バックランジは、難易度の低い種目で、狙った部位に効かないと感じる場合が多い種目です。今回は、バックランジで効果がないと感じる原因とその対策についてご紹介します。
バックランジでしっかりと足を動かせていないと効果がでないと感じる原因になり得ます。
バックランジでは、しっかりと足を後方に動かすことで、可動域が大きくなり、身体を下げる動作、戻す動作でしっかりと負荷が入るようになることを期待できます。以上を言い換えれば、後方に動かす距離が小さくなると、可動域が小さくなり負荷が小さくなる原因になります。
これに対する対処法は、予め目印などを設定して足を下げる位置を設定することです。目印の位置もやや後方に設定することで、足をしっかりと動かすことができるようになり、負荷を高めることを期待できます。
バックランジでしっかりと身体を下げることができていないと効果がでないと感じる原因になり得ます。
前述した足をしっかりと後方に動かすことに関係しますが、しっかりと身体を下げることができていない場合には、そもそも、足をしっかりと後方に動かせていない可能性があります。これにより、可動域が限定的となり、それに伴って身体を下げる量も小さくなり負荷が小さくなる原因になり得ます。
これに対する対処法は、前述したやり方でしっかりと足を下げることです。また、それに加えて重心を下に持っていくことを意識することも有効です。
バックランジで上半身の設定が悪いと効果がでないと感じる原因になり得ます。
バックランジは、大腿四頭筋に負荷を与える場合には床に対して上半身を設定し、大臀筋、ハムストリングスに負荷を与える場合には床に対してやや前傾になるように上半身を設定することが重要です。つまり、ターゲット部位に対して、上半身の設定方法が間違っていると、効果がでないと感じる原因になり得ます。
これに対する対処法は、改めて自身が目的とする部位を明確化することです。それに合わせて、上半身の角度を設定するようにしましょう。
バックランジで負荷が足りないと効果がでないと感じる原因になり得ます。
バックランジは、まずは自重で実施するエクササイズですが、トレーニングレベルが上がったら、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどで負荷を高める必要があります。トレーニングレベルが上がっているのにも関わらず、いつまでも自重で実施していると効果がでないと感じる原因になり得ます。
これに対する対処法は、実施する毎に、負荷を高めることです。最初の頃は、回数を増やすことで負荷を高め、15回程度実施できるようになったら、後述するようにダンベル、バーベル、スミスマシンなどで負荷を高めるようにしましょう。
「メリハリのある太もも」とは「引き締まった太もも」のことです。バックランジにより太ももの前部と裏側を刺激するので、これらの部位に積極的に筋肉をつけることができ、引き締まった太ももを実現できます。
「バックランジなどの脚を鍛える種目は脚が太くなるからやりたくない」という女性がたまにいらっしゃいますが、女性が自重で実施する範疇で劇的に脚が太くなるということは考えにくいです。筋肉痛が強い=太くなる、ではないので、そこまで心配しすぎる必要ありません。
そもそも女性は、男性と比較して筋肉の発達に影響するテストステロン値が低く、男性でも太ももを大きくするためには高重量のランジが必要ですので、あまり心配しないでよいでしょう。
近年の美尻ブームにより多くのマシンや種目が紹介されていますが、お尻のラインを作る上でバックランジは効果的です。
この理由としてはバックランジ自体が太ももを稼働させて実施する種目であることから、運動経験がない人でも高負荷のトレーニングを実施しやすいためです。
バックランジでも、もちろん臀部(お尻)に刺激を入れることは可能ですが、例えばワイドスクワットやブルガリアンスクワットを実施することで、より効果的に臀部に刺激を入れることができます。
バックランジは筋肉を鍛えるのに有効な種目ですが、それと同時にダイエット効果も見込むことができます。
その理由は、身体の中の筋肉の約60〜70%が下半身に集中しており、下半身の中でも大腿四頭筋、臀部(お尻)が占める筋肉の割合が非常に高いためです。スクワットは、これらの筋肉を鍛えることができ、これにより代謝が向上します。脂肪が燃焼するためには代謝の向上が不可欠なので、ダイエット効果が見込めます。
ただし、バックランジは代謝向上を促すことまでしかできません。ウォーキングやランニングなどの有酸素運動と、食事制限もダイエットをする上では必須です。
冷え性やむくみの原因は、前述したように血流が悪くなっていることです。
特に、ハムストリングスや内転筋は大腿四頭筋と比較して、日常的にはそこまで意識して使われる頻度が高い筋肉ではないことから、凝り易く、これにより血流が悪くなっている可能性が高いです。
特に、内転筋の場合には、脚の付け根である鼠蹊部(そけいぶ)にリンパ節があります。このリンパ節は、リンパが流れるリンパ管が集まっている部分であり、フィルタのような役割をしています。リンパは、筋肉を動かすことで流れることが促され、リンパの流れが悪くなると老廃物質が流れなくなることでむくみ、冷え性の原因になります。
そのため、内転筋、ハムストリングスを鍛えることで血流が良くなり、冷え性やむくみの改善を期待できます。
バックランジは、大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋、腸腰筋、内転筋を鍛えることができるため、その他の効果として以下を期待できます。
運動パフォーマンスの向上、歩行能力の改善。
腰痛の軽減。
膝の怪我の予防。
O脚改善。
スタイル改善。
姿勢改善。
便秘解消。
ぽっこりお腹を改善。
バックランジを自重で実施する場合には、上半身は床に対して垂直に設定するのが望ましいとされています。これは、床に垂直に設定することで、身体を下げたときに上半身の体重が下半身に乗りやすくなり、負荷が高まるためです。
一方で、ダンベルを用いて実施する場合には、必ずしも床に対して上半身を垂直に設定する必要はありません。これは、ダンベルを持つとバランスが非常に崩れやすくなることが原因の一つです。ダンベルを用いてバックランジを実施する場合には、高重量を扱うことが目的とされているケースが多く、そのためには上半身をやや前傾にすることでバランスを取り、これにより、バックランジの効果を高めることが期待できます。また、ダンベルを持った状態で前傾姿勢になると、ダンベルに身体が引っ張られるような状態になり、大臀筋、ハムストリングスが伸びた状態になります。これにより、これらの筋肉をより効率よく鍛えることが期待できます。ただし、前傾姿勢で実施する場合には、腰にどうしても負担がかかることには留意しましょう。
バックランジは非常に負荷の高いエクササイズですが、やり方によっては負荷が抜けやすくなります。
この理由の1つとしてトップポジションの設定にあります。バックランジでは、身体を上げる際に、大腿四頭筋を少しでも楽にするために膝を伸び切った状態を作りがちですが、このようにすると大腿四頭筋へ負荷が全く入っておらず、トレーニング的にはNGです。
トレーニングの基本は、「動作中すべての可動域で筋肉に負荷を与え続ける」という点であるため、これに倣うならばバックランジにおけるトップポジションでも負荷が入るように設定する必要があります。すなわち、膝は伸ばし切るのではなくやや曲げた状態をトップポジションに設定し、その場所で切り返すことが重要です。
バックランジに限らず、エクササイズのほぼ全ては、負荷の抜けない範囲で可動域を大きく設定することで負荷を高めることが期待できます。バックランジでは、後ろに踏み込んだ脚にやや重心を乗せて、その状態で身体を下げるようにして実施し、このときにできるだけ身体を深く下げることで負荷を高めることが期待できます。これは、自重で実施する際はもちろんですが、ダンベルやバーベル、スミスマシンで加重して実施する場合に特に重要になり、しっかりと可動域を取れる範囲内で荷重することが重要です。
一方で、身体を深く下げると、重心が乗っていない方の脚の膝が床に付く可能性が出てきます。膝が床についてしまうと、負荷が逃げる原因になるだけではなく、勢いよくぶつけてしまうと怪我の原因にもなるため注意が必要です。
前述した通り、バックランジの負荷を高めるために可動域を大きく設定することが必要です。そのためには、脚を大きく前に踏み出すことでそれが達成されますが、前に踏み出しすぎると戻るのも大変になり、最悪戻れなくなることもあります。
戻れない場合には、一度、バックランジの状態を解き、後ろの脚を持ってきてニュートラル状態になってから再びバックランジを実施する必要があるため、バックランジの負荷が一旦完全に0になります。
エクササイズの基本として、運動中には常に負荷が入っていることが前提であるため、一旦ニュートラルの状態になることは望ましくなく、そのためには、脚を大きく踏み出しすぎることも推奨されません。そのため、後ろにある脚の膝が床に接触するかしないかのポジションを予め決めて足を前に出しすぎないようにする必要があります。
バックランジを実施する上で、手の位置は負荷の大きさを決定する上で意外と重要です。バックランジを実施するときの手の位置は
胸の前で両手を握る
腰に手を当てる
前に出す太ももの上に置く
ぶらーんと手を下ろす
など、いくつかのパターンが見受けられますが、この中で「太ももの上に置く」ということは推奨されません。その理由として、太ももの上に置いた場合、置いた手が衝立のようになり、上半身の荷重を支えてしまうためです。バックランジはあくまでも上半身の重量を太ももで受け切る必要があり、そのためには前に出した太ももの上に手を置いてしまうのは逆効果です。そのため、基本的には、バックランジを実施する際の手は、「太ももの上」以外の場所に設定するようにしましょう。
ただし、バックランジを実施している際に、限界を迎えてからのフォースドレップ (補助をしながら限界を超えてエクササイズを行うこと)を実施する場合にはこの限りではなく、手は太ももの前に置いても問題ありません。
バックランジは、ボトムポジジョンで最も負荷が高くなるエクササイズであり、ボトムポジションでしっかり体重を受け切ることで最大の効果を発揮することができます。キツくなっても一瞬ボトムポジションで静止することを意識することが重要です。
トレーニングにおける「ボトムポジション」とは、身体が一番低い状態にあることを指します。スクワットではしゃがんだ状態です。多くは筋肉がピンっと張った状態です。反対に「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。その間を「ミッドレンジ」といいます。
また、ボトムポジションは動作を切り返す点でもあり、負荷が抜けやすいところであるとも言われています。そのため、ボトムポジションは負荷が抜けないように丁寧に意識する必要があることから、「ボトムポジションで一瞬静止する」というテクニックは非常に有効です。
バックランジは、ダンベル、バーベル、スミスマシンを併用して実施することができます。負荷の大きさは、負荷の小さいものからスミスマシンランジ、ダンベルランジ、バーベルランジです。
スミスマシンランジは、軌道が固定化されているため、非常に負荷をかけやすいのが特徴です。「スミスマシンを使用する」ということ自体は比較的障壁が高いですが、エクササイズ効率は非常に高く、おすすめの種目です。
ダンベルランジは、両手でダンベルを持ってランジを行うため、比較的バランスを取りやすいのが特徴です。ただし、スミスマシンとは異なり軌道が固定化されているわけではないため、フォームが崩れやすく、高重量を扱いすぎないことがポイントです。
バーベルランジは、バーベルを背負って実施するランジであり、バランスを取り辛く、負荷が大きいという点が特徴です。バーベルランジは、そのエクササイズの特性上、スクワットを実施するパワーラックやスクワットラックで非常に実施し辛く、かといって、ウォーキングランジで扱うにも安全面で課題があります。
以上から、基本的には、バックランジで負荷を高めようとした場合には、ダンベル、スミスマシンを使用するのがおすすめです。
バックランジがフロントランジで最も大きく異なるのは、やり方によっては後方の脚を振り上げることができるという点です。
このようにバックランジを実施することで腸腰筋を鍛えることを期待できます。腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐインナーマッスルに分類される筋肉であり、通常、鍛えることは非常に難しいです。脚を上げて実施するバックランジは、腸腰筋を集中的に鍛えることができる数少ない種目の一つであるため、積極的に取り入れるようにしましょう。
バックランジに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、バックランジで鍛えている部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの筋肉の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
バックランジに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
バックランジに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。バックランジでは、身体を下げるときに息を吐き、戻すときに息を吸います。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ランジは、スミスマシンランジの基本となる種目であるためです。
ランジは、自重で実施する種目で、スミスマシンランジの基本となる種目です。実際に実施する場合には、ランジをウォーミングアップ種目として実施し、本番種目としてスミスマシンランジを一緒に実施することで大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋を効率的に鍛えることを期待できます。
ランジは、まずは、片足10〜12回3セット実施します。
ランジは脚を前、もしくは後ろに出して実施するためバランスを取り難く、これにより、エクササイズ強度は高いものに分類することができます。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
上半身の床に対する角度を意識する。
身体を床に対してぎりぎりまで下げる。
脚を大きく出しすぎない。
手は太ももの上に乗せない。
ボトムポジジョンで静止する。
「膝はつま先より前に出さない」を意識しすぎない。
ワイドスクワットは、スミスマシンランジと同様に、大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスも鍛えることが期待できるためです。
ワイドスクワットは、スミスマシンランジと同様に、大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスを鍛えることができる種目であり、下半身をトータル的に鍛えることができます。実際に実施する際には、ワイドスクワットを実施した後に、本番種目としてスミスマシンランジを実施しましょう。
ワイドスクワットは、12〜15回を3セット実施します。
スクワットと同様に、ワイドスクワットも自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要です。また、ワイドスクワットは、股関節周りを動かすトレーニングであることから、高回数で実施すると怪我をする原因となるため注意が必要です。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
身体を下げすぎない。
背中をできるだけ倒さない。
臀部の動きを意識する。
クワットは、スミスマシンランジと同様に、大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスも鍛えることが期待できるためです。
スクワットは、スミスマシンランジと同様に、大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスを鍛えることができる種目であり、下半身をトータル的に鍛えることができます。実際に実施する際には、スクワットを実施した後に、本番種目としてスミスマシンランジを実施しましょう。
ノーマルスクワットは、12〜15回を3セット実施します。
ノーマルスクワットを自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要であり、それを意識できていないと、回数が少ない分だけ負荷が弱くなります。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
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