プランクは、自重で実施しても比較的負荷の高い種目であるため年齢に応じてやり方を変える必要があります。今回は、女性で40代の方のためのプランクのやり方及びコツについてご紹介します。
プランクは、特に10代から40代の方を中心に、体幹を鍛えることができるエクササイズとして非常に人気がある種目です。
10代から40代の方がプランクを実施した場合、プランクでのメインターゲットである体幹部の他に、腕の筋肉やお尻の筋肉の発達により、そこまで労力をかけずにプランクを実施することができます。そのため、50代や60代の方が実施するプランクと比較すればそこまで特別な意識は必要ありません。
ただ、プランクは意外と腕の筋肉を稼働する種目である一方で、女性の場合には腕の筋肉が発達していないことも多いことから、40代の方でも無理をしないで実施する必要があります。
腹直筋とは、お腹の部分にある筋肉です。腹直筋と聞くと、なんとなく馴染みのない感じがしてしまいますが、所謂、我々が「腹筋」と呼ぶ筋肉は腹直筋を指します(厳密には、腹筋は、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋の総称であると想定されます)。
筋トレを少ししたことがある人ならば、「シックスパック」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、シックスパックとは特に腹直筋が身体の表面に浮き出た状態を指します(シックスパックは人によって様々な形をしており、エイトパックだったり、フォーパックだったりします)。
腹直筋はプランクのメインターゲットの部位の1つです。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、腸肋筋、最長筋、棘筋からなり、背中の中央部を縦に背骨に沿うように走る背中の筋肉です。
脊柱起立筋は、背中の代表的な筋肉である広背筋や僧帽筋と比較すると小さい筋肉ですが、姿勢を維持する役割を果たしています。このため、脊柱起立筋は、身体が横になって寝た状態になっている場合以外、常に働いている筋肉です。
脊柱起立筋はプランクのメインターゲットの部位の1つです。
腸腰筋は、大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つの筋肉を総称した筋肉であり、筋肉の分類としてはインナーマッスルに分類され、上半身と下半身をつなぐ役割をしています。
一般的に、腸腰筋はインナーマッスルに分類され、鍛えすぎて見た目が変化することはほぼありません。
腸腰筋はプランクのメインターゲットの部位の1つです。
大臀筋(だいでんきん)はお尻の大部分を占めている筋肉であり、単一の筋肉では身体の中で占める割合が最も大きい筋肉です。
お尻には、大臀筋の他に中臀筋(ちゅうでんきん)と小臀筋(ちょうでんきん)という筋肉があります。中臀筋はお尻の外側についている筋肉、小臀筋はお尻の中で最もインナー部分に存在する筋肉です。ただ両者ともに大臀筋と比較すると筋肉としては小さいため、お尻を効果的に鍛えたいならば大臀筋を鍛えると効率的です。
大臀筋はプランクのサブターゲットの部位の1つです。
上腕三頭筋とは、上腕、つまり肘よりも片側についている腕の部分の裏側の筋肉です。「力コブ」と言われている上腕二頭筋の裏側にある筋肉のことを指します。
上腕三頭筋は、外側頭、長頭、内側頭からなります。外側頭は上腕三頭筋の外側の筋肉であり、長頭は上腕三頭筋の内側の筋肉であり、これらの内側に内側頭があります。内側頭と外側頭を合わせて短頭ということもあります。
上腕の筋肉というと、圧倒的に「力コブ」と言われている上腕二頭筋の知名度の方が高いですが、実は、上腕の筋肉で一番大きい筋肉は上腕三頭筋であり、腕のシェイプアップを狙うならば、上腕三頭筋を鍛えた方が圧倒的に効率的です。
上腕三頭筋はプランクのサブターゲットの部位の1つです。
三角筋は肩の筋肉であり、前部、中部、後部からなります。
三角筋前部は、肩の前部についている筋肉で、大胸筋上部の上側に位置します。大胸筋とは、胸の筋肉で上部、中部、下部に分けることができます。大胸筋の中で三角筋と密接な関係があるのは、上1/3が該当する大胸筋上部です。三角筋前部が発達していると、大胸筋上部との区別がはっきりとし、これにより肩がより丸みを帯びて見えることに繋がります。
三角筋中部は、肩の側面についている筋肉です。三角筋中部が発達していると、側面から見たときの腕の凹凸がはっきりすることはもちろんですが、正面から見たときの肩の張り出し感に繋がります。
三角筋後部は、肩の後ろについている筋肉であり、三角筋後部が発達していると、肩甲骨周りの凹凸感が出るようになり、非常に逞しい見た目になります。
バランスの良い三角筋を手に入れるためには、三角筋前部、中部、後部の3つの筋肉をバランス良く鍛えることが重要です。
三角筋はプランクのサブターゲットの部位の1つです。
プランクは、体幹部を構成する筋肉である脊柱起立筋と腹直筋を鍛えることができるため、姿勢改善効果を期待できます。
プランクは上半身を支える腹筋と背筋を刺激し、かつ身体を真っ直ぐにする運動なので、姿勢改善が望めます。プランクを継続して実施することで、プランクを実施していないときでも身体を真っ直ぐにしようとする意識も働きます。
姿勢は座っているときに悪化しやすいので、「一日の大半をデスクワークをして過ごす」という方は、姿勢が悪くなっている可能性が大です。そんな方は、特にプランクによる姿勢改善の効果を非常に感じやすいと思います。
プランクは腹筋および背筋を鍛えるエクササイズであるため、腰回りのシェイプアップ効果が期待できます。プランクにより、お腹周りと背中周りの代謝が活発になるためです。
基本のプランクだけである程度のシェイプアップは可能ですが、基本のプランクは腹直筋という腹筋の正面にある筋肉及び背筋への寄与が高いため、さらに効果を上げたい場合にはサイドプランクなどで斜腹筋を鍛えるのがおすすめです。
プランクを実施することで各エクササイズのパフォーマンスの向上を期待できます。
これはずばりプランクが体幹トレーニングであるためです。体幹は文字通り「身体の幹となる部分」つまり身体を支える筋肉です。身体のどの部分も大元は体幹と直結していますから、体幹を鍛えることで、他のエクササイズのパフォーマンスが向上します。
そのため、ジムに通っている方や日常的に運動をしている方は、エクササイズの前にウォーミングアップの一環としてプランクを取り入れることをおすすめします。
プランクは継続して行うエクササイズなので、特に忍耐力が身につきます。
また、プランクという比較的負荷の高いトレーニングを一定期間続けることで「自分はこれだけできた!」という達成感を得ることができ、自信にも繋がります。
プランクは静的なエクササイズであるため敷居が低く、筋トレに不慣れな人でも取りかかりやすいのも嬉しい点です。
女性で40代の方の筋トレ初心者は、プランクを30〜40秒間3セット実施します。
プランクは、体幹及びトレーニングに必要な非常に基本的な筋肉をつけるために有効なエクササイズですが、女性で40代の方の筋トレ初心者にはやや負荷の高いエクササイズです。このため、まずは30〜40秒間3セットを実施することから始めましょう。
女性で40代の方でプランクに少し慣れたら、プランクを40〜50秒間3セット実施します。
プランクは、慣れてくると脊柱起立筋および腹直筋の発達によりやや長い時間を実施することができるようになります。ただ、それでも、長時間を実施する必要はなく、少し時間を伸ばして40〜50秒間3セット実施しましょう。
女性で40代の方の上級者は、プランクを60秒間3セット実施します。
上級者は、プランクを比較的長時間の60秒間3セット実施しましょう。また、プランクだけでは負荷はそこまで高くないため、その他の腹直筋や脊柱起立筋を鍛えることができる種目を実施しましょう。
プランクは、その他のプランク種目と同様に、上半身から下半身までを一直線に設定して実施する必要があります。
プランクは、身体全体を両腕、両つま先で支えたときに、どうしても臀部が落ちやすくなりますが、それを一直線にするようにすることで脊柱起立筋及び腹直筋を鍛えることを期待できます。
特に慣れていないと、一直線に設定しているつもりでも、お尻が下がっていたり、逆にお尻が上がっていることも多いため注意して実施するようにしましょう。
プランクは、目線は正面に設定すると前述した身体を一直線にするために必要な力がさらに必要となり負荷を高めることを期待できます。
目線を正面にすることで、さらに負荷が高まるためです。目線を前にすることによって、頭の重量も上半身 (正確には僧帽筋と胸鎖乳突筋)で支えることになり、より負荷が高まります。長い秒数のプランクになるほど、目線が下になるプランクをしている人を散見しますが、プランクの効果を高めるためには目線は正面がベストです。
この「目線」ですが、プランクに限らず、実は多くのエクササイズにて非常に重要なポイントなのですが、多くの人がそのポイントに気づかないまま実施しているため、ぜひみなさんは意識するようにしましょう。
プランクに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、プランクで鍛える筋肉を鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのプランクで鍛える筋肉の動きを意識するのおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
プランクに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、プランクでは息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。
トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ハイプランクは、腕の筋肉も鍛えることができるためです。
ハイプランクは腕の力も効率的に使って実施するプランクであり、通常のプランクよりも身体を支えやすいとされています。女性で40代の方にとっては、通常のプランクよりも負荷が高い場合がありますが、特に女性が足りないとされている腕の筋肉を鍛えるためにはかなり有効な種目です。そのため、ハイプランクはやや応用種目という位置付けで、実施するようにしてみましょう。
ハイプランクは、まずは30秒を3セット実施します。
ハイプランクは、腕立て伏せの身体を上げた状態を維持するエクササイズであり、腕に筋肉がある方は比較的簡単に実施することができますが、それとは逆に、腕に筋肉がないと実施するのが中々難しくなります。そのため、エクササイズ強度は、人によりますが、プランクと同じくらいであり、まずは30秒を3セットをしっかりとポイントを守りながら実施するようにしましょう。
上半身から下半身までを一直線にする。
お尻をやや上げるイメージ。
目線は正面。
バックエクステンションは、プランクで鍛えることができる脊柱起立筋を鍛えることができるためです。
バックエクステンションは、プランクと同様に脊柱起立筋を刺激するエクササイズですが、より脊柱起立筋を集中的に鍛えることを期待できます。実際に実施する場合には、プランクをウォーミングアップ種目として先に実施し、バックエクステンションを本番種目として実施するようにしましょう。
バックエクステンションは、12〜15回3セット実施します。
バックエクステンションは、背中を鍛えるための代表的な自重トレーニングであり、エクササイズ強度は標準的です。そのため、実施する際には一般的なエクササイズで標準的な回数とされている12〜15回3セット実施しましょう。
上半身をしっかり上げ切る。
上半身及び下半身が落ちないようにする。
トップポジションで一瞬静止する。
バックエクステンション台で実施しても良い。
シットアップは、プランクで鍛えることができる腹直筋を鍛えることができるためです。
シットアップは、プランクと同様に腹直筋全体を刺激するエクササイズですが、より腹直筋を集中的に鍛えることを期待できます。実際に実施する場合には、プランクをウォーミングアップ種目として先に実施し、シットアップを本番種目として実施するようにしましょう。
シットアップは、12〜15回3セット実施します。
シットアップは、腹直筋全体を鍛えるエクササイズですが、腰をかなり痛めやすいエクササイズです。このため、レッグレイズと同様に回数を多くして実施しないことがポイントであり、一般的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回を実施するようにしましょう。
腹直筋に負荷が入る範囲で実施する(=上体を上げすぎない、下げすぎない)。
トップポジションで顎を出す。
上体を上げるときはしっかりと息を吐き、戻すときに息を吸う。
高回数で実施しない。
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