逆腕立て伏せは、やり方によってはより二の腕を鍛えることを期待できます。今回は、二の腕をより鍛える逆腕立て伏せのやり方及びコツについてご紹介します。
逆腕立て伏せとは、言葉の通り、通常とは逆側の状態で腕立て伏せを実施する種目です。リバースプッシュアップ(「reverse pushup(=逆のプッシュアップ)」)とも表現されることがあります。腕立て伏せは、うつ伏せで実施する種目ですが、逆腕立て伏せは仰向けで実施します。
通常の腕立て伏せも、上腕三頭筋を鍛えることができることができますが、逆腕立て伏せはより上腕三頭筋にターゲットを絞った種目です。以上を言い換えると、逆腕立て伏せの方が上腕三頭筋を使って実施できるということになり、筋トレ初心者や女性の方でも無理なく実施できるケースが多いです。
逆腕立て伏せは、上腕三頭筋、すなわち二の腕を鍛える種目です。そのため、特に意識をしていなくでも二の腕を鍛えることができます。
一方で、腕の筋肉というと、力コブである上腕二頭筋が有名である一方で上腕三頭筋はそこまで有名ではないものの、筋肉のサイズで言えば上腕三頭筋の方が圧倒的に大きいです。そのため、上腕二頭筋とは異なり、上腕三頭筋を鍛えるためにはそれなりにエクササイズ強度を高める必要があり、漫然と逆腕立て伏せを実施するよりは後述するポイントを抑えながら実施するのがおすすめです。
ただし、逆腕立て伏せに限らず、上腕三頭筋を鍛える種目のほとんどは肘を痛める可能性があるという点に留意する必要があり、肘を壊さないように注意して実施する必要があります。
初心者は、逆腕立て伏せを8〜10回3セット実施します。
逆腕立て伏せは、通常の腕立て伏せと比較して、筋肉量をの多い上腕三頭筋を優位にしようすることができるため、筋トレ初心者でも比較的回数を実施できることがあります。ただ、フォームをしっかり確認するという意味で、まずは8〜10回3セット実施しましょう。
逆腕立て伏せに少し慣れてきたら、10〜12回3セット実施します。
逆腕立て伏せは慣れてくると、上腕三頭筋の発達により安定して実施することを期待できます。そのため、、逆腕立て伏せに少し慣れてきたら、初心者のときよりも回数をやや増やして、10〜12回3セット実施するようにしましょう。
上級者の場合、逆腕立て伏せを実施する際には、その他の上腕三頭筋を鍛える種目と組み合わせて実施します。
上級者が逆腕立て伏せを実施する場合には、本種目をウォーミングアップ種目もしくは仕上げの種目として実施します。本番種目として、通常のプッシュアップやスカルクラッシャーなどを実施するのがおすすめです。この場合、逆腕立て伏せを12〜15回を実施し、以上の本番種目を10〜12回3セット実施しましょう。
逆腕立て伏せに限らず、腕立て伏せではトップポジションの腕の角度が非常に重要です。
腕立て伏せに限らず、エクササイズの基本は可動域の中で常に負荷が入っていることを意識することです。コブラプッシュアップの場合には、トップポジションで肘を伸ばしてしまうと、身体の重さを肘で支えることになり、大胸筋、上腕三頭筋に対する負荷が低下します。 このため、逆腕立て伏せではトップポジションで肘をやや曲げることを意識するようにしましょう。このようにすることで、肘を痛めるリスクも低減することが期待できます。
逆腕立て伏せで上腕三頭筋をピンポイントで狙うためには、脇を締めて実施するのがおすすめです。
逆腕立て伏せでは、脇を開いた様に実施することもできますが、そのように実施すると背中への負荷が高まり、上腕三頭筋への負荷が低減します。そのため、上腕三頭筋に負荷を与えたい場合には脇を締める必要があり、そのためには、手の甲の向きを正面に設定するようにしましょう。
逆腕立て伏せでは、しっかりと身体を下げることで、上腕三頭筋を伸展させることが重要です。
逆腕立て伏せは、上腕三頭筋を伸展させるための種目であるため、上腕三頭筋が伸展するようにボトムポジションをしっかり深く設定する必要があります。上腕三頭筋が伸展していることを意識して、ボトムポジションで静止することも非常に有効であり、そのためには、椅子もしくはベンチ台が低すぎないように注意しましょう。
逆腕立て伏せでは、重りを使用すると、擬似的に自重が増大したようになるため負荷を高めることができます。
重りの代わりに、ダンベルを使用することもできますが、ダンベルは身体の上に乗せたときに安定性がないためそこまでおすすめできません。そのため、基本的には、安定性の高いプレートを身体の上に乗せて実施するのがおすすめです。プレートをいくつか組み合わせて、少しずつ重量を増やして実施するピラミッドセットはもちろんですが、少しずつ重量を減らして実施するドロップセットを実施するのもおすすめです。
逆腕立て伏せに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、ターゲット部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのターゲット部位の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
逆腕立て伏せに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
逆腕立て伏せに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、逆腕立て伏せでは、身体を下ろすときに息を吸い、身体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは絶対に避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ナロープッシュアップは、12〜15回します。
ナロープッシュアップは、腕の力を大きく必要とするため、負荷の高いエクササイズです。基本的には、12〜15回を3セット実施することを目標にしますが、最初のうちはそれよりも少ない8〜10回を3セット実施することを目標に実施しても全く問題ありません。
実施中は常に肩甲骨を寄せたままにする。
トップポジションで肘を伸ばし切らない。
身体を下げるときはゆっくりにする。
上半身から下半身は常に一直線で実施する。
ダンベルキックバックは、10〜12回を3セット実施します。
ダンベルキックバックは、単純な種目ではありますが、エクササイズ難易度は比較的高い種目です。効率的に上腕三頭筋に刺激を与えるためには、ダンベルを丁寧に動かす必要があります。そのため、通常のエクササイズの標準的な回数よりも少ない10〜12回を3セット実施するようにしましょう。
テンポ重視で実施する。
ダンベルをトップポジションに持ってくるときは、ダンベルから腕までが真っ直ぐになるように手首を使う。
負荷が高すぎる場合には、片手をアジャスタブルベンチなどに手をかけて片手ずつ実施する。
ダンベルフレンチプレスは、10〜12回を3セット実施します。
ダンベルフレンチプレスは、上腕三頭筋を急激に伸展させることで負荷を与えるエクササイズであり、比較的負荷の高いエクササイズです。そのため、実施する回数としては一般的なトレーニングで推奨されている回数よりもやや少ない10〜12回を3セットを実施しましょう。
重量をやや軽めで設定する。
ダンベルの動きを終始コントロールする。
下げているときに肘に違和感を感じたら無理をしない。
小指の付け根でダンベルを把持するように意識する。
脇を開きすぎない。
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