ボックスジャンプスクワットは、ある程度の高さがあるボックスに対して実施するジャンプスクワットです。今回は、ボックスジャンプスクワットのやり方及びコツについてご紹介します。
ボックスジャンプスクワットとは、文字通り「ボックスを使ったジャンプスクワット」を指します。トレーニングにおいて、ボックスとはある程度の高さと重さのある台を指し、基本的にはそのボックスを使ってできる段差をトレーニングに取り入れます。
ボックスジャンプスクワットでは、ジャンプスクワットをする際に、地面からボックスの上に立つところまでジャンプするエクササイズです。一般的なジャンプスクワットに対して、跳躍する高さが高いことから、エクササイズ強度も増大します。
ボックスジャンプスクワットは、これだけ聞くと、自宅のトレーニングでもなんらかのものを使えば代用できそうに思えますが、基本的にはトレーニング用のボックス以外で実施するのはおすすめできません。トレーニング用のボックスはある程度の重さがあり、安全性が担保されているためです。
大腿四頭筋は、太ももの前面についている筋肉であり、大腿直筋(だいたいちょっきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、中間広筋(ちゅうかんこうきん)、外側広筋(がいそくこうきん)から構成されています。
中間広筋は深層にあり、大腿直筋がかぶさっています。 大腿直筋は、大腿四頭筋の表層の中央部に相当し、膝関節の伸展、股関節の屈曲に寄与します。
大腿直筋が発達していると、大腿四頭筋の凹凸感がはっきりするようになることが期待できます。 外側広筋は、大腿四頭筋の外側に相当し、膝関節の伸展に寄与してます。
大腿四頭筋の見た目に対して重要な役割を果たしており、外側広筋を鍛えていると正面から見た時の太ももの太さが際立つことが期待できます。
中間広筋は、大腿四頭筋の深層の中央部に相当し、膝関節の伸展に寄与します。中間広筋は、深層にあるため、外から確認することが難しい部位ですが、下半身を安定化させるためには重要な筋肉です。
内側広筋は、大腿四頭筋の内側に相当し、膝関節の伸展に寄与します。内側広筋を鍛えることで膝の保護や安定性に寄与することが期待できます。
大臀筋は、お尻の大部分を占めている筋肉であり、単一の筋肉では身体の中で占める割合が最も大きい筋肉です。
お尻には、大臀筋の他に、中臀筋と小臀筋という筋肉があります。中臀筋はお尻の外側についている筋肉、小臀筋はお尻の中で最もインナー部分に存在する筋肉です。ただ、両者ともに大臀筋と比較すると、筋肉としては小さいため、お尻を効果的に鍛えたいならば大臀筋を鍛えると効率的です。
下腿三頭筋とは、ふくらはぎの筋肉であり、ヒラメ筋と腓腹筋の総称です。下腿三頭筋の名前自体は、下腿(=膝から脚首までの部分)、三頭筋(=腓腹筋の内側頭、腓腹筋の外側頭、ヒラメ筋)を意味しています。下腿三頭筋とよく似た名前の筋肉として、上腕三頭筋がありますが、奇しくも、下腿三頭筋も脚の裏側にある筋肉で、内側頭、外側頭、長頭の3つからなるのも似ている点です。
腓腹筋は膝関節と脚関節の動きに寄与するのに対して、ヒラメ筋は脚関節の動きのみに関係する筋肉です。また、腓腹筋は身体の急激な動きに対応する筋肉であるのに対して、ヒラメ筋は身体の状態を維持することに対応する筋肉です。
どちらもバランス良く鍛えることが重要であり、基本的にはふくらはぎを鍛えるエクササイズは腓腹筋およびヒラメ筋を同時に鍛えることができるものがほとんどです。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、腸肋筋、最長筋、棘筋からなり、背中の中央部を縦に背骨に沿うように走る背中の筋肉です。
脊柱起立筋は、背中の代表的な筋肉である広背筋や僧帽筋と比較すると小さい筋肉ですが、姿勢を維持するために大きな役割を担っています。そのため、脊柱起立筋は、身体が横になることで姿勢を維持する必要がなくなった状態を除いて、常に働いている筋肉であるといえます。
ボックスジャンプスクワットで鍛えることができる大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋を合わせると、身体の中でもかなりの割合を占める筋肉です。そのため、ボックスジャンプスクワットでは、効率的に代謝の改善を期待できます。
筋肉をつけることで改善できるのは基礎代謝です。体温が1度上昇することで代謝量は13%程度向上すると言われています。ボックスジャンプスクワットはダイエットに大変向いているエクササイズといえます。
代謝を改善することで、冷え性やむくみなどの改善にも繋がると期待されます。
ヒップアップをするためには、お尻の筋肉である大臀筋を鍛える方法と、太ももの裏であるハムストリングスを鍛える方法の2つが存在します。ハムストリングスを鍛えることで太ももとお尻の境目をよりはっきりさせることができます。
ボックスジャンプスクワットは、大臀筋とハムストリングスの両方を鍛えることができるため、以上の2つのアプローチを単一の種目で実践することができます。
ボックスジャンプスクワットでは、大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋と下半身の太もも周りの筋肉を付けることを期待できます。太もも周りの脂肪を燃焼させることが期待でき、太ももの引き締め効果を期待できます。
しかし、ボックスジャンプスクワットは初心者の方でも比較的高負荷のエクササイズを行うことができてしまいます。これにより、負荷をかけすぎると筋肉が付きすぎて、太ももが太くなってしまう可能性があります。そのため、太ももの引き締め効果を狙って大腿四頭筋を鍛える際には、回数設定には細心の注意を払いましょう。
前述した通り、ボックスジャンプスクワットは体の多くの部位に刺激が入り鍛えることができるので、副次的に様々な効果が期待できます。
例えば、
運動機能の向上
腰痛の予防
疲労回復効果
冷え性、むくみの改善
などです。
初心者は、ボックスジャンプスクワットを10〜12回3セット実施します。
ボックスジャンプスクワットは、比較的高さのあるボックスに対してジャンプをするため、負荷は比較的高いです。また、膝にも負担をかけやすい種目であることから、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
ボックスジャンプスクワットに少し慣れてきたら、12〜15回3セット実施します。
ボックスジャンプスクワットは慣れてくると、実施することで膝を痛めるという危険性をかなり減らすことができます。。そのため、ボックスジャンプスクワットに少し慣れてきたら、初心者のときよりも回数をやや増やして、12〜15回3セット実施するようにしましょう。
上級者の場合、ボックスジャンプスクワットを実施する際には、スクワット、ランジ、ジャンプスクワットなどと組み合わせて実施するしょうにしましょう。
具体的には、スクワット、ランジなどを12〜15回3セット実施したあとに、ボックスジャンプスクワットを「仕上げの種目」という位置付けで、12〜15回3セット実施するようにしましょう。ただし、スクワットやランジを実施した後にボックスジャンプスクワットを実施すると、着地したときの衝撃に太ももが耐えきれずに転んでしまう可能性もあるため、注意して実施するようにしましょう。
ボトムジャンプスクワットでは、ジャンプするための高さが高いほど、エクササイズ強度は増大します。
ボックスジャンプスクワットは、スクワットした状態からボックスにジャンプをするエクササイズであるため、台の高さが大きいほど、ジャンプをするための高さも大きくなり、エクササイズ強度も高くなります。
一方で、台の高さが大きくなるということは、それだけ台に引っかかるリスクや、膝にかかる負担も増大します。
このため、ボックスジャンプスクワットを実施する際には、台の高さはシビアに考えて設定するようにしましょう。
ボックスジャンプスクワットでは、他のスクワットと同様で、ボトムポジションの設定が深すぎるのはよくありません。
これは、ボックスジャンプスクワットに限った話ではありませんが、ボトムポジションの切り返しの部分で負荷が抜けてしまうためです。
また、空中にいる状態から、一気に膝がやや曲がった状態に移行することから、膝周りにかかる負担がどうしても大きくなり、怪我をするリスクが増大します。
ボックスジャンプスクワットではジャンプすることで得た位置エネルギーを、膝を曲げすぎずに(ボトムポジションを深く設定せずに)、太ももでしっかりと受け切るようにしましょう。気持ち1秒程度静止するイメージが理想的です。
ちなみに、ボトムポジションを浅くした場合には、大腿四頭筋で負荷をまず受け切ることから、一部膝への負荷も入るものの、ボトムポジションを深く設定した場合と比較すると怪我をするリスクはそこまで高くありません。
ボックスジャンプスクワットは、ノーマルスクワットのようにストリクトに実施する(全ての可動域で負荷が抜けないように実施する)エクササイズではありません。ジャンプしていることから分かる通り、むしろ動的なエクササイズと言えます。ここで、ジャンプしたときの位置が高ければ高いほどジャンプスクワットの負荷は増大する傾向があります。そのため、より高くジャンプをするために、手の反動を使って実施しても問題なく、むしろ、それによって負荷が高くなります。
ただし、着地する際に、手を太ももの上には置かないようにしましょう。これは、手が衝立の役割を果たすことで身体を支えてしまうためであり、そうなるとジャンプスクワットの負荷が小さくなってしまうためです。効果的にジャンプスクワットを実施するならば、手は体の横で動かすようにしましょう。
ボックスジャンプスクワットでは、「ジャンプする」という動作がはいるため、着地の衝撃により腰に負担がかかる場合があります。特に、腰が曲がっている場合には、ジャンプをして着地をした際に、腰を痛める可能性が出てきます。
そのため、通常のスクワットと同様に、腰をしっかりと張った状態で実施する必要があります。そのためには、目線が重要です。目線が下方向になっていると、どうしても背中を丸めてしまう傾向があるため、これにより腰を痛める可能性がでてきます。そのため、目線は正面か、やや上方を意識して実施するようにしましょう。
ボックスジャンプスクワットに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。
これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、ジャンプスクワットで鍛えている部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの筋肉の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ボックスジャンプスクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ボックスジャンプスクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。ボックスジャンプスクワットでは、ジャンプをするときに息を吐き、着地するときに息を吸います。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
スクワットは、ボックスジャンプスクワットの基本となる種目であるためです。
スクワットは、ボックスジャンプスクワットと比較して加重できる分、負荷の高いエクササイズです。実際に実施する場合には、ボックスジャンプスクワットをウォーミングアップ種目として捉えるならば先に実施し、スクワットを追い込み種目として実施する場合には後に実施するようにしましょう。
スクワットは、12〜15回を3セット実施します。
スクワットを自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要であり、それを意識できていないと、回数が少ない分だけ負荷が弱くなります。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
ランジは、ボックスジャンプスクワットで鍛えることができる大腿四頭筋、ハムストリングス、内転筋、腸腰筋、大臀筋を鍛えることができるためです。
ランジは、ボックスジャンプスクワットと同様に大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋等を鍛えることができます。負荷の大きさを比較した場合、ボックスジャンプスクワットの方が大きくなります。実際に実施する場合には、ボックスジャンプスクワットを本番種目として実施し、仕上げの種目としてランジを一緒に実施することで大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋を効率的に鍛えることを期待できます。
ランジは、まずは、片足10〜12回3セット実施します。
ランジは脚を前、もしくは後ろに出して実施するためバランスを取り難く、これにより、エクササイズ強度は高いものに分類することができます。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
上半身の床に対する角度を意識する。
身体を床に対してぎりぎりまで下げる。
脚を大きく出しすぎない。
手は太ももの上に乗せない。
ボトムポジジョンで静止する。
「膝はつま先より前に出さない」を意識しすぎない。
ジャンプスクワットは、ボックスジャンプスクワットの基本となる種目であるためです。
ジャンプスクワットは、ボックスジャンプスクワットと同様の部位を鍛えることができ、エクササイズ強度がボックスジャンプスクワットよりも小さいエクササイズです。実際に実施する場合には、ジャンプスクワットをウォーミングアップ種目として先に実施し、ボックスジャンプスクワットを本番種目として実施するようにしましょう。
ジャンプスクワットは10〜12回3セット実施します。
ジャンプスクワットは、ジャンプをしてスクワットをする単純なエクササイズではあるものの、負荷は比較的高いです。また、膝にも負担をかけやすい種目であることから、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
ボトムポジションの位置。
ボトムポジションでの切り返し。
手の反動を使っても良い。
目線は正面かやや上。
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