ダンベルロシアンツイストは、ダンベルを用いて実施するロシアンツイストです。今回は、ダンベルロシアンツイストのやり方及びコツについてご紹介します。
ダンベルロシアンツイストは英語で「dumbbell russian twist」で、「ダンベルを用いて行うロシアンツイスト」を意味します。ここで、「ロシアンツイスト」ですが、諸説あるようですが、旧ソビエト連邦の兵士が実施していたエクササイズであることから、現在の国名である「ロシア」がついてこのような名前になったとされています。
ロシアンツイストは、シットアップのトップポジションにおいて、上半身を左右に捻ることで腹斜筋を鍛えるエクササイズです。つまり、ダンベルロシアンツイストとは、ダンベルを持った状態でシットアップのトップポジションで上半身を左右に捻るエクササイズであるということが言えます。
扱う重量にもよりますが、基本的に、腹斜筋が発達している人は少ないため、比較的、エクササイズ強度は高く感じる種目です。
腹斜筋は、肋骨から骨盤にかけて走る筋肉である、外腹斜筋と内腹斜筋の総称です(イメージとしては横腹やや上についている筋肉です)。
外腹斜筋と内腹斜筋はその名前が指す通り、外腹斜筋が外側にあり、内腹斜筋は内側(深層)にあります。外腹斜筋の方が肋骨から骨盤に走っており、内腹斜筋は横腹に走っています。腹斜筋は、ひねる動作と上半身の固定(体幹)に関わる重要な筋肉です。
腹斜筋は、ダンベルロシアンツイストのメインターゲット部位です。
腹直筋とは、お腹の部分にある筋肉です。腹直筋と聞くと、なんとなく馴染みのない感じがしてしまいますが、所謂、我々が「腹筋」と呼ぶ筋肉は腹直筋を指します(厳密には、腹筋は、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋の総称であると想定されます)。
筋トレを少ししたことがある人ならば、「シックスパック」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、シックスパックとは特に腹直筋が身体の表面に浮き出た状態を指します(シックスパックは人によって様々な形をしており、エイトパックだったり、フォーパックだったりします)。
腹直筋は、その大きさから、上部、中部、下部に分けることができ、特に、腹直筋の上部は、脂肪が薄いため、エクササイズを実施すると比較的すぐに効果を実感できる部位です(一方、腹直筋の下部は、一般的には脂肪が厚いため、かなりしつこくエクササイズをすることに加えて、有酸素運動をしないとなかなか効果を実感することが難しい部位です)。
腹直筋は、ダンベルロシアンツイストのサブターゲット部位です。
腹筋というと、多くの人はシックスパックに代表される腹直筋をイメージしがちです。確かに、腹直筋を鍛え、体重を落とすことで、腹筋の象徴とも言えるシックスパックを作り出すことが可能です。
しかし、それだけでは完成度の高い腹筋とは言えません。
なぜならば、シックスパックだけが鍛えられた腹筋の場合、身体をトータルで見たときに腹筋がやや孤立しているようなイメージになるからです。大胸筋や大円筋部周辺部からの連続的な腹筋を実現するためには腹斜筋を鍛える必要があり、腹斜筋を鍛えることで非常に完成度の高い腹筋を有しているように見えることが期待できます。
腹斜筋は、前述したように「ほぼ」横腹に相当する筋肉です。このため、腹斜筋を鍛えることで横腹に付いている無駄な脂肪を燃焼させることを期待できます。これにより、特に女性では、くびれが目立つようになることを期待できます。
一方で、横腹の脂肪を直接減らすことを目的にするならば、腹斜筋とともに腹横筋を鍛えることが非常に重要です。
腹横筋は、通称、コルセット筋とも呼ばれる筋肉であり、ウエストを細く保つ働きがあります。ダンベルロシアンツイストの動作自体で腹横筋に刺激を与えることは難しいものの、呼吸を工夫すれば腹横筋に刺激を与えることができる可能性があり、これにより、よりくびれを目立たせることが期待できます。
一見すると、身体を鍛えるという側面で、内臓の位置関係が関係あるのかと感じますが、内臓の位置関係はお腹のでかたに関係しています。つまり、「内臓を正しい位置に保つ」という効果は、「お腹周りをすっきりさせる」効果とも表現できます。
これは、腹腔(腹部臓器が収納されている領域)の内圧が低いと内臓が下方向に移動することがわかっており、これにより、下っ腹が出たような状態になってしまいます。腹腔の内圧を高めるためには、外側から締め付ける力を強くする必要があり、そのために、腹斜筋を鍛えることが有効です。
ダンベルロシアンツイストでは、腹直筋を鍛えることを期待できるため、以下の効果も期待できます。
基礎代謝の改善。
腰痛予防。
姿勢改善。
便秘改善。
筋トレ初心者のダンベルロシアンツイストの目安の重量は、3〜5 kg程度です (自身の体重にもよります)。
ダンベルロシアンツイストは、基本的に重量を扱い辛い種目です。そのため初心者のうちはフォームをしっかりと身につけるという意味で、3〜5 kg程度のやや軽い重量でフォームをしっかりと確認しながら実施しましょう。
ダンベルロシアンツイストに少し慣れた方のダンベルロシアンツイストの目安の重量は5〜8 kg程度です(自身の体重にもよります)。
ダンベルロシアンツイストは、少し慣れるとやや重量を扱うことができますが、それでも重量をかなり扱いにくい種目です。そのため、少し慣れた場合でもむしろフォームをしっかり意識するという意味で、やや軽い重量で行うようにしましょう。以上では5〜8 kgを挙げましたが、この重量はあくまでも目安であり、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせてダンベルダブルクランチを10〜12回実施できる重量を選択するようにしましょう。
筋トレ上級者のダンベルロシアンツイストの目安の重量はマシンにもよりますが30 kg程度です(自身の体重にもよります)。
筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、ダンベルロシアンツイストで30 kg程度を正確な可動域の中で実施できれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、これはあくまでも「正確な可動域」での重量であり、可動域が小さい場合にはより高重量を扱うこともできますが、エクササイズ効率は高くないため、しっかりと可動域を設定しましょう。
筋トレ初心者の場合、ダンベルロシアンツイストは片側5〜6回(合計10〜12回)を3セット実施します。
ダンベルロシアンツイストは、比較的重量を扱い難い種目であり、エクササイズ強度は重量にもよりますが比較的高いです。そのため、回数としては、一般的な筋トレで標準的な回数とされている10〜12回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
ダンベルロシアンツイストに少し慣れた方の場合、ケーブルクランチは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施します。
ダンベルダブルクランチに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、12〜15を実施できる重量設定にします。次に、仕上げのセットを追加します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対して少しだけ重量を減らして12回きっちりとできる重量設定をするようにしましょう。
筋トレ上級者の場合、前述したやり方に加えて、アセンディング法、スーパーセット等を実施するようにします。
アセンディング法とは、別名ピラミッドセットと呼ばれる方法です。Max重量の50%で12回程度、Max重量の60%で10回程度、Max重量の70%で8回程度、Max重量の80%で6回程度、Max重量の85%で4回程度と徐々に重量を増やしていきながら、それに伴って実施回数を減らすやり方です。怪我を防止しながら高強度のトレーニングを実施できるため、おすすめの方法です。
スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法です(3種目実施する場合にはトライセット、5種目以上実施する場合にはジャイアントセットと呼ばれます)。スーパーセットの種目の設定方法は様々であり、例えばダンベルダブルクランチと一緒に実施するならばダンベルシットアップ、ダンベルクランチ、サイドベントなどを実施するのがおすすめです。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には何れの種目も10〜12回実施できるようにしましょう。
IVANKO(イヴァンコ)のクロームダンベルは、トレーニングジムにも置いてある非常に本格的なダンベルです。
ダンベルの種類としては固定式です。
イヴァンコは、プレートやダンベルのメーカーとして非常に有名であり、高品質の製品を販売しています。そのため、値段は少々張りますが、表面が錆びにくく長く使えることから長期的な投資と考えれば、そこまで高くはないかと思います。
また、表面にクロームがメッキされていることから外見も美しく、自宅に置いておいてもあまり不自然ではありません。ただし、本格的にトレーニングを行うためには複数種類のダンベルを揃える必要があるという点はデメリットです。
FLEXBELL(フレックスベル)のアジャスタダンベルは、可変式のダンベルとしては非常に一般的な製品です。
ダンベルの種類は可変式です。
本製品はダンベル1つで重さをダンベルの使用範囲内なら即座に切り替えることができるというものです。可変式ダンベルのブランドの中で、FLEXBELLの製品は比較的有名であり、品質も安定しています。
1つのダンベルで、複数の重さを設定できることからダンベルとしては値段が少々高めではありますが、複数のダンベルを何個も買うことと比較すればお得です。ただし、見た目は少々ゴツいため、自宅に置くのが少々憚られるというのはデメリットです。
PROIRONのダンベルはスポーツクラブでよく見る製品です。
ダンベルの種類は固定式です。
本製品の特徴ですが、ダンベルがラバーで覆われているため、フローリングの上にうっかり落としてしまっても床が傷つきにくいというメリットがあります。値段も上の2つの製品と比較して非常に良心的な料金設定であり、ダンベルを使ってみたいという方にオススメできる製品になります。
ただし、ラバー部分は使っていると切れて見栄えが悪くなるため、そこはデメリットです。そうなった場合には新しい物を購入するようにしましょう。
ダンベルロシアンツイストで負荷を高める方法として、まず思いつくのがダンベルの重量を上げることですが、それ以外に身体の設定方法を工夫すると負荷を高めることを期待できます。
具体的には、通常のシットアップでも同様ですが、脚をやや上げることで負荷を高めることを期待できます。このようにすることで、腹直筋は常に上げた脚を支える必要が発生するためです。
ただし、脚を上げるということは、床と身体が接する面積が減少するということであり、それに応じてバランスを非常に取りにくくなるという欠点があります。そのため、脚を上げてロシアンツイストを実施する場合には、そもそもロシアンツイストにかなり熟達している必要があります。
ダンベルロシアンツイストでは、腹直筋にそもそも負荷が入っている状態で上半身を捻る必要があります。
負荷が入っていない状態で上半身を捻っても腹斜筋を鍛えることが期待できますが、上半身の角度をきちんと設定して腹直筋にやや負荷が入っている状態で身体を左右にツイストさせることでよりエクササイズ効率が高まります。これは、腹直筋がやや収縮することで、身体を捻ったときにより腹斜筋が収縮することを促すことができるためです。
そのため、ロシアンツイストを正確に実施するためには、まずはシットアップを正確に実施できるようになる必要があります。
ダンベルロシアンツイストでは、他の種目と同様に、可動域をしっかりと設定することが重要です。特にダンベルロシアンツイストで重量設定が重すぎると、可動域が狭くなります。
ダンベルロシアンツイストでの可動域というのは、「上半身をどれだけしっかり捻るか」という点であり、このためにはダンベルをできるだけ遠いところにおいて上半身を捻る必要があります。一方、ここで、高重量を扱いすぎると、ダンベルを「近く近く」で動かすようになるため、可動域が狭くなります。
だからこそ、自身が扱いきれる重量で実施することが必要で、前述したように10〜12回を3セットギリギリできる重量設定にしましょう。
ダンベルロシアンツイストでは、身体の軸をしっかりと保つことが重要です。
身体の軸をしっかりと保つことで、上半身を捻ったときに腹斜筋がしっかりと収縮するようになります。このために、目線を常にまっすぐに向けておく必要があります。上半身を捻った方向に目線がいってしまうと、上半身上部がそれに引きずられて目線の方向に動いてしまうことになり、上半身の上部と下部のねじれが小さくなることで腹斜筋の収縮具合が小さくなります。
目線をまっすぐに向けておくことで、上半身の上部が常に正面を向いている状態を作り出すことができ、しっかりと腹斜筋を収縮させることができるようになります。
ダンベルロシアンツイストに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、腹斜筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での腹斜筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ダンベルロシアンツイストに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
ダンベルロシアンツイストは、色々なメディアの影響で左右に素早く動かすようなイメージがありますが、正しくありません。早く動かせば動かすほど、マインドマッスルコネクションが疎かになるためです。
そのため、ダンベルロシアンツイストを実施する際には、動作自体はかなりゆっくりでも問題なく、上半身をしっかりと捻ることを意識しましょう。
ダンベルロシアンツイストに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ダンベルロシアンツイストでは、基本的に息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ダンベルシットアップは、その動作の特性上、ダンベルロシアンツイストと相性が非常に良いためです。
ダンベルロシアンツイストは、ダンベルシットアップのトップポジションで実施することができるエクササイズです。そのため両者の相性がよく、ダンベルシットアップを先に実施し、追い込み種目としてダンベルロシアンツイストを実施することで、腹直筋と腹斜筋をバランス良く鍛えることを期待できます。
ダンベルシットアップは12〜15回を3セット実施します。
ダンベルシットアップは、エクササイズ強度は比較的高くなるため、やや軽めの重量を用います。一方で、軽めの重量を扱うことからその分だけ回数を多く実施する必要があり、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
腹直筋に負荷が入る範囲で実施する(=上体を上げすぎない、下げすぎない)。
トップポジションで顎を出す。
上体を上げるときはしっかりと息を吐き、戻すときに息を吸う。
高回数で実施しない。
ダンベルの位置設定。
ダンベルクランチは、その動作の特性上、ダンベルシットアップと同様にダンベルロシアンツイストと相性が非常に良いためです。
ダンベルロシアンツイストは、ダンベルクランチのトップポジションをやや上げたところで実施することができるエクササイズです。そのため両者の相性がよく、ダンベルクランチを先に実施し、追い込み種目としてダンベルロシアンツイストを実施することで、腹直筋と腹斜筋をバランス良く鍛えることを期待できます。
ダンベルクランチは12〜15回を3セット実施します。
ダンベルクランチは、重量を扱いにくい種目であり、基本的には筋トレ初心者の場合には通常のクランチを実施すれば問題ありません。それでもダンベルクランチを実施する場合には軽い重量で、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施するようにしましょう。
ダンベルの持つ位置。
重量設定。
腹直筋上部の動きを意識。
ダンベルサイドベントは、ダンベルロシアンツイストと同様に腹斜筋を鍛えることができるためです。
ダンベルサイドベントは、腹斜筋を鍛えるためのエクササイズであり、ダンベルロシアンツイストよりも負荷は小さいです。実際に実施する場合には、どちらを先に実施しても問題なく、ダンベルロシアンツイストを先に実施し、追い込み種目としてダンベルサイドベントを実施することで腹斜筋を効率的に鍛えることを期待できます。
ダンベルサイドベントは12〜15回を3セット実施します。
ダンベルサイドベントは、ほぼ腹斜筋のみを狙うエクササイズであり、エクササイズ強度は高くありません。特に、初心者の場合には、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
重量設定。
量可動域は大きくないということを意識して実施。
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