ヒップスラストは、実施していると膝が痛いと感じることがあります。今回は、ヒップスラストで膝が痛いと感じる原因とその対策についてご紹介します。
ヒップスラストとは英語で「hip thrust」で、「お尻の押し出し」を意味する種目です。ヒップスラストは、仰向けになって腰を動かすことでお尻と突き出し、戻すことを繰り返すことからこの名前がついたと考えられます。
ヒップスラストは、大臀筋を鍛えるための種目であり、大臀筋がかなり大きい部位であることから女性や筋トレ初心者でもかなりの高重量を扱うことができます。このため、特に女性に人気の種目である一方で、実はヒップスラストは重量を扱う種目ではないという特徴があります。このため、実際に実施する際には、重量設定にかなり気をつけて実施する必要があります。
ヒップスラストを実施する際に、重量設定が重すぎると膝が痛いと感じる原因になり得ます。
ヒップスラストはバーベルに乗せた身体を両足で支えることから、バーベルの重量設定が重すぎると膝が痛いと感じることがあります。
この場合には、ヒップスラストでの設定重量を下げます。基本的に、ヒップスラストは高重量を扱う方が多いですが、そこまで重量を扱うのに向いている種目ではないため、10〜12回きっちりできる重量設定で実施しましょう。
ヒップスラストを実施する際に、脚の配置が悪いと膝が痛いと感じる原因になり得ます。
ヒップスラストでは、脚の配置によって負荷が入るところを変えることができますが、身体の近くに配置しすぎると膝がつま先よりも前に出たような状態になり、膝が痛いと感じることがあります。
この場合には、脚を身体の近くに配置しすぎないようにします。膝の角度が90度もしくはそれよりも大きくなるところに脚を配置するようにしましょう。
ヒップスラストに限らず、一般的に、大腿四頭筋とハムストリングスは膝痛予防に対して重要な役割があります。
まず、大腿四頭筋は膝周りの筋肉でもあることから、膝を安定化させるという役割があります。これにより、膝がおかしな方向に向いて力がかかることを防ぎます。
次に、ハムストリングスは、膝が曲がる動作の補助をします。これにより、正しい動作で膝を動かすことが可能となります。
これらの何れかの筋肉が不足していると、膝を曲げ伸ばしするときに余計な負担がかかる可能性が高まり、結果として膝を痛める可能性が高くなります。
これを防ぐためには、両者の筋肉を鍛えることが重要です。特に発達が遅れがちなのがハムストリングスです。ハムストリングスを効果的に鍛えるためには、例えば、ワイドスクワットなどがおすすめであり、12〜15回3セットを目安に実施するようにしましょう。
ヒップスラストを実施する際に、当たり前ですが、膝を痛めながら実施すると膝が痛いと感じる原因になります。
膝は一度怪我をすると、完全に回復するのは難しい部位であることから、無理は禁物です。
この場合、膝に異変を感じた場合には、下半身の運動の実施を控えることであり、場合によっては病院の受診も検討しましょう。
女性の筋トレ初心者のヒップスラストの目安の重量は20 kg程度です (自身の体重にもよります)。
ヒップスラストは身体の上にバーベルを設定することから、筋トレ初心者でも比較的高重量を扱うことができます。以上では重量は20 kgと述べましたが、実際には、自身の筋肉量に合わせて10〜12回をきちんと(ある程度余裕のある形で)実施できる重量を選択するようにしましょう。
ヒップスラストに少し慣れた方のヒップスラストの目安の重量は20〜40 kg程度です(自身の体重にもよります)。
ヒップスラストで鍛えるお尻の筋肉はサイズが大きい部位であることから、鍛えると比較的早い速度で扱うことができる重量が伸びます。ただし、少し慣れた場合でもむしろフォームをしっかり意識するという意味で、やや軽い重量で行うようにしましょう。以上では30〜40 kgを挙げましたが、この重量はあくまでも目安であり、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせてヒップスラストを12〜15回実施できる重量を選択するようにしましょう。
筋トレ上級者のヒップスラストの目安の重量は80 kg以上です(自身の体重にもよります)。
筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、ヒップスラストで80 kg以上を正確なフォームで実施できれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、正確な可動域の中で実施しましょう。
女性の筋トレ初心者は、ヒップスラストを8〜10回3セット実施します。
ヒップスラストは、やや負荷の高いエクササイズです。そのため、一般的な筋トレにおける標準的な回数よりも少ない8〜10回3セットを目標に実施する様にしましょう。
ヒップスラストに少し慣れてきたら、ヒップスラストを10〜12回3セット実施します。
ヒップスラストは慣れてくると、大臀筋、ハムストリングスの発達により8〜10回3セットでは負荷が足りなくなることを感じます。そのため、初心者のときよりも回数をやや増やして、10〜12回3セットを実施するようにしましょう。
上級者の場合、その他の大臀筋、ハムストリングスを鍛える種目と組み合わせて実施しましょう。
基本的に、ヒップスラストは大臀筋を鍛える種目の中ではエクササイズ強度が高い種目ですが、他の大臀筋を鍛えることができる種目と一緒に実施するとより負荷を高めることが期待できます。実施する際には、何れの種目でも12〜15回3セットを実施するようにしましょう。
ヒップスラストは、お尻を上げようとする意識が働くほど、つま先で床を押し切ろうとする意識が働きがちですが、むしろ、脚裏をしっかりと使って上げた方が効果的です。
つま先で床を押し切ってしまうと、ヒップスラストのターゲットである臀部及びハムストリングスではなく、ふくらはぎに負荷が入ってしまいます、そのため、これらの部位にしっかりと刺激を入れるためには脚裏全体で床を押し切ることが重要であり、特に、かかとの方に意識を持って押すとより効果的なエクササイズになります。
ヒップスラストでは、通常のヒップリフトと同様に、脚の置く位置によって下半身に負荷の入る部位が異なります。
ヒップスラストは、脚の置く位置によってどこに刺激が入るのかが変わり、身体の近くだと大腿四頭筋、身体から遠くだとハムストリングス、その間だと大臀筋になります。そのため、漫然に脚の置く位置を決めるのではなく、自身の意図をしっかりと持って脚の置く位置を決めるようにしましょう。
片脚で実施するヒップスラストは、シングルレッグヒップスラストと言います。シングルレッグヒップスラストは、ヒップスラストを行う際に予め膝の角度を90度にして片足を挙げた状態を作って実施するエクササイズです。
シングルレッグヒップスラストは、自重で実施することが多く、体重を片足で支えることから自重でも負荷を高めてエクササイズを実施できるというメリットがあります。
もちろん、バーベルを使って実施しても問題ありませんが、片脚で身体を支えていることからバランスが非常に崩れやすくなってしまっていることには留意しましょう。
バーベルを使ったヒップリフトでは、他の種目と同様に、可動域をしっかりと設定することが重要です。特にバックスクワットで重量設定が重すぎると、可動域が狭くなることに加えて、怪我をしやすくなります。
一般的に、バーベルを使ったヒップリフトは高重量を扱える種目であるとされており、女性でも場合によっては100 kg近くの重量を扱って実施しているケースがあります。ただ、この場合には、可動域を正確に設定できていない可能性がかなり高いです。
バーベルを使ったヒップリフトは、実は重量を扱う種目ではなく、限定的な重量で可動域をしっかりと使うことが非常に重要です。
バーベルを使ったヒップリフトに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、大臀筋、ハムストリングスの動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での大臀筋、ハムストリングスの動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
バーベルを使ったヒップリフトに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
バーベルを使ったヒップリフトに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、バーベルを使ったヒップリフトでは、身体を下ろすときに息を吸い、身体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは絶対に避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
プランクは、45〜60秒間3セット実施します。
プランクは、体幹及びトレーニングに必要な非常に基本的な筋肉をつけるために有効なエクササイズですが、トレーニング初心者や女性の方にはやや負荷の高いエクササイズです。このため、まずは30秒を3セット実施することから始め、最終的には60秒を3セット実施することを目指しましょう。
上半身から下半身までを一直線にしてキープする。
脊柱起立筋により身体が曲がらないようにすることを意識する。
上半身は三角筋を使って支えることを意識する。
ヒップリフトは、12〜15回を3セット実施します。
ヒップリフトはグルートブリッジをより動的なエクササイズにしたものですが、負荷としてはそこまで高くありません。このため、一般的なトレーニングでの推奨回数である12〜15回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
トップポジションで静止して大臀筋の収縮を意識する。
お尻をゆっくり下げる。
お尻を上げる際に息を吐いて、お尻を下げるときに息を吸う。
グルートブリッジの後に実施する。
バックキックは、まずは片足12〜15回を両足で3セット実施しましょう。
バックキックは自重(自分自身の体重の重さ)のみで行う場合、臀部及びハムストリングスには自身の脚の重量のみしか負荷がかかりません。このため負荷としてはそこまで高くないので、フォームをしっかりと守って実施する必要があります。そのため、回数は少ないかもしれませんが、片足12〜15回を両足で3セットをしっかり実施するようにしましょう。
脚はできるだけ高く。
アンクルウェイトの使用。
トップポジションで静止する。
チューブを使う。
マシンを使う。
Most Popular
プランクと腹筋ローラー、腹筋を効果的に鍛えられるのはどっち?
フィットネス
プランクで体が震える原因と対処法を解説|
フィットネス
筋トレ「クラムシェル」のやり方と効果を高めるコツを解説
フィットネス
大腿四頭筋の筋トレメニュー|効果的に鍛える方法を解説
フィットネス
ジャンピングジャックのやり方と効果|一緒にやるとおすすめ筋トレも解説
フィットネス
腹筋ローラーでみぞおちが痛い原因と対処法。正しいフォームを解説
フィットネス
ラットプルダウンで肩が痛い原因とは?対処法と正しいフォームを解説
フィットネス
腹筋ローラーで下っ腹が痛い原因と対処法。正しいフォームを解説
フィットネス
腹筋ローラーで胸筋が痛い原因と対処法。正しいフォームを解説
フィットネス
リバースプランクができない原因とは?正しいフォームと時間設定を解説
フィットネス