護や安定性に寄与することが期待できます。

大腿四頭筋は、筋群で比較したとき身体の中で最も大きな筋肉であり、鍛えることで見た目はもちろんですが、効率的に代謝を改善し、ダイエット効果を期待できます。

ハムストリングス

椅子スクワットで鍛えることできるハムストリングス

ハムストリングスとは、太ももの裏側に位置する3つの筋肉(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋)の総称です。「ハムストリング」と表記される場合もありますが、以上のように3つの筋肉で構成されていることを考慮して、ここでは「ハムストリングス」と呼称します。どちらで呼称しても問題ありません。

ハムストリングスは、太ももの前側にある大腿四頭筋と比較するとサイズは小さくなりますが、それでも筋肉の大きさとしては身体の中でも非常に大きい部類に分類することができます。

大臀筋

椅子スクワットで鍛えることできる大臀筋

大臀筋は、お尻の大部分を占めている筋肉であり、単一の筋肉では身体の中で占める割合が最も大きい筋肉です。

お尻には、大臀筋の他に、中臀筋と小臀筋という筋肉があります。中臀筋はお尻の外側についている筋肉、小臀筋はお尻の中で最もインナー部分に存在する筋肉です。ただ、両者ともに大臀筋と比較すると、筋肉としては小さいため、お尻を効果的に鍛えたいならば大臀筋を鍛えると効率的です。

腸腰筋

椅子スクワットで鍛えることできる腸腰筋

腸腰筋は、大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つの筋肉を総称した筋肉であり、筋肉の分類としてはインナーマッスルに分類され、上半身と下半身をつなぐ役割をしています。

一般的に、腸腰筋はインナーマッスルに分類され、鍛えすぎて見た目が変化することはほぼありません。

内転筋

椅子スクワットで鍛えることできる内転筋

内転筋(内転筋群)は、太ももの内側についている筋肉で、恥骨筋(ちこつきん)、大内転筋(だいないてんきん)、小内転筋(しょうないてんきん)、長内転筋(ちょうないてんきん)、短内転筋(たんないてんきん)、薄筋(はっきん)からなります。

内転筋は、比較的多数の筋肉からなる筋群ですが、それぞれを独立して鍛えるということはほとんどなく、基本的には、内転筋のエクササイズと総称してまとめて鍛えることがほとんどです。

椅子スクワットの効果

メリハリのある太もも

「メリハリのある太もも」とは「引き締まった太もも」のことです。バックスクワットにより太ももの前部と裏側を刺激するので、これらの部位に積極的に筋肉をつけることができ、引き締まった太ももを実現できます。

「スクワットは脚が太くなるからやりたくない」という女性がたまにいらっしゃいますが、女性が自重で実施する範疇で劇的に脚が太くなるということは考えにくいです。

筋肉痛が強い=太くなる、ではないので、そこまで心配しすぎる必要ありません。 そもそも女性は、男性と比較して筋肉の発達に影響するテストステロン値が低く、男性でも太ももを大きくするためには高重量のスクワットが必要ですので、あまり心配しないでよいでしょう。

ヒップラインの引き上げ

近年の美尻ブームにより多くのマシンや種目が紹介されていますが、お尻のラインを作る上で最も効果的なのは椅子スクワットが分類されるスクワットです。

この理由としては、スクワット自体が太ももを稼働させて実施する種目であることから、運動経験がない人でも高負荷のトレーニングを実施しやすいためです。

ただし、椅子スクワットでは通常のスクワットに対して、ボトムポジションが非常に浅いため、お尻の筋肉である大臀筋や太ももの裏の筋肉であるハムストリングスへの効果は限定的であることに留意しましょう。

代謝アップによるダイエット効果

椅子スクワットは筋肉を鍛えるのに有効な種目ですが、それと同時にダイエット効果も見込むことができます。

その理由は、身体の中の筋肉の約60〜70%が下半身に集中しており、下半身の中でも大腿四頭筋、臀部(お尻)が占める筋肉の割合が非常に高いためです。スクワットは、これらの筋肉を鍛えることができ、これにより代謝が向上します。脂肪が燃焼するためには代謝の向上が不可欠なので、ダイエット効果が見込めます。

ただし、椅子スクワットは代謝向上を促すことまでしかできません。ウォーキングやランニングなどの有酸素運動と、食事制限もダイエットをする上では必須です。

美肌効果

椅子スクワットを実施することで成長ホルモンが多く分泌されるといわれており、これにより肌のはりやつやの改善が期待できます。バックスクワットのメインターゲットが、前述した通り身体の中で最も筋肉量がある大腿四頭筋であることが理由しています。

姿勢改善

椅子スクワットは、「正しいフォームで行えば」体幹を鍛えることができ、姿勢改善に繋がります。正しいフォームについては後述します。

椅子スクワットのやり方

フォーム

  1. 椅子を用意する。
  2. 脚幅を腰幅位に設定し、つま先はやや外側に設定する。
  3. 椅子に座るところまでゆっくり身体を下げる。
  4. 膝が真っ直ぐに伸び切らないところまで身体を戻す。
  5. 3から4をくり返す。

回数

初心者

初心者は、椅子スクワットを8〜10回3セット実施します。

椅子スクワットは、特にボトムポジションからトップポジションに戻る部分でエクササイズ強度が高いです。また、腰にかかる負担も大きいため注意が必要です。実施する場合には、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数よりもかなり少ない8〜10回を3セット実施することを目標に実施しましょう。

少し慣れたら

椅子スクワットに少し慣れてきたら、10回3セット実施します。

椅子スクワットは慣れてくると、実施することで腰を痛めるという危険性をかなり減らすことができます。そのため、椅子スクワットに少し慣れてきたら、初心者のときよりも回数をやや増やして、10回3セット実施するようにしましょう。

上級者

上級者の場合、椅子スクワットを実施する際には、バックスクワット、フロントスクワットなどと組み合わせて実施するようにしましょう。

具体的には、バックスクワットやフロントスクワットなどの重量を扱うスクワットにおいて、ボトムポジションに椅子を設定して実施します。特に、このようなスクワットでは、膝を痛めやすいという問題があり、椅子スクワットと組み合わせることで膝を痛めるリスクを低減することが期待できます。

椅子スクワットの効果を高めるポイント

つま先の向き

スクワットを実施する上で、後述するようにしっかりとしゃがむことが重要です。

しゃがむ動作には、股関節が大きく関与しており、股関節が閉まった状態だとしゃがみ辛く、一方で股関節が開いた状態だとしゃがみやすいという特徴があります。

一般的に、スクワットでは両脚を平行に設定しがちですが、そのようにすると股関節がしまった状態になり、かなりしゃがみ辛くなってしまいます。これを防ぐために、つま先はやや外側に向けるように設定し、股関節がやや開いた状態で実施するのがおすすめです(逆に、つま先を開き過ぎると、股間節を怪我する原因となるため注意が必要です)。

膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識し過ぎない

多くのメディアで「スクワットを実施する際には膝をつま先よりも前に出さない」ということが指摘されていますが、必ずしも正しくありません。基本的に身体の構造上、しゃがむと膝がつま先よりも前に出るということは自然の動作であり、これを制限してスクワットを実施すると怪我をする可能性が大です。

椅子スクワットを自重で実施する場合にはそこまで問題になりませんが、特に、後述する加重して実施する場合には重量を扱うことを目的にして、しっかりと重量を扱える膝の出し方で実施するようにしましょう。

背中を張ったまま実施(椅子に座って気を抜かない)

椅子スクワットを実施する上で、怪我をしやすいのが腰です。

特に、後述するように重量を扱って椅子スクワットを実施する場合には、重量物がある状態で椅子に座ることからしっかりと腹圧を高めていないと腰を痛める危険性があります。そのため、特に、重量を扱って椅子スクワットを実施する場合には、通常のスクワット以上に腹圧を高めて実施する必要があります。

初動は臀部から動かすことを意識

椅子スクワットは、膝を曲げて身体を下げるエクササイズであることから、膝から先に動かしたくなりますが、通常のスクワットと同様にむしろ臀部から動かすように意識すると正しいフォームに近づきます。

椅子スクワットは、大臀筋にも刺激を入れるために、やや後ろを意識して身体を下げるようにすることが一般的とされており、このためには膝を意識するというよりは臀部を後ろに突き出して、初動の意識を臀部に持っていくことが推奨されます。また、膝を先に動かそうとすると、どうしても膝に負担がかかりやすくなる傾向があるため、まずは臀部から動かすことを意識するようにしましょう。

大腿四頭筋、大臀筋の動きを意識

椅子スクワットに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。

このため、最初は難しいですが、大腿四頭筋、大臀筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での大腿四頭筋、大臀筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

動作の速度

椅子スクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。

具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。

ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。

呼吸

椅子スクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。基本的には、しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときに息を吐くことを意識しましょう。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

椅子スクワットと一緒にやりたい種目

ダンベルスクワット

なぜ一緒にやるのがおすすめか

ダンベルスクワットは、椅子スクワットとして実施すると効率的に負荷を高めることができるためです。

ダンベルスクワットは、比較的重量を扱える種目であり、椅子スクワットとして実施すると、負荷の抜けやすいボトムポジションからトップポジションをより効率的に実施することが期待できます。通常のダンベルスクワットと比較して、大腿四頭筋を刺激することに特化したエクササイズです。

やり方

  1. ダンベルを両手にもった状態で、身体の横に配置する。
  2. 臀部主導で上体が曲がらないように、太ももと床が平行もしくはそれよりも深い部分まで身体を下げる。
  3. 膝がロックしない部分まで元に戻る。
  4. 2-3を繰り返す。

回数

ダンベルスクワットは12〜15回3セットを実施します。

ダンベルスクワットは、ダンベルで加重しているものの、そこまでの重量を扱わなければ初心者でも比較的多数の回数を実施することが期待できます。逆に言えば、多回数実施できない場合には重量設定に問題があると言え、12〜15回3セットを実施できる重量設定にしましょう。

ポイント・コツ

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識し過ぎない。

  • ボトムポジションをしっかり深いところに設定。

  • 背中を張ったまま実施。

  • ダンベルは身体の側面に配置。

  • 初動は臀部から動かすことを意識。

  • 重量設定。

バックスクワット

なぜ一緒にやるのがおすすめか

バックスクワットは、椅子スクワットとして実施すると効率的に負荷を高めることができるためです。

バックスクワットは、比較的重量を扱える種目であり、椅子スクワットとして実施すると、負荷の抜けやすいボトムポジションからトップポジションをより効率的に実施することが期待できます。通常のバックスクワットと比較して、大腿四頭筋を刺激することに特化したエクササイズです。

やり方

  1. バーベルを背負い、脚幅を腰幅位に設定し、つま先はやや外側に設定する。
  2. 太ももと床が平行よりも少し深くなる位までゆっくり身体を下げる。
  3. 膝が真っ直ぐに伸び切らないところまで身体を戻す。
  4. 2から3をくり返す。

回数

バックスクワットは8〜10回3セット実施します。

バックスクワットは、重量を扱う種目で、負荷は比較的高いです。また、腰、膝にも負担をかけやすい種目であるため注意が必要です。実施する場合には、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数よりもかなり少ない8〜10回を3セット実施することを目標に実施しましょう。

ポイント・コツ

  • バーベルの位置。

  • バーベルを手で押す。

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識し過ぎない。

  • ボトムポジションをしっかり深いところに設定。

  • 背中を張ったまま実施。

  • 初動は臀部から動かすことを意識。

  • 重量設定。

フロントスクワット

なぜ一緒にやるのがおすすめか

フロントスクワットは、椅子スクワットとして実施すると効率的に負荷を高めることができるためです。

フロントスクワットは、比較的重量を扱える種目であり、椅子スクワットとして実施すると、負荷の抜けやすいボトムポジションからトップポジションをより効率的に実施することが期待できます。通常のフロントスクワットと比較して、大腿四頭筋をよりダイレクトに刺激することが期待できます。

やり方

  1. バーベルを三角筋前部で把持し、脚幅を腰幅位に設定し、つま先はやや外側に設定する。
  2. 椅子までゆっくり身体を下げる。
  3. 膝が真っ直ぐに伸び切らないところまで身体を戻す。
  4. 2から3をくり返す。

回数

フロントスクワットは8〜10回3セット実施します。

フロントスクワットは、バックスクワットと比較してよりダイレクトに大腿四頭筋に負荷を与えることができる種目で、負荷はかなり高いです。また、腰、膝にも負担をかけやすい種目であるため注意が必要です。実施する場合には、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数よりもかなり少ない8〜10回を3セット実施することを目標に実施しましょう。

効果を高めるポイント

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識し過ぎない。

  • ボトムポジションをしっかり深いところに設定。

  • 胸を張ったまま実施。

  • スミスマシンを用いる。

  • バーベルの固定方法。

  • 重量設定。