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ラットプルダウンで腕が痛い原因とは?対処法と正しいフォームを解説

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ラットプルダウンで腕が痛い原因とは?対処法と正しいフォームを解説

ラットプルダウンは、やり方によっては腕が痛いと感じることがあります。今回は、ラットプルダウンで腕が痛い原因とその対策についてご紹介します。

ラットプルダウンとは

ラットプルダウンは英語で「lat pull down」で、「広背筋を引き下ろす」ことを意味する種目です。ちなみに、「lat」は「latissimus dorsi 」で、「広背筋」を意味しますが、基本的には「lat」もしくは「lats」と表記することが多いです。

ラットプルダウンは、マシンを用いて実施する広背筋の種目の中で最も一般的な種目の一つです。エクササイズ難易度はそこまで高くはないものの、エクササイズ効率が非常に高いことから、筋トレ初心者から上級者まで全ての方におすすめできる種目です。

ラットプルダウンで腕が痛い原因

腕の力を使いすぎている

ラットプルダウンを実施する際に、腕の力を使いすぎていると腕が痛いと感じる原因になり得ます。

ラットプルダウンを実施する上で、腕の力を使用することは避けることができません。その中で、広背筋を使用する必要がありますが、慣れていないと広背筋をうまく使うことができず、腕のちからばかり使ってしまうことで腕が痛いと感じることがあります。

この場合には、腕の力を使わないでラットプルダウンを実施するようにします。具体的には、手首を掌屈させること、小指と薬指でアタッチメントを握ることを意識しましょう。

腕の筋肉量不足

ラットプルダウンを実施する際に、腕の筋肉が足りないと腕が痛いと感じる原因になり得ます。

前述した通り、ラットプルダウンを実施する際には腕の力を使うことを避けることができません。つまり、腕の筋肉が十分でないと、例え広背筋でアタッチメントを引くことができていても腕が痛いと感じることがあります。

この場合、まずは腕の筋肉をつける必要があります。プランク、ハイプランク、膝付きプッシュアップなどがおすすめです。

腕を痛めている

ラットプルダウンを実施する際に、腕を痛めていると腕が痛いと感じる原因になり得ます。

当たり前ですが、ラットプルダウンを実施する際に腕を痛めていると腕が痛いと感じることがあります。腕は、筋肉痛の場合には比較的直ぐに治りますが、肘などを怪我していると完治するまでに時間がかかるため注意が必要です。

この場合、ラットプルダウンの実施を控えます。場合によっては、病院の受診も検討しましょう。

ラットプルダウンの正しいやり方

フォーム

  1. ラットプルダウンマシンに座る。
  2. 手首を掌屈させてアタッチメントを握る。手幅は、前腕と上腕の角度が90度となるくらい。
  3. アタッチメントが大胸筋上部に付くまで引き切る。
  4. 肘が伸び切らない部分まで元に戻る。
  5. 3から4を繰り返す。

重量

初心者

筋トレ初心者のラットプルダウンの目安の重量は30 kg程度です (自身の体重にもよります)。

ラットプルダウンは、主に広背筋を鍛えるエクササイズであることから、筋トレ初心者でも比較的高重量を扱うことができます。以上では重量は30 kgと述べましたが、実際には、自身の筋肉量に合わせて12〜15回をきちんと(ある程度余裕のある形で)実施できる重量を選択するようにしましょう。

少し慣れたら

ラットプルダウンに少し慣れた方のラットプルダウンの目安の重量は30〜40 kg程度です(自身の体重にもよります)。

ラットプルダウンで鍛える広背筋は比較的サイズが大きい部位であることから、鍛えると比較的早い速度で扱うことができる重量が伸びます。ただし、少し慣れた場合でもむしろフォームをしっかり意識するという意味で、やや軽い重量で行うようにしましょう。以上では30〜40 kgを挙げましたが、この重量はあくまでも目安であり、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせてラットプルダウンを12〜15回実施できる重量を選択するようにしましょう。

上級者

筋トレ上級者のラットプルダウンの目安の重量は100 kg以上です(自身の体重にもよります)。

筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、ラットプルダウンを100 kg以上を扱って正確なフォームで実施できれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、これはあくまでも「正確なフォームで実施した場合」の重量です。ラットプルダウンマシンの引きが甘いと高重量を扱うことができるため、きちんと可動域を設定した状態で実施するのがおすすめです。

回数

初心者

筋トレ初心者は、ラットプルダウンを10〜12回3セット実施します。

ラットプルダウンは、重量によっては負荷の高い種目ではありますが、広背筋が大きい部位であることか筋トレ初心者でも回数を実施することができます。ただし、フォームをしっかり確認するという意味で、まずは10〜12回3セット実施しましょう。

少し慣れたら

ラットプルダウンに少し慣れてきたら、12〜15回3セット実施します。

ラットプルダウンは慣れてくると、広背筋の発達により安定して実施することを期待できます。そのため、ラットプルダウンに少し慣れてきたら、初心者のときよりも回数をやや増やして、12〜15回3セット実施するようにしましょう。

上級者

上級者の場合、ラットプルダウンを実施する際には、その他の背中の筋肉を鍛える種目と組み合わせて実施します。

上級者がラットプルダウンを実施する場合には、ウォーミングアップ種目として実施します。本番種目として、デッドリフト、バーベルロウなどの重量を扱う種目を実施するのがおすすめです。この場合、ラットプルダウンを12〜15回を実施し、デッドリフト、バーベルロウを10〜12回3セット実施しましょう。

ラットプルダウンで効果を高める方法

肘を引く

ラットプルダウンで重要なテクニックは肩甲骨を寄せることですが、これを意識することは容易ではありません。

これは、そもそも肩甲骨が目に見えない部分であることから、筋トレに慣れている方でないとそれを動かすことを意識するのは困難であるためです。このことから、背中に意識置かなくても肩甲骨が寄った状態が達成される必要があり、そのためには、肘をしっかりと引くことを意識するのがおすすめです。

肘をしっかり引くと、肩甲骨がしっかりと寄った状態になることから、肩甲骨を寄せることを意識しなくても、肩甲骨が寄った状態を実現可能です。

手首を掌屈させる

ラットプルダウンに限らず、背中を鍛えるほとんどの種目において、手首を掌屈させることは非常に重要です。

背中を鍛える種目は、手に握った重りやマシンを引くことで背中に負荷を与えます。このため、背中を鍛えるためにはどうしても握力を関与させる必要がありますが、背中を鍛えるためには握力をあまり関与させない必要があります。そのためには、握力を使わずに重量やマシンを把持する必要があり、この方法として手首を掌屈、つまり、手のひらを手首側に曲げることが有効です。

また、手首を掌屈させると、肩甲骨を寄せることを意識しやすくなるため、後述するマインドマッスルコネクションの観点からもおすすめです。

小指と薬指で引くように意識する

ラットプルダウンでは、握力を使わないで肩甲骨を寄せる必要があり、そのためには小指と薬指に意識を置くのが有効です。

前述した通り、ラットプルダウンでは、手で握ったラットプルダウンマシンのアタッチメントを介して背中に負荷を与える種目であるため、どうしても腕の筋肉の部位に対する負荷が大きくなります。このとき、親指、人差し指で握るようにしてしまうと、上腕二頭筋に対する刺激が大きくなり、背中に負荷が入りにくくなります。

これを防ぐために、ラットプルダウンでは小指と薬指で引く様に意識するようにしましょう。

胸を張る

ラットプルダウンに限らず、背中を鍛えるほとんどの種目において、胸を張ることが重要です。

ラットプルダウンで胸を張ることで背中が海老反りになったような状態になり、この状態で肘をしっかりと引き込むことで広背筋がしっかりと収縮した状態を実現可能です。これにより、広背筋の収縮をより意識することを期待でき、ラットプルダウンの効果を高めることを期待できます。

できるだけ上半身を煽らない

ラットプルダウンでは重量を扱うことができますが、重量を扱うにつれて上半身を煽りがちになり、広背筋に対する負荷が低減します。

上半身を煽るということは、上半身を曲げる力を使ってラットプルダウンのマシンを引くということになり、広背筋の力を使っていません。そのため、ラットプルダウンでは、広背筋の力を使って実施できる範囲内で重量を設定し、上半身を煽りすぎないようにして実施するようにしましょう。

重量設定

ラットプルダウンでは、他の種目と同様に、可動域をしっかりと設定することが重要です。特にラットプルダウンで重量設定が重すぎると、可動域が狭くなることに加えて、怪我をしやすくなります。

基本的に、肘を引き切る必要があり、これは高重量を扱いすぎると設定することが困難になります。また、高重量を扱うと、肘にかかる負担が増大し、肘を怪我することもあります。

だからこそ、自身が扱いきれる重量で実施することが必要で、前述したように12〜15回を3セットぎりぎりできる重量設定にしましょう。

ターゲット部位の動きを意識する

ラットプルダウンに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。

このため、最初は難しいですが、ターゲット部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのターゲット部位の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

動作のスピード

ラットプルダウンに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。

具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。

ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。

呼吸

ラットプルダウンに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ラットプルダウンでは、アタッチメントを引くときに息を吐き、アタッチメントを戻すときに息を吐くことを意識しましょう。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは絶対に避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

腕を痛めずに広背筋を鍛える筋トレ

チューブワンハンドロウ

やり方

  1. 片脚を前に出し、前脚でチューブを踏む。
  2. 背中を張った状態で上体を曲げる。
  3. チューブを持ち、チューブを身体の横に引き付ける。
  4. ゆっくり戻す。
  5. 3から4を繰り返す。

回数

チューブワンハンドロウは、15〜18回を3セット実施します。

チューブワンハンドロウは、そこまでエクササイズ強度の高い種目ではありません。そのため、通常のエクササイズと比較するとやや回数の多い15〜18回を3セット実施するようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • 肘を引き切る。

  • 背中を張る。

  • トレーニングチューブは短く持つ。

チューブラットプルダウン

やり方

  1. 両手にトレーニングチューブを持ち、頭の後ろ上方に持ってくる。
  2. チューブを伸ばしながら、チューブがこれ以上落ちないところまで、下側に引く。
  3. 元に戻る。
  4. 2から3を繰り返す。

回数

チューブチューブラットプルダウンは、15〜18回3セット実施します。

チューブチューブラットプルダウンは、そこまでエクササイズ強度の高い種目ではありません。そのため、通常のエクササイズと比較するとやや回数の多い15〜18回3セット実施するようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • 肘を引き切る。

  • 胸を張る(=背中を張る)。

  • トレーニングチューブを持つ位置は自身の肩幅に合わせて決める(肩幅の2倍くらい)。

ダンベルプルオーバー

やり方

  1. 脇をやや開けた状態でダンベルを両手で把持し、その状態でベンチに寝そべる(ダンベルプルオーバーで背中を鍛える場合にはベンチに対して平行に寝るケースが多い)。このとき、首はベンチのへりに対して、ややはみ出るように設定する。
  2. ゆっくりダンベルを動かし、ダンベルの床の方の重りが後頭部位をボトムポジションに設定する。
  3. 顎の前位をトップポジションに設定し、2から3を繰り返す。

回数

ダンベルプルオーバーは、10〜12回3セット実施します。

ダンベルプルオーバーは、扱う重量にもよりますが、基本的にはエクササイズ強度、難易度が高い種目です。そのため、通常のトレーニングと比較してやや回数の少ない10〜12回3セットを実施しましょう。

効果を高めるポイント

  • 難易度はかなり高い。

  • ボトムポジションで広背筋のストレッチを意識する。

  • ダンベルを戻しすぎない。

  • 肘を真っ直ぐにしない。