ヒップスラストは、実施しているとお腹が痛いと感じることがあります。今回は、ヒップスラストでお腹が痛いと感じる原因とその対策についてご紹介します。
ヒップスラストを実施する際に、重量設定が重すぎるとお腹が痛いと感じる原因になり得ます。
ヒップスラストは、バーベルと座面に対して身体が挟まれるような形で実施することから、バーベルの重量設定が重すぎるとお腹が痛いと感じることがあります。
この場合には、ヒップスラストでの設定重量を下げます。基本的に、ヒップスラストは高重量を扱う方が多いですが、そこまで重量を扱うのに向いている種目ではないため、10〜12回きっちりできる重量設定で実施しましょう。
ヒップスラストを実施する際に、バーベルの設定位置、設定方法が悪いとお腹が痛いと感じる原因になり得ます。
ヒップスラストでは、腹直筋の下部でバーベルを支える必要があり、かつ、場合によってはバーベルネックパッドを使用して、下腹部にかかる負荷を下げる方法もあります。以上の何れも実施していないと、ヒップスラストを実施する際にお腹が痛いと感じることがあります。
この場合には、まずはヒップスラストを実施する場合にバーベルネックパッドを使用します。慣れてきたら、それを外して実施できるようになりましょう。
ヒップスラストで筋肉痛の状態で実施しているとお腹が痛いと感じる原因になり得ます。
腹直筋は、基本的には、筋肉痛の状態で実施しても問題ない部位とされてはいますが、特に筋トレ初心者の方はその状態でヒップスラストを実施すると、お腹が痛いと感じることがあります。
この場合には、腹直筋に筋肉痛がある状態でヒップスラストを実施しないようにします。腹直筋に筋肉痛がある場合には、後述するエクササイズや、その他の部位を鍛えることができる種目を実施しましょう。
筋トレ初心者のヒップスラストの目安の重量は20〜30 kg程度です (自身の体重にもよります)。
ヒップスラストは身体の上にバーベルを設定することから、筋トレ初心者でも比較的高重量を扱うことができます。以上では重量は20〜30 kgと述べましたが、実際には、自身の筋肉量に合わせて10〜12回をきちんと(ある程度余裕のある形で)実施できる重量を選択するようにしましょう。
ヒップスラストに少し慣れた方のヒップスラストの目安の重量は30〜40 kg程度です(自身の体重にもよります)。
ヒップスラストで鍛えるお尻の筋肉はサイズが大きい部位であることから、鍛えると比較的早い速度で扱うことができる重量が伸びます。ただし、少し慣れた場合でもむしろフォームをしっかり意識するという意味で、やや軽い重量で行うようにしましょう。以上では30〜40 kgを挙げましたが、この重量はあくまでも目安であり、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせてヒップスラストを12〜15回実施できる重量を選択するようにしましょう。
筋トレ上級者のヒップスラストの目安の重量は120 kg以上です(自身の体重にもよります)。
筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、ヒップスラストで120 kg以上を正確なフォームで実施できれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、正確な可動域の中で実施しましょう。
初心者は、ヒップスラストを8〜10回3セット実施します。
ヒップスラストは、通常のヒップリフトに対して、負荷の高いエクササイズです。そのため、一般的な筋トレにおける標準的な回数よりも少ない8〜10回3セットを目標に実施する様にしましょう。
ヒップスラストに少し慣れてきたら、ヒップスラストを10〜12回3セット実施します。
ヒップスラストは慣れてくると、大臀筋、ハムストリングスの発達により8〜10回3セットでは負荷が足りなくなることを感じます。そのため、初心者のときよりも回数をやや増やして、10〜12回3セットを実施するようにしましょう。
上級者の場合、その他の大臀筋、ハムストリングスを鍛える種目と組み合わせて実施しましょう。
基本的に、ヒップスラストは大臀筋を鍛える種目の中ではエクササイズ強度が高い種目ですが、他の大臀筋を鍛えることができる種目と一緒に実施するとより負荷を高めることが期待できます。実施する際には、何れの種目でも12〜15回3セットを実施するようにしましょう。
ヒップスラストは、お尻を上げようとする意識が働くほど、つま先で床を押し切ろうとする意識が働きがちですが、むしろ、脚裏をしっかりと使って上げた方が効果的です。
つま先で床を押し切ってしまうと、ヒップスラストのターゲットである臀部及びハムストリングスではなく、ふくらはぎに負荷が入ってしまいます、そのため、これらの部位にしっかりと刺激を入れるためには脚裏全体で床を押し切ることが重要であり、特に、かかとの方に意識を持って押すとより効果的なエクササイズになります。
ヒップスラストでは、通常のヒップリフトと同様に、脚の置く位置によって下半身に負荷の入る部位が異なります。
ヒップスラストは、脚の置く位置によってどこに刺激が入るのかが変わり、身体の近くだと大腿四頭筋、身体から遠くだとハムストリングス、その間だと大臀筋になります。そのため、漫然に脚の置く位置を決めるのではなく、自身の意図をしっかりと持って脚の置く位置を決めるようにしましょう。
片脚で実施するヒップスラストは、シングルレッグヒップスラストといいます。シングルレッグヒップスラストは、ヒップスラストを行う際に予め膝の角度を90度にして片足を挙げた状態を作って実施するエクササイズです。
シングルレッグヒップスラストは、自重で実施することが多く、体重を片足で支えることから自重でも負荷を高めてエクササイズを実施できるというメリットがあります。
もちろん、バーベルを使って実施しても問題ありませんが、片脚で身体を支えていることからバランスが非常に崩れやすくなってしまっていることには留意しましょう。
ヒップスラストでは、他の種目と同様に、可動域をしっかりと設定することが重要です。特にヒップスラストで重量設定が重すぎると、可動域が狭くなることに加えて、怪我をしやすくなります。
一般的に、ヒップスラストは高重量を扱える種目であるとされており、女性でも場合によっては100 kg近くの重量を扱って実施しているケースがあります。ただ、この場合には、可動域を正確に設定できていない可能性がかなり高いです。
ヒップスラストは、実は重量を扱う種目ではなく、限定的な重量で可動域をしっかりと使うことが非常に重要です。
ヒップスラストに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、大臀筋、ハムストリングスの動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での大臀筋、ハムストリングスの動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ヒップスラストに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ヒップスラストに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ヒップスラストでは、身体を下ろすときに息を吸い、身体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは絶対に避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ワイドスクワットは、12〜15回を3セット実施します。
スクワットと同様に、ワイドスクワットも自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要です。また、ワイドスクワットは、股関節周りを動かすトレーニングであることから、高回数で実施すると怪我をする原因となるため注意が必要です。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
身体を下げすぎない。
背中をできるだけ倒さない。
臀部の動きを意識する。
ノーマルスクワットは、12〜15回を3セット実施します。
ノーマルスクワットを自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要であり、それを意識できていないと、回数が少ない分だけ負荷が弱くなります。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
ランジは、まずは、片足10〜12回3セット実施します。
ランジは脚を前、もしくは後ろに出して実施するためバランスを取り難く、これにより、エクササイズ強度は高いものに分類することができます。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
上半身の床に対する角度を意識する。
身体を床に対してぎりぎりまで下げる。
脚を大きく出しすぎない。
手は太ももの上に乗せない。
ボトムポジジョンで静止する。
「膝はつま先より前に出さない」を意識しすぎない。
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