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インターナルローテーションのやり方と効果。肩関節をほぐす意味とは

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インターナルローテーションのやり方と効果。肩関節をほぐす意味とは

インターナルローテションは肘の内旋運動をすることでローテーターカフを刺激し、肩関節の怪我を防止するエクササイズです。今回は、インターナルローテーションのやり方及びコツをご紹介します。

インターナルローテーションとは

インターナルローテーションの語源は英語「internal rotation」で、「内旋(ないせん)」を意味します。内旋とは簡単に言うと腕や脚を身体の内側に捻る動作を指します。

内旋運動全てがインターナルローテンションを指すのではなく、ローテーターカフを鍛えるためにダンベルもしくはチューブを内旋するエクササイズを一般的に「インターナルローテーション」と言います。

ローテーターカフは、肩関節の奥にある小さな筋肉の集まり(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の総称です。

ローテーターカフがインナーマッスルなので、インターナルローテーションは目に見える筋肉の肥大化を狙うエクササイズではありません。むしろ、その他のエクササイズと組み合わせることで、ローテーターカフが由来となる怪我を防止する役割があります。

インターナルローテーションの効果

肩の怪我の防止

インターナルローテーションは、肩甲下筋(けんこうかきん)、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)を鍛えることができます(これらの総称がローテーターカフ)。

ローテーターカフは肩甲骨の外側から上腕骨に付着する筋肉であり、鍛えても外見からはっきり分かる様な筋肉の付き方はしません。主に肩関節を安定させ、可動域を確保し、肩の怪我を防止する役割があります。

肩は、非常に自由度の高い関節であるが故に、トレーニングをしていると非常に怪我をしやすい部分です。そのため、基本的には、直接的に肩関節を可動するエクササイズを実施しない場合でもインターナルローテーション等を行うことでローテーターカフをしっかりとエクササイズさせておくことは怪我を防止するという点で非常に有効です。

肩こりの解消

インターナルローテションで鍛えることができるローテーターカフは、肩周りの可動域を改善する役割があります。肩周りの可動域が改善するということは、肩をしっかりと動かせるということになり、リンパの流れ及び血流を改善できるということです。

肩こりが生じている状態というのは、筋肉がこり固まることでこれらの流れが悪くなっている場合があります。したがって、ローテーターカフでこれらの可動域を改善することで肩凝りの解消を期待できます。

インターナルローテーションのやり方

やり方

ダンベルを用いた場合(エクスターナルローテションとの複合)

  1. ダンベルを両手、もしくは片手に持つ。
  2. ダンベルを立て(肘を垂直にする)、脇を締める。
  3. 肘を固定してダンベルを内側→外側に動かす。
  4. 3を繰り返す。

チューブを用いた場合

  1. 固定されたものにチューブを巻き付けて立つ(チューブを固定している部分が身体の外側にくるように立つ)。
  2. チューブを立て持ち(肘を垂直にする)、脇を締める。
  3. 肘を固定してチューブを外側→内側に動かす。
  4. 3を繰り返す。

重量(ダンベルを用いて実施する場合)

ダンベルを用いてインターナルローテーションを実施する場合、重量は1〜3 kg程度で実施します。

インターナルローテーションは、そもそも、筋トレとして実施するよりは肩関節の怪我を防止することを目的として実施する場合がほとんどです。そのため、重量を扱う必要はなく、腕にやや負荷がかかっている状態を実現すれば問題ありません。このことから、ダンベルでインターナルローテーションを実施する場合には、男女問わず、ダンベルの重量として1〜3 kg程度を用いるようにしましょう。

回数

インターナルローテションは、ダンベル、チューブの何れを用いた場合にも18〜20回を3セット実施します。

インターナルローテーションは、あくまでもローテーターカフにじわじわと負荷を与えることで肩関節のウォーミングアップを行うための種目としての意味合いが非常に強いです。そのため、前述した通り、重量を扱う必要はありませんが、重量を扱わない分、回数を多くして実施する必要があります。基本的には、肩関節が温まるまで実施するのが理想的であるため明確な回数はありませんが、18〜20回を3セット程度実施するのが一般的です。

インターナルローテーションの効果を高めるコツ

ゆっくり丁寧に動かす

インターナルローテションは、他のエクササイズと同様に動作は丁寧に実施する必要があります。しかし、インターナルローテーションは、他のエクササイズとは異なり、怪我をしないためのエクササイズとしての側面が非常に強いため、いつも以上に動作を終始ゆっくり丁寧に実施するのがよいでしょう。

チューブを用いている場合にはそこまで問題になりませんが、ダンベルを用いて実施する場合に速く実施すると肩関節にかかる負荷も大きくなってしまい、逆に怪我をする恐れがあります。

肘の角度は90度

インターナルローテションは、ローテーターカフを介して肩関節を温めるエクササイズであることから、動作の中で肩関節がうまく可動するように設定する必要があります。具体的には、インターナルローテションを実施する際に、肘の角度を90度に設定して、前腕が床と平行になるようにして実施するようにしましょう。

肘の角度は任意の角度でも実施することができますが、肩関節の関与が大きくなるのは肘の角度が90度の場合であることから、肘の角度は鏡等で確認しながら動作の中でもしっかりと維持するようにしましょう。

無理に可動域を広げない

インターナルローテションを実施する上で、肘をどの角度まで動かすかが非常に重要となります。しかし、インターナルローテーションはあくまでも肩の怪我を防止するエクササイズであることから、負荷を高めようとして無理に可動域を広げようとすると逆に肩を怪我する原因にもなりえます。

そのため、インターナルローテーションを実施する際には無理に可動域を広げようとせずに、自身のできる範囲で実施することが重要です。その中で、徐々に可動域を増やしていくようにしましょう。

肩関節の動きを意識

インターナルローテションに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。

インターナルローテーションでは、ローテーターカフというインナーマッスルを刺激するため、どこを鍛えているのかが分かり難いことからあくまでも肩関節の動きを意識するようにしましょう(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

インターナルローテーションと一緒にやりたい筋トレ

チューブエクスターナルローテーション


なぜ一緒にやると良いのか

チューブエクスターナルローテションは、エクスターナルローテションとほぼ同様のエクササイズであり、両種目を実践することでバランス良くローテーターカフを刺激できるためです。

そもそも、インターナルローテションとエクスターナルローテションは対となっているエクササイズであり、基本的に両種目を一緒に実施することが基本となっています。外旋と内旋運動をすることで、肩関節の怪我を防止することを期待できます。

やり方

  1. 固定されたものにチューブを巻き付けて立つ(チューブを固定している部分が身体の外側にくるように立つ)。
  2. チューブを立て持ち(肘を垂直にする)、脇を締める。
  3. 肘を固定してチューブを外側→内側に動かす。
  4. 3を繰り返す。

回数

チューブエクスターナルローテションは、18〜20回を3セット実施します。

チューブエクスターナルローテーションは、あくまでもローテーターカフにじわじわと負荷を与えることで肩関節のウォーミングアップを行うための種目としての意味合いが非常に強いです。そのため、前述した通り、重量を扱う必要はありませんが、重量を扱わない分、回数を多くして実施する必要があります。基本的には、肩関節が温まるまで実施するのが理想的であるため明確な回数はありませんが、18〜20回を3セット程度実施するのが一般的です。

効果を高めるポイント

  • ゆっくり丁寧に動かす。

  • 肘の角度は90度。

  • 無理に可動域を広げない。

ダンベルショルダープレス

なぜ一緒にやると良いのか

ダンベルショルダープレスは、肩関節を痛めやすい種目とされており、インターナルローテションをウォーミングアップとして取り入れることで怪我をしにくく、より効率的に実践できるためです。

ダンベルショルダープレスは、三角筋前部を鍛えるエクササイズであり、基本的には重量を扱う種目とされています。そのため、基本的に肩関節を痛めやすい種目とされています。エクスターナルローテションをウォーミングアップとして取り入れることでローテーターカフにあらかじめ刺激を与えることで怪我を防止することを期待できます。

やり方

  1. ユーテリティベンチ(アジャスタブルベンチの背もたれが短く、背もたれ角度が固定のもの)、もしくはアジャスタブルベンチの角度を75度くらいに設定して座る。
  2. ダンベルを両耳の横に配置する。
  3. ダンベルを直線的に、肘が伸び切らない部分まで動かす。
  4. ゆっくりもとに戻る。
  5. 3から4を繰り返す。

回数

ダンベルショルダープレスは、12〜15回を3セット実施します。

ダンベルショルダープレスは、扱う重量にもよりますが、基本的にはエクササイズ強度は通常のエクササイズに分類できます。このため、標準的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回3セットを目標に実施しましょう。

効果を高めるポイント

  • ダンベルの角度(軌跡)は床に対して垂直。

  • 肩甲骨を寄せない。

  • 肘を伸ばしきらない。

  • 重量設定を重すぎないようにする。

  • 背筋を曲げない。

ダンベルサイドレイズ

なぜ一緒にやると良いのか

ダンベルサイドレイズも、肩関節を痛めやすい種目とされており、インターナルローテションをウォーミングアップとして取り入れることで怪我をしにくく、より効率的に実践できるためです。

ダンベルサイドレイズは、特に慣れていない方は、肩関節の柔軟性が劣るために可動域をうまく取ることができず、この状態で無理に実施しようとすることで怪我をしやすくなります。そのため、インターナルローテションをウォーミングアップとして取り入れることで怪我をしにくく、より効率的に実践できるためです。

やり方

  1. ダンベルをしっかり握って立つ。
  2. ダンベルを小指側にツイストしながら上げる。
  3. ゆっくりもとに戻る。
  4. 2から3を繰り返す。

回数

ダンベルサイドレイズは、12〜15回3セット実施します。
ダンベルサイドレイズは、単純なエクササイズですが、最もフォームを間違って実施しがちなエクササイズであり、その大きな原因が重量設定が重すぎるため、上体を煽っていることが挙げられます。そのため、上体をあまり煽らない重量で実施できる重量設定で12〜15回3セット実施するようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • 肘を曲げて、肘から動かすイメージを持って実施する。

  • 基本は前腕を上腕よりも上げない。

  • ダンベルをしっかり握る。

  • 今回紹介した方法以外にも様々な方法がある。

  • トップポジションで一瞬静止することを意識する。