クランチは、手軽にできる一方で、上半身を動かしているのに負荷が入らないと感じる方もいると思います。今回は、このようにクランチができない原因についてご紹介します。
クランチは、上半身を限定的に上げることで腹直筋上部に負荷を与えるエクササイズです。そのため、お腹周りに脂肪が付きすぎているとお腹の肉が邪魔になって上半身を上げることが難しくなります。クランチ自体は可動域が小さいエクササイズではありますが、お腹に肉が付きすぎていると脂肪部分が収縮して腹直筋上部に刺激が入りにくくなります。
この場合には、クランチを実施するよりも、まずは有酸素運動、及び食事制限を中心に実施することで体重を減らす必要があります。
クランチを実施する上で、基本的には腹直筋上部の筋肉を使って上半身を上げるようにします。これは、言い換えると、腹直筋上部の筋肉量が足りないとそもそも上半身を上げる動作を実施することが難しくなるということになります。
この場合には、クランチを実施する前に、予め、特に腹直筋を鍛えるエクササイズを実施する必要があります。種目としては、後述するように、プランク、レッグレイズ、ニートゥチェストのような種目を実施するのがおすすめです。
クランチは、慣れていない人からすると、「中途半端なシットアップ」という印象が恐らく強く、このままだとクランチのターゲット部位である腹直筋上部に上手に刺激を与えることは難しいと言えます。この場合には、腹直筋上部を意識して実施する必要があるのですが、慣れていないと中々難しいかもしれません。
この場合には、インターネットなどで視覚的に腹直筋上部を調べた上で意識するのが効果的です。もちろん、実施する際に、腹直筋上部に手を置いてクランチを実施するのも有効です。
クランチに限らず、腹直筋を鍛えるエクササイズの多くは、姿勢をわざと悪くすることで腹直筋に刺激を与えるというやり方で実施します。そのため、腰が反ってしまっていると必然的に上半身をわざと曲げることが難しくなってしまい、クランチを実施するのが困難となります。
この場合には、反り腰を治す必要があります。意図的に、お尻を後ろに出そうとすることで反り腰になっている場合には、その意識をやや希薄にすれば良いのですが、そうではなく、根本的に骨盤の角度が悪化している場合にはそれを改善する必要があります。具体的には、レッグレイズなどの腸腰筋を鍛えることができるエクササイズを実施し、骨盤を正しい角度にしましょう。
クランチは、シットアップではないほどにせよ、腰にどうしても負担がかかってしまう種目です。
腹直筋を鍛える種目のほぼ全ては、腰を支点にして腹直筋を曲げることで負荷を与える種目であるため、支点となる腰に負荷がかかりすぎてしまうことを避けることができません。そのため、クランチを実施する場合には、そもそも腰を痛める可能性があること、また、腰を痛めている状態では実施することが難しいことに留意する必要があります。
この場合には、クランチの実施を控え、それでも腹直筋を鍛えたい場合にはプランク、ドローイング、トランクカールなどの腰に優しい腹筋運動を実施しましょう。
筋トレ初心者の場合、クランチは12〜15回を3セット実施しましょう。
クランチは、腹直筋上部を鍛えるエクサイズであり、可動域は小さいですが、しっかりやるのが中々難しい種目です。このため、回数を多くこなそうとするのではなく、回数は抑えめで、しっかりとフォームを維持できる回数で実施するのが重要であり、そのために、一般的なトレーニングで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施しましょう。
クランチに少し慣れた方の場合、クランチは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施するようにします。
クランチに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、12〜15回を実施します。次に、仕上げのセットを追加します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対してより丁寧に動きを意識して15回きっちりと実施しましょう。
筋トレ上級者の場合、前述したやり方に加えて、アセンディング法、スーパーセット等を実施するようにします。
アセンディング法とは、別名ピラミッドセットと呼ばれる方法です。Max重量の50%で12回程度、Max重量の60%で10回程度、Max重量の70%で8回程度、Max重量の80%で6回程度、Max重量の85%で4回程度と徐々に重量を増やしていきながら、それに伴って実施回数を減らすやり方です。怪我を防止しながら高強度のトレーニングを実施できるため、おすすめの方法です。
スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法です(3種目実施する場合にはトライセット、5種目以上実施する場合にはジャイアントセットと呼ばれます)。スーパーセットの種目の設定方法は様々であり、例えばクランチと一緒に実施するならばシットアップ、レッグレイズ、オブリーククランチなどを実施するのがおすすめです。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には何れの種目も12〜15回実施できるようにしましょう。
初心者の場合、クランチのターゲット部位である腹直筋上部を意識することが難しいという問題点があります。この問題点に対して、クランチのターゲット部位である腹直筋上部を意図的に手で押さえるというやり方があります。このようにすることで、手の置いてある部分を意識しやすくなり、筋トレ初心者でも腹直筋上部を意識しやすくなります。一方で、教科書的なクランチでは手を頭の後ろに配置して実施することが推奨されるため、筋トレ初心者を脱したら手は頭の後ろに回してクランチを実施するようにしましょう。
筋トレの原則として、「負荷が入っている範囲で実施する」というものがあり、クランチでこれを実践するためには頭を床につけないということを意識する必要があります。ただ、これを筋トレ初心者の方が実践すると負荷が高くなりすぎる場合があります。このため、筋トレ初心者の方は、まずは1回ずつ頭を床につけても良いので、丁寧にクランチの動作を意識するようにしましょう。ただ、これはあくまでも筋トレ初心者の話であるため、初心者を脱したらボトムポジションは頭をやや上げた部分ハムストリングスに設定するようにしましょう。
クランチに限らず、腹直筋を鍛えるエクササイズの全ては、腹直筋を十分に収縮させるために「息を吐く」ことをしっかり意識する必要があります。このテクニックですが、負荷の高いシットアップでももちろん有効とされていますが、シットアップでそれを意識するのは中々難しいです。そのため、筋トレ初心者のうちから、比較的負荷の小さいクランチでそれを実践しながら実施する必要があります。「息をしっかり吐く」ことを意識できるようになると、腹直筋全般のエクササイズのレベルが大きく向上します。
クランチで腹直筋上部を鍛えることで、特にお腹周りについている脂肪を燃焼することを期待できます。これにより、お腹周りをすっきりさせることが期待できますが、腹直筋上部だけを鍛えるということで得られる効果は限定的です。腹直筋上部を鍛えてお腹周りをすっきりさせたい場合には、腹直筋上部を鍛えるエクササイズに加えて有酸素運動や食事制限を行う必要があります。これは、シックスパックを作りたい際にも同様であり、シックスパックをしっかり出したい場合にはかなりの計画的な有酸素運動、もしくは食事制限を実施する必要があります。
腹直筋上部は、身体の中ではそこまで大きな筋肉ではありません。そもそも、腹直筋が分類される腹筋は身体の中でも大きい筋肉ではないため、例えば、大腿四頭筋や大臀筋といった身体の中で筋肉が大きい部位と比較すると、鍛えることでの代謝の改善効果は限定的です。それでも、腹直筋は、腹筋の中では最も大きい筋肉であり、これにより、クランチで鍛えることで基礎代謝の改善効果を期待できます。代謝を改善するということは、脂肪を燃焼させやすい身体を作るということであり、これによりダイエット効果を期待できます。
クランチで鍛えることできる腹直筋上部は、前述した通り腹筋に分類される筋肉であり、腹筋は背筋とともに上半身を支える筋肉です。これにより、腹直筋を鍛えることで上半身をしっかり支えることができるようになります。腰痛が発生するメカニズムは、上半身の重さを支えることができなくなることで姿勢が悪化し、これにより、腹筋と背筋のバランスが崩れることで、上半身と下半身の付け根である腰に負担がかかってしまうということです。特に、背筋は日常的に使用する機会が多い筋肉であるものの、腹筋は意識的に使用しないと鍛えることが難しい部位です。以上から、腹直筋を鍛えることで腹筋と背筋のバランスを改善することを期待でき、これにより、腰痛の予防はもちろんですが、既に腰痛を抱えている方も腰痛を改善することを期待できます。
姿勢が悪い状態というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、もしくは、腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。一方、反り腰は、猫背を治そうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生しているということが言え、姿勢の改善を行うためには猫背の改善を行う必要があります。 猫背の大元の原因を紐解くと、骨盤の歪みが挙げられます。ここで、腹直筋には骨盤の角度を調整する働きがあります。腹直筋に十分な刺激を与えていないと、腹直筋が凝り固まり、これにより、骨盤の角度調整機能が十分な役割を果たさず、骨盤が後傾するようになります。このため、クランチで腹直筋上部を鍛えることで骨盤を正しい位置に戻すことを期待でき、これにより猫背を改善して姿勢改善効果を期待できます。
プランクは、腹直筋を鍛え、エクササイズに必要な身体全体の最低限の筋肉をつけることが期待できるためです。
クランチができない原因の一つとして、筋肉不足が挙げられ、クランチができない方が実施できる種目は非常に限られています。その中でも、プランクは、膝付きの状態から実施することができ、秒数も自由に変えることができるため、比較的自由度高く負荷を変えることが期待できます。そのため、クランチができない方も実施できる可能性が高く、少しずつ負荷を高めながら最低限の筋肉をつけるようにしましょう。
プランクは、まずは30秒を3セット実施します。
プランクは、動作自体は膝付きプランクに対して、脚を伸ばして実施するだけですが、体重をつま先と両腕で支えることになるため、比較的負荷が高いエクササイズです。そのため、まずは、30秒を3セットをしっかりとポイントを守りながら実施するようにしましょう。
上半身から下半身までを一直線にする。
臀部を"張る"(=外旋する)ようなイメージを持つ。
正面を向く。
レッグレイズは、腹直筋と同時に腸腰筋も刺激できるためです。
プランクを実施できない原因の一つとして、反り腰になっていることが挙げられ、反り腰は骨盤が正しい角度ではなくなっていることが原因の一つです。これに対して、レッグレイズで腸腰筋を鍛えることで骨盤を正しい角度にすることでクランチを実施しやすくなることが期待できます。
レッグレイズは、15〜18回3セット実施します。
レッグレイズは、腹直筋下部を鍛えるための標準的な腹筋のエクササイズです。基本のレッグレイズはそこまで負荷が高くないため、標準的な筋トレの回数よりもやや回数が多い15〜18回を実施します。
とにかく足の動きをコントロールする。
腹直筋下部を鍛えるときよりも、トップポジションをやや深めに設定する。
足を床ぎりぎりまで下げる。
膝を真っ直ぐにしすぎない。
呼吸を意識する。
ニートゥチェストは、腹直筋に対する意識を改善できるためです。
二ートゥチェスト自体はそこまで負荷の高いエクササイズではありませんが、脚をしっかりと動かすことで腹直筋に刺激が入る感覚を意識することができます。このようにすることで、腹直筋をしっかりと意識するという習慣を身につけることが期待でき、クランチで腹直筋に刺激が入らない感覚を改善することが期待できます。
ニートゥチェストは、12〜15回を3セット実施するようにしましょう。
ニートゥチェストは、腹筋のエクササイズの中で負荷は通常程度です。そのため、基本的には、通常のエクササイズで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施するようにしましょう。ニートゥチェストは、動作の問題でテンポ良く実施することもできますが、そのように実施すると負荷が小さくなるため注意が必要です。
トップポジションで腹直筋下部の収縮を感じる。
膝の軌道は直線的ではなく、やや弧を描くように設定する。
呼吸を意識する。
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