ワイドスクワットはお尻痩せに効果的なのでしょうか?どのように実施すればヒップアップに繋がるのでしょうか?本記事ではお尻に効くワイドスクワットのやり方・正しいフォームを解説していきます。
ワイドスクワットは、お尻を鍛えるのに非常に有効なエクササイズです。
通常のスクワットでもお尻を鍛えることは可能ですが、通常のスクワットはあくまでも大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)を鍛えるのがメインのエクササイズであり、お尻を鍛えるのは副次的な目的です。また、動作中にお尻を能動的に動かすのが難しく、高重量のバーベルなどを使わないとお尻に大きな刺激を入れることはなかなかできません。
一方、ワイドスクワットは、大臀筋(お尻の大半を占める筋肉)がメインターゲットです。さらに、動作中にお尻の動きを意識しやすく、バーベルなどの大きな負荷をかけなくてもお尻に刺激を入れることが可能となります。
ワイドスクワットは簡単そうで、奥深いエクササイズです。最初はゆっくりと自分のフォームをしっかり確認しながら実施しましょう。
ワイドスクワットの正しいやり方として、まず、脚幅は腰幅の1.5倍から2倍に設定することが挙げられます。
「ワイドスクワット」というと、脚をどこまでも広げてよいようなイメージを持つ人もいますが、実際には脚を開きすぎると、股関節への刺激が高くなるので注意しましょう。また、ワイドにしすぎると可動域もどんどん小さくなり負荷も小さくなってしまいます。
そのため、基本的に脚幅は肩幅の1.5倍から2倍程度に設定すると覚えておきましょう。
つま先をやや外側に向けるのもポイントです。
ワイドスクワットは脚幅を開いているので身体を下げやすいですが、つま先をやや外側に向けることで股関節がさらに開き、より身体を下げやすくなります。
つま先を完全に開いて実施する方法もありますが、これだと膝が内側に入り、股関節への負担が大きくなるのであまりおすすめではありません。つま先の角度は15度から30度位に設定するのがおすすめです。
太ももと床が平行になるところまでゆっくり下げることが挙げられます。美尻を手に入れたい方は、膝主導ではなくお尻主導で実施するよう心がけましょう。お尻主導というのはお尻を動かすことで、脚や膝、胴体も付いて動くという状態です。
通常のスクワットでは平行よりやや下が推奨されますが、ワイドスクワットは可動域が狭くなるので平行までに留めましょう。ワイドスクワットで腰を落としすぎると、股関節が身体を支えてしまう構造になり、股関節を痛めてしまいます。
また、スクワットでは下げるときに意識的にゆっくり動作するのもポイントです。重力と同じ方向で動くときは、重力に逆らうようにゆっくり動くと効果が高まります。
ボトムポジションで数秒間静止するなどを取り入れるとさらに効果が上がります。
次に、お尻主導で膝が真っ直ぐにならないところまで素早く上げることが挙げられます。
意識しないと非常に難しいですが、お尻を収縮させるように素早く上げます。こうすることで、よりお尻を効果的に鍛えることができます。最初のうちは難しいため、まずは速度を落として実施しましょう。
前述した通り、身体を上げるときは重力に逆らい、速く動作するのが鉄則です。
また、トップポジション(身体を上げた後の体勢)で、膝を完全に真っ直ぐにしないのがポイントです。膝を真っ直ぐにしてしまうと、負荷が抜けてしまうので効果が低減してしまいます。
回数は15〜18回を3セット実施しましょう。これは自重で行うワイドスクワットの目安です。筋トレでは1セット12〜15回が推奨されますが、ワイドスクワットはそこまで負荷の高いエクササイズではないので、15〜18回が理想です。
また、ワイドスクワットは毎日実施しても問題ありません。筋肉痛がある場合は治ってから再開しましょう。ワイドスクワットに慣れたら、他の種類のスクワットを実施し、様々な刺激を入れるのがおすすめです。
お尻を意識しすぎると、ついお尻を突き出してしまい、腰が反れてしまうことがあります。ワイドスクワットのときに腰を反りすぎると腰を痛める原因になります。腰を反った状態を骨盤(過)前傾といいます。腰は若干反る程度に留めましょう。
スクワットではよく「膝をつま先より前に出してはいけない」といわれていますが、これは気にする必要ありません。上記でお伝えしたことを実施して、自然に膝がつま先よりも前に出るならそれで問題ありません。
膝をつま先よりも前に出さないように意識しすぎると、かえって不自然な体勢になり、膝や腰、股関節を痛める原因になりますので注意しましょう。
筋トレでは、負荷が小さいときに息を吸い、負荷が大きいときに息を吐くのが正しい呼吸法です。息を吐いたときに身体の筋肉が収縮し力が入るためです。
スクワットの場合は、しゃがむときに重力の力を借り負荷は小さいため息を吸います。逆に立ち上がるときは負荷が大きいため、息を吐きます。
ワイドスクワットのときの手のポジションはいくつかのパターンがあります。手を太ももに置いてしまうと脚への負荷が減ってしまうのであまりおすすめできませんが、初心者の方はアリです。胸の前で両手を握る、腕をクロスするの2パターンが一般的です。
ワイドスクワットの他にお尻に効くエクササイズとして、ヒップリフトが挙げられます。
ヒップリフトは、仰向けになった状態で肩甲骨で身体を支えながら太ももから上半身が一直線になるまで身体を上げて元に戻るという動作をくり返すエクササイズです。足を設定する場所に応じて、お尻に効く場合やハムストリングスに効く場合がありますが、お尻に利かせたい場合には、身体の比較的近くに足を設定するのがオススメです。
負荷を高めたいならば、片足で実施する片足ヒップリフトもお尻を鍛えるのに有効なエクササイズです。
ワイドスクワットの他にお尻に効くエクササイズとして、ヒップスラストもおすすめです。
ヒップスラストは、ヒップリフトに近いエクササイズですが、何らかの高さのある台の上に肩甲骨を配置するという違いがあり、その状態でヒップリフトを行うエクササイズです。これだけ聞くとヒップリフトとあまり変わらない気がしますが、ヒップリフトと違い下半身が床に付かないので、お尻に対してストレッチの刺激が入り、ヒップリフトと比較してお尻への負荷が高くなります。
ヒップスラストは、ジムで実施されていることも多く、最近ではジムの中にはヒップスラスト専用のマシンを配備しているところも比較的多いです。また、比較的負荷を高めやすく、バーベルに加重して行うやり方も一般的です。
ワイドスクワットの他にお尻に効くエクササイズとして、ランジもおすすめです。
ランジは、基本的には足を前後に出して行うスクワットのようなエクササイズで、基本のランジには大別して足を前に出して行うフロントランジ、もしくは、足を後ろに出して行うバックランジが存在します。いずれのエクササイズでもお尻を刺激することは可能ですが、重心をやや後ろ目で実施するバックランジの方がお尻に入る刺激は大きくなります。
ランジは、その動作から大腿四頭筋にどうしても刺激が入り、まず大腿四頭筋が疲弊し、その後にお尻が疲弊してくるので、お尻を鍛える目的でランジを行う際は、目安として片足15回以上の高回数が必要です。
お尻の脂肪を落とすだけではなく、全身のダイエットを目的とするならば、ワイドスクワットと有酸素運動を組み合わせるのがおすすめです。
ワイドスクワットだけで全身ダイエットは期待できません。ワイドスクワットだけを実施すると全身の脂肪が取れる前に、脚やお尻に筋肉が付いていく、逆に太くなってしまう可能性があります。
そこで、ワイドスクワットで適度に実施してお尻と太ももの代謝を上げた状態で、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動と組み合わせるとダイエット効果を発揮します。
身体の中で一番大きい筋肉群である大腿四頭筋をメインで刺激できるノーマルスクワットは、ワイドスクワットと比べて可動域も広く、全身の代謝を上げるという観点では一番おすすめです。単一の筋肉で最も大きい大臀筋を刺激できるワイドスクワットもかなり代謝アップが期待でき、内ももやお尻をメインにダイエットしたい方におすすめです。
自分が明確に痩せたい部分がある場合はそれに従ってスクワットの種類を選ぶのがいいでしょう。また、バランスよく全身痩せたい場合は、日によって違う種類のスクワットをまんべんなく実施するのがベストです。
全身ダイエットだけでなくお尻痩せにも食事制限は有効です。
食事制限の方法は色々ありますが、基本的には、タンパク質(Protein)、炭水化物(Carbohydrates)、脂質(Fat)のバランスであるPFCバランスを意識する方法が一般的です。
一月に2〜3kg減らすためには、1日で約800〜1000kcal減らすことが必要ですから、計算もしくは測定した自身の基礎代謝から約800〜1000kcal減らした数値を食事から摂取する様にします。
このとき、食事の内容をPFCバランスを意識して設定し、まずは、タンパク質の摂取量を決めます。代謝を維持するのに必要な筋肉をつけるためには、自体重の数値 × 1.5倍のタンパク質を摂取する必要があり、これを1日のカロリー数から引きます。残ったカロリー数を炭水化物と脂質で摂取するのですが、脂質は極力少なくしてマネージメントすることが重要です。
食事制限をして体重を落としていく際に、人によってお尻がどのタイミングで痩せるのかが異なるということは念頭におく必要があります。そのため、個人差を理解した上で、気長に実施するのが重要です。
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