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クラムシェルが開かない原因と対処法。初心者向けの正しいやり方を解説

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クラムシェルが開かない原因と対処法。初心者向けの正しいやり方を解説

クラムシェルは、脚の開閉を行うことで下半身を鍛えるエクササイズであることから、脚をしっかり開くことが重要である一方で、中々、脚が開かない場合があります。今回は、クラムシェルで脚が開かない原因とその対策についてご紹介します。

クラムシェルで脚が開かない原因

股関節が硬い

クラムシェルは、基本的には、股関節を支点にして脚を開くエクササイズです。そのため、股関節が硬いと脚が十分に開かない可能性があります。「股関節が硬い」と一言で表しても様々ですが、特にクラムシェルでは左右の脚裏を互いに付けて座った状態での上下方向の可動域が重要になります。クラムシェルを実施していて、脚が十分に開かないで負荷が足りていないと感じている方は、まずは股関節を丁寧にストレッチすることを実施しましょう。ストレッチは、基本的には、お風呂上がりに20秒間3セットをしっかりと息を吐きながら実施するのがおすすめです。

骨格上の問題

股関節の開きやすさについて、股関節自体の柔らかさもありますが、骨格的に脚を開きにくい場合があります。太ももの骨である大腿骨には、人によっては捻れている角度が異なっており、この捻れの角度がきつくなってしまうと股関節を開くことが難しくなる場合があります。この角度を確認するための方法として、以下に示す様なクレイグテストがあります。

このテストを実施したときに、膝を90度に設定して膝を内転させたときに大腿骨と股関節の付け根に相当する大転子の角度がこの角度に相当します。これが、20度に近い場合には、自身の大腿骨が大きく捻れていると認識する方がよく、その場合には無理に脚を開かないようにしましょう。

内腿が硬い

脚の開きやすさについて、内腿、つまり内転筋が硬い可能性があります。これは、例えば開脚を実施するとよくわかりますが、脚を開く動作を行うと内転筋が引っ張られるような感覚を感じると思います。つまり、内転筋が硬いとそれに引っ張られることで脚が開かないという場合があります。この場合には、開脚などを実施してしっかりと内転筋のストレッチを実施することが重要です。開脚を行う際には、前述した股関節のストレッチと同様に、基本的には、お風呂上がりに20秒間3セットをしっかりと息を吐きながら実施するのがおすすめです。

クラムシェルの正しいやり方

フォーム

  1. 体側が床に着くようにして横になる。このとき、両脚を曲げておく(脚の角度は以下を参照)。
  2. 下側の手は頭を支えるようにし、上側の手は中臀筋あたりに置く。
  3. 中臀筋を支点にして膝を開くように動かす。
  4. ゆっくり元にもどす。
  5. 3から4を繰り返す。

太ももと上体の角度が45〜60度:中臀筋、梨状筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋に刺激が入る。
太ももと上体の角度が60〜80度:中臀筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋(主に内閉鎖筋)に刺激が入る。
太ももと上体の角度が80〜90度:中臀筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋(主に外閉鎖筋)に刺激が入る。
太ももと上体の角度が90〜:中臀筋、外閉鎖筋に刺激が入る。

(深層外旋六筋は、上から順に梨状筋、上双子筋、下双子筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、大腿方形筋の順番でついており、角度が大きくなるほど、下側に負荷が移行すると覚えるとわかりやすいです)。

回数

クラムシェルは、20〜25回を3セットを目安に実施します。

クラムシェルは、単独では非常に負荷の小さいトレーニングです。このため、標準的なエクササイズの回数としては多めの20〜25回を3セットを目安に実施しましょう。

クラムシェルは、前述した通り、太ももと上体の角度によって臀部で刺激が入る部分が異なります。このため、複数の角度で実施しても効果的であり、その場合には3セットのいずれも異なる角度で実施しても良く、また、異なる角度ずつで3セット実施したのを1セットとカウントして3セット実施しても良いです。

初心者必見!クラムシェルの練習方法

まず立った状態で股関節の外旋運動

クラムシェルは、端的に表現すると、股関節の外旋運動であると言えます。股関節の外旋運動は、立った状態では実施しやすいですが、クラムシェルのように寝た状態で実施するのは簡単ではありません。そのため、陸上選手がウォーミングアップによく実施している股関節の外旋運動を参考にして、まずは股関節を外旋させたときの可動域をしっかりと確保できるようにしましょう。

基本的には、ゆっくり丁寧に実施することが重要であり、徐々に可動域を増やしていくようにしましょう。前述したとおり、お風呂上がりに実施することも非常に有効です。

次に股関節のストレッチ

クラムシェルを実施するためには、比較的実施しにくい寝た状態で股関節をストレッチする必要があります。そのためには、比較的実施しやすいと言われている座った状態でしっかりと股関節を動かすことができるようにすることが重要です。このために、有効なのが以下のストレッチです。

このストレッチでは、脚の裏をつけて上半身を前方に倒すのですが、このとき脚をしっかりと体に近づけることが重要です。また、この状態で、膝を上下に動かすとよりクラムシェルの動作に近づくため、積極的に取り入れるようにしましょう。前述したとおり、お風呂上がりに実施することも非常に有効です。

最後にクラムシェルを実施する

以上の段階をクリアした上で、クラムシェルを実施するようにします。クラムシェルは、横になった状態で脚の開閉を繰り返すエクササイズであるため、「ながら運動」を実施できるというメリットがあります。ただし、初心者のうちは「ながら運動」の中でクラムシェルを実施するのではなく、きちんとクラムシェルに集中した上で実施するようにしましょう。クラムシェルを実施する前に、前述したように2種類のストレッチを実施してから行うことも有効であり、きちんと可動域を設定できるようにしましょう。

クラムシェルができない人におすすめのエクササイズ

スクワット

スクワットを実施している人のいら

スクワットは、股関節が硬くても、可動域は限定的にはなりますが実施することができ、クラムシェルでの主目的であるヒップアップ効果を期待できます。

やり方

  1. 脚幅を腰幅位に設定し、つま先はやや外側に設定する。
  2. 太ももと床が平行よりも少し深くなる位までゆっくり身体を下げる。
  3. 膝をロックしない(=真っ直ぐに伸ばしきらない)ところまで身体を戻す。
  4. 2から3をくり返す。

回数

スクワットは12〜15回3セットを目安に実施します。

スワットというエクササイズ自体は比較的負荷の高いエクササイズですが、自重で実施するスクワットはバーベルなどを用いて行うスクワットと比較して負荷をかなり低減することが期待できます。このため、一般的なトレーニングで推奨とされている回数である12〜15回を目安に実施するようにしましょう。

ポイント

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 身体をゆっくり下げる。

  • 膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。

  • 背中を張ったまま実施する。

  • 初動は臀部から動かすことを意識する。

ワイドスクワット

ワイドスクワットを実施している人のイラスト

ワイドスクワットは、股関節が硬くても十分に実施することができ、内転筋を鍛えることでクラムシェルをより実施しやすくなることを期待できます。

やり方

  1. 脚幅を肩幅の1.2〜1.5倍程度に設定し、つま先はやや外側に設定する。
  2. 太ももと床が平行位になるところまでゆっくり身体を下げる。
  3. 膝が真っ直ぐに伸び切らないところまで身体を戻す。
  4. 2から3をくり返す。

回数

ワイドスクワットは、12〜15回を3セット実施します。

スクワットと同様に、ワイドスクワットも自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要です。また、ワイドスクワットは、股関節周りを動かすトレーニングであることから、高回数で実施すると怪我をする原因となるため注意が必要です。

ポイント・コツ

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 身体をゆっくり下げる。

  • 身体を下げすぎない。

  • 背中をできるだけ倒さない。

  • 臀部の動きを意識する。

ランジ

ランジを実施している人のイラスト

ランジは、股関節が硬くても十分に可動域が取れるエクササイズであり、クラムシェルでの主目的であるヒップアップ効果を期待できます。

やり方

  1. 上半身を床に対して垂直に設定する。
  2. 足を真っ直ぐ前に出す。
  3. 前に出した足を戻して元に戻る。
  4. 3から4を繰り返す。

回数

ランジは、まずは、片足10〜12回3セット実施します。

ランジは脚を前、もしくは後ろに出して実施するためバランスを取り難く、これにより、エクササイズ強度は高いものに分類することができます。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。

ポイント・コツ

  • 上半身の床に対する角度を意識する。

  • 身体を床に対してぎりぎりまで下げる。

  • 脚を大きく出しすぎない。

  • 手は太ももの上に乗せない。

  • ボトムポジジョンで静止する。

  • 「膝はつま先より前に出さない」を意識しすぎない。