ブルガリアンスクワットは、片足で実施するためどうしてもふらつきやすいという問題があります。今回は、ブルガリアンスクワットでふらつく理由とその対策についてご紹介します。
ブルガリアンスクワットは、「Bulgarian Squat」、つまり、「ブルガリア人のスクワット」を意味します。これだけでは、意味不明ですが、どうやら調べていくと、ブルガリアンスクワットのルーツは「オリンピックにおいて、ブルガリア人のチームが行なっていたスクワット」というもののようです。
ブルガリアンスクワットは、片足を後方に置いた椅子の上に乗せて実施するスクワットの一種です。 そのため、実施するのに特別な器具が必要ではなく、自宅でも問題なく実施できるエクササイズです。一方で、エクササイズ強度は非常に高く、「通常のスクワットでは負荷が小さくて筋肉痛がこない」という方でも、「ブルガリアンスクワットを実施したら筋肉痛になる」という方は多いと思います。
ブルガリアンスクワットは片足でスクワットをする種目ですので、スクワットの初心者レベルを脱した方にオススメの種目になります。
ブルガリアンスクワットを実施しているときにスタンスが狭いとふらつく原因になり得ます。
ブルガリアンスクワットでは、足の配置の方法によって負荷を変えることができますが、ここでスタンスが狭すぎると狭いところで身体を支える必要が発生し、ふらつくことがあります。
この場合、ブルガリアンスクワットでスタンスをやや広く設定して実施するようにします。ただし、スタンスを広く設定しすぎると、安定はしますが、可動域が狭くなるため注意しましょう。
ブルガリアンスクワットを実施しているときに太ももが疲労しているとふらつく原因になり得ます。
ブルガリアンスクワットを実施する上で、安定するためには太ももで身体をしっかり支える必要があります。ここで、ブルガリアンスクワットを2種目目以降に実施して、太ももの筋肉が疲労しているとブルガリアンスクワットでふらつくことがあります。
この場合、ブルガリアンスクワットを1種目目で実施するようにします。ただし、ブルガリアンスクワットは膝への負担も大きい種目であることから、1種目目で実施する場合には注意しましょう。
ブルガリアンスクワットを実施しているときに負荷が高すぎるとふらつく原因になり得ます。
ブルガリアンスクワットは、ダンベルやスミスマシンなどで加重すること、もしくは回数を増やすことで負荷を高めることができます。一方、負荷を高めすぎると太ももへの負荷が大きくなりすぎることでブルガリアンスクワットでふらつくことがあります。
この場合、ブルガリアンスクワットの負荷を減らすようにします。基本的には、10〜12回を実施できる重量設定にしましょう。
ブルガリアンスクワットを実施しているときに膝を痛めているとふらつく原因になり得ます。
ブルガリアンスクワットでは、太ももとともに、膝でしっかりと身体を支えて実施する種目です。そのため、膝を怪我していると、実施しているときに痛みが走り、ブルガリアンスクワットでふらつくことがあります。
この場合、ブルガリアンスクワットの実施を控えるようにします。膝は一度怪我をすると、完全に回復するのは難しい部位であることから、無理は禁物です。これを防ぐためには、膝に異変を感じた場合には、下半身の運動の実施を控えることであり、場合によっては病院の受診も検討しましょう。
初心者は、ブルガリアンスクワットを片足8〜10回3セット実施します。
ブルガリアンスクワットは、前述したように、そもそもかなりバランスが取り難いエクササイズであることから、強度の高いエクササイズに分類されます。初心者のうちは、まずは、片足8〜10回3セットを目標に実施し、正確なフォームを身につけることを意識しましょう。
ブルガリアンスクワットに少し慣れてきたら、ブルガリアンスクワットを片足10〜12回3セット実施します。
ブルガリアンスクワットは慣れてくると、筋肉が発達してくることも理由ですが、実施しているときにややバランスをとりやすくなってきます。そのため、回数をやや増やしてもバランスが崩れにくくなるため、初心者のときよりも回数をやや増やして、片足10〜12回3セット実施するようにしましょう。
上級者の場合、ブルガリアンスクワットを実施する際には、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどで負荷を高めて実施するようにしましょう。
具体的には、自重でブルガリアンスクワットを片足12〜15回3セット実施することをウォーミングアップのセットとし、本番種目として、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどで荷重してエクササイズを行います。ここで、これらの負荷が高すぎるとフォームが崩れる原因となるため重量設定はシビアに行うようにしましょう。
前述した通り、これらの中でもスミスマシンで負荷を高めるのがバランスをとりやすく、かつ、高重量をあつかうことができるようになるためおすすめです。
ブルガリアンスクワットは、脚の甲を台の上に載せて実施する必要があります。
このとき、脚の甲の載せ方ですが、「つま先を立てる方法」と「つま先を寝かす方法」とがあります。実施してみるとわかりますが、つま先立ちで台を支えるようにすると、股関節及び膝関節の柔軟性をエクササイズで活かすのが困難となり、そもそもブルガリアンスクワットを実施するのが困難になります。そのため、台に乗せる脚は、脚の甲でバランスを取るようにしましょう。
ブルガリアンスクワットをジムで実施する際には、基本的にはアジャスタブルベンチもしくは普通のベンチ台を使ってエクササイズを実施しますが、これらのベンチ台は脚を載せる部分が柔らかくなっており、かつトレーニングシューズも履いていることから、脚の甲が痛くなるという問題はあまり発生しません。一方で、自宅で実施する場合には、椅子などに脚を乗せる必要があり、かつ裸足で実施することから、脚の甲が痛くなりやすいです。この場合には、タオルや毛布を椅子に敷いて実施するのがおすすめです。
ブルガリアンスクワットを実施する上で、最も難易度が高いのは身体のバランスをとることです。
バランスが崩れる際には、上半身から崩れることがほとんどであり、これは、重心が高いことに関係しています。言い換えれば、重心をより低く設定すればバランスを取りやすくなるということであり、そのために、ブルガリアンスクワットでも上体をやや曲げるやり方があります。
ただし、基本的にこのように実施するのは、ダンベルやバーベルなどを用いて負荷を高めた場合であり、基本的に自重で実施する際には床に対して上半身を垂直に設定しましょう。また、上体をやや曲げた状態で実施すると、腰を痛めやすくなる原因にもなるため注意が必要です。
ブルガリアンスクワットが分類されるスクワットは非常に負荷の高いエクササイズですが、その一方で負荷が抜けやすいエクササイズでもあります。
この理由の1つとしてトップポジションの設定にあります。スクワットでは、身体を上げる際に、大腿四頭筋を少しでも楽にするために膝が伸び切った状態を作りがちですが、このようにすると大腿四頭筋へ負荷が全く入っておらず、トレーニング的にはNGです。
トレーニングの基本は、「動作中すべての可動域で筋肉に負荷を与え続ける」という点であるため、これに倣うならばスクワットにおけるトップポジションでも負荷が入るように設定する必要があります。すなわち、膝は伸ばし切るのではなくやや曲げた状態をトップポジションに設定し、その場所で切り返すことが重要です。
ブルガリアンスクワットを実施する上で、身体を床に対して垂直に設定して実施する場合には目線は正面に設定します。これは、目線がやや下側になってしまうと、腰が曲がりやすくなり、上半身を床に対して垂直に設定するのが難しくなるためです。一方で、ダンベルやバーベルなどを使って負荷を高める場合には、目線は必ずしも正面である必要はありません。このように実施する場合には、顎が上がらないように、目線はやや下側に向けるのが良いです。
以上より、ブルガリアンスクワットを実施する場合には、目線は基本的には上半身と垂直になる方向に設定するのが良いことが言えます。
ブルガリアンスクワットは、ダンベル、バーベル、スミスマシンを併用して実施することができます。負荷の大きさは、負荷の小さいものからスミスマシンブルガリアンスクワット、ダンベルブルガリアンスクワット、バーベルブルガリアンスクワットです。
スミスマシンブルガリアンスクワットは、軌道が固定化されているため、非常に負荷をかけやすいのが特徴です。「スミスマシンを使用する」ということ自体は比較的障壁が高いですが、エクササイズ効率は非常に高く、おすすめの種目です。
ダンベルブルガリアンスクワットは、場合によっては片手だけにダンベルを持ち、もう片方の手を柱などに渡すことでバランスを取りやすいのが特徴です。ただし、スミスマシンとは異なり軌道が固定化されているわけではないため、フォームが崩れやすく、高重量を扱いすぎないことがポイントです。
バーベルブルガリアンスクワットは、バーベルを背負って実施するブルガリアンスクワットであり、バランスを取り辛く、負荷が大きいという点が特徴です。バーベルブルガリアンスクワットはそこまで一般的ではなく、バーベルを用いて実施するならばスミスマシンを用いてブルガリアンスクワットを実施する人が多いです。
以上から、基本的には、ブルガリアンスクワットで負荷を高めようとした場合には、ダンベル、スミスマシンを使用するのがおすすめです。
ブルガリアンスクワットに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、ブルガリアンスクワットで鍛えている部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの筋肉の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ブルガリアンスクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ブルガリアンスクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。ブルガリアンスクワットでは、身体を下げるときに息を吐き、戻すときに息を吸います。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ヒップリフトは、12〜15回を3セット実施します。
ヒップリフトはグルートブリッジをより動的なエクササイズにしたものですが、負荷としてはそこまで高くありません。このため、一般的なトレーニングでの推奨回数である12〜15回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
トップポジションで静止して大臀筋の収縮を意識する。
お尻をゆっくり下げる。
お尻を上げる際に息を吐いて、お尻を下げるときに息を吸う。
グルートブリッジの後に実施する。
ワイドスクワットは、12〜15回を3セット実施します。
スクワットと同様に、ワイドスクワットも自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要です。また、ワイドスクワットは、股関節周りを動かすトレーニングであることから、高回数で実施すると怪我をする原因となるため注意が必要です。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
身体を下げすぎない。
背中をできるだけ倒さない。
臀部の動きを意識する。
スクワットは、12〜15回を3セット実施します。
スクワットを自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要であり、それを意識できていないと、回数が少ない分だけ負荷が弱くなります。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
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