ヒップレイズとレッグレイズは、いずれも腹直筋を鍛える種目ですが動作など異なる部分も多いです。今回は、ヒップレイズとレッグレイズの違いについてご紹介します。
ヒップレイズは英語で「hip raise」で「お尻を上げる」エクササイズを指します。一方は、レッグレイズは英語で「leg raise」で「足を上げる」エクササイズを指します。足はお尻に接続しているため、「足を上げる」ということは「お尻を上げる」動作と同じであることから両種目は非常によく似ていると言えます。
ただし、細部は異なっており、ヒップレイズは、仰向けになり、膝を曲げた状態でお尻の上げ下げを行います。お尻の上げ下げを行うため、間接的に足の上げ下げを行うことになりますが、膝は常に曲がった状態です。
一方、レッグレイズは、仰向けになり、膝をやや曲げた状態で足の上げ下げを行います。お尻は常に床についた状態で実施します。
ヒップレイズとレッグレイズは、何れの種目も腹直筋をメインとして鍛える種目ではありますが、両種目で腹直筋に負荷が入るところが微妙に異なります。
そもそも、腹直筋は、縦に長い筋肉であり、上部、中部、下部の3つの部位に分類することができます。
その中で、ヒップレイズはお尻を上げ下げして、膝を抱え込む様にして実施することから腹直筋の下部を中心に、中部、上部にもやや負荷を与えることを期待できます。一方、レッグレイズでは足の上げ下げをすることから基本的には腹直筋下部にしか負荷が入りません。
このことから、より腹直筋全体をバランス良く鍛えたいならば、ヒップレイズの方が適していると言えます。
ヒップレイズとレッグレイズの難易度は大きな差はありません。ただ、慣れていないとヒップレイズとレッグレイズの棲み分けが難しいという問題があります。
前述したように、ヒップレイズとレッグレイズはそもそもの動きが非常によく似ています。そのため、自身でヒップレイズを実施しているつもりでも、実はレッグレイズを実施していたり、その逆も然りです。
何れの種目でも腹直筋下部を中心に鍛えることができる種目であるため、間違えても大きな問題にはなりません。ただ、動きをしっかりと理解しているのとそうでないのでは、エクササイズ効率に大きな差が出るため、特に初心者の場合には鏡で見たり、必要に応じて第三者に見てもらいながら実施するのが良いでしょう。
ヒップレイズで腹直筋を鍛えることで、特にお腹周りについている脂肪を燃焼することを期待できます。これにより、お腹周りをすっきりさせることが期待できますが、腹直筋だけを鍛えるということで得られる効果は限定的です。
腹直筋を鍛えてお腹周りをすっきりさせたい場合には、腹直筋を鍛えるエクササイズに加えて有酸素運動や食事制限を行う必要があります。これは、シックスパックを作りたい際にも同様であり、シックスパックをしっかり出したい場合にはかなりの計画的な有酸素運動、もしくは食事制限を実施する必要があります。
腹直筋を鍛えることでお腹周りをすっきりさせるということは注意も必要です。つまり、腹直筋をつけることでウエストが太くなってしまう可能性もあるという点です。このため、ウエストを太くしたくないという方は、むしろ腹直筋を鍛えすぎないように注意する必要があります。
ヒップレイズの主ターゲットである腹直筋は、身体の中ではそこまで大きな筋肉ではありません。そもそも、腹直筋が分類される腹筋は身体の中でも大きい筋肉ではないため、例えば、大腿四頭筋や大臀筋といった身体の中で筋肉が大きい部位と比較すると、鍛えることでの代謝の改善効果は限定的です。
それでも、ヒップレイズで鍛えることができる腹直筋は、腹筋の中では最も大きい筋肉であり、これにより、鍛えることで基礎代謝の改善効果を期待できます。代謝を改善するということは、脂肪を燃焼させやすい身体を作るということであり、これによりダイエット効果を期待できます。
ヒップレイズで鍛えることができる腹直筋は、前述した通り腹筋に分類される筋肉であり、腹筋は背筋とともに上半身を支える筋肉です。これにより、腹直筋を鍛えることで上半身をしっかり支えることができるようになります。
腰痛が発生するメカニズムは、上半身の重さを支えることができなくなることで姿勢が悪化し、これにより、腹筋と背筋のバランスが崩れることで、上半身と下半身の付け根である腰に負担がかかってしまうということです。特に、背筋は日常的に使用する機会が多い筋肉であるものの、腹筋は意識的に使用しないと鍛えることが難しい部位です。
以上から、ヒップレイズで腹直筋を鍛えることで腹筋と背筋のバランスを改善することを期待でき、これにより、腰痛の予防の効果が期待できます。
ヒップレイズに限らず、ほぼ全てのエクササイズでは、負荷の抜けない範囲で可動域を最大限に設定することが大切です。
ヒップレイズでは、可動域を大きく設定しようとすると、脚を戻しすぎてしまう傾向があります。しかし、このように実施すると腹直筋から完全に負荷が抜けてしまい、ヒップレイズのエクササイズ効率が大きく低下します。
これを防ぐためには、ヒップレイズがそもそも可動域が非常に狭いエクササイズであることを認識し、お腹に近づけた太ももは戻しても床との角度が90度のところまでに留めましょう。
ちなみに、脚を床に近づけすぎると、腰への負担も大きくなります。腰痛を誘発しないためにも、このフォームで実施するのは重要と言えます。
前述したように、ヒップレイズは可動域がかなり限定的なエクササイズです。そのため、その限られた可動域の中で最大のパフォーマンスを発揮するためには、ヒップレイズで腹直筋に負荷を与える根本的な要因である太ももの動きをよりダイナミックにすることを意識する必要があります。
具体的には、ボトムポジション(脚が最も低い位置にある状態。ヒップレイズの場合は、太ももと床が90度の状態)からトップポジション(脚が最も高い位置にある状態)に移行する際に、膝を胸に付けようとすることで膝の描く軌跡が大きくなり、負荷が高まることが期待できます。
ただし、激しく動かしすぎると腰への負担となる場合があります。徐々にダイナミックを動きが出せるようにしていきましょう。
ヒップレイズに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
そのため、最初は難しいですが、ヒップレイズで鍛えている部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの筋肉の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
お腹、そして、その後ろである背中を意識して、常に張りがある状態を維持すると、怪我の防止にも繋がります。
ヒップレイズに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。 ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ヒップレイズに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ヒップレイズでは、お尻を下ろすときに息を吸い、お尻を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは絶対に避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
レッグレイズで腹直筋を鍛えることで、特にお腹周りについている脂肪を燃焼することを期待できます。また、レッグレイズで副次的に鍛えることができる腸腰筋は、骨盤のバランスを整える働きがあります。下っ腹が出ている状態というのは骨盤のバランスが崩れている状態である場合があり、腸腰筋を鍛えることで骨盤のバランスを矯正できるため、ぽっこりお腹を改善することを期待できます。
以上より、レッグレイズで鍛えることでお腹周りをすっきりさせることが期待できますが、腹直筋、腸腰筋だけを鍛えるということで得られる効果は限定的です。腹周りをすっきりさせたい場合には、腹直筋を鍛えるエクササイズに加えて有酸素運動や食事制限を行う必要があります。
レッグレイズで鍛えることができる腹直筋は、身体の中ではそこまで大きな筋肉ではありません。そもそも、腹直筋が分類される腹筋は身体の中でも大きい筋肉ではないため、大腿四頭筋や大臀筋といった身体の中で筋肉が大きい部位と比較すると、鍛えることでの代謝の改善効果は限定的です。
それでも、腹直筋は、腹筋の中では最も大きい筋肉であり、鍛えることで基礎代謝の改善効果を期待できます。代謝を改善するということは、脂肪を燃焼させやすい身体を作るということであり、これによりダイエット効果を期待できます。
レッグレイズで副次的に鍛えることができる腸腰筋は、鍛えることで腰椎のS字状を維持することを期待できます。
人間の腰は、通常S字状態になっていて、それによって体重を支えることができています。姿勢が悪い状態とはS字が崩れており、この状態は猫背もしくは反り腰に分類できます。 猫背は、前屈みの姿勢を長時間取り、骨盤が後傾してしまうことが原因になります。
特に現代人は、長時間デスクワークをすることが多いので、猫背になる人が多いです。 反り腰は、腹筋及び背筋のバランスが崩れ、前側にかかった重みを背中側で支えるようになり、骨盤が前傾することが原因になります。特に、筋肉量が少ない女性がなりやすいと言われています。
以上より、腸腰筋を鍛えることで腰椎がS字状にできることを維持することができれば、姿勢が悪いとされている猫背及び反り腰を改善することができ、これにより、姿勢の改善を期待できます。
レッグレイズは、負荷を高めるために可動域をできるだけ大きく設定して実施する必要があります。そのためには、脚をできるだけ下げ、できるだけ上げる必要があるように思えますが、必ずしも正しくありません。
下げる位置については、脚が床に付いてしまうとその部分で負荷が抜けてしまい、また、上げすぎると腹直筋の収縮間が抜けてしまうことで負荷が抜ける傾向があります。そのため、レッグレイズでは負荷が抜けない範囲で脚をできるだけ下げ、できるだけ上げる必要があります。
具体的には、レッグレイズを実施する前に脚の上げ下げを行うことで、負荷が抜けない位置を探り、その状態を鏡で確認しながら実施するのがおすすめです。
レッグレイズは、脚の上げ下げを行うことで腹直筋の下部に負荷を与えます。これは、腹直筋下部を支点にして重量がある脚を上げ下げするためであり、これを考えると膝を真っ直ぐにすることでより負荷を高めることが期待できます。
一方で、膝を真っ直ぐにするほど腰にかかる負担も大きくなります。腹筋を鍛えるエクササイズは、シットアップを代表として腰を痛めやすい種目が非常に多く、できるだけ腰に負担をかけないようにして実施する必要があります。そのために、レッグレイズでは、膝をまっすぐにしすぎないで実施することが非常に重要となります。
レッグレイズに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、腹直筋下部の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での上腕筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
レッグレイズ限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
レッグレイズに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、レッグレイズでは、脚を下ろすときに息を吸い、脚を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
Most Popular
プランクと腹筋ローラー、腹筋を効果的に鍛えられるのはどっち?
フィットネス
筋トレ「クラムシェル」のやり方と効果を高めるコツを解説
フィットネス
大腿四頭筋の筋トレメニュー|効果的に鍛える方法を解説
フィットネス
プランクで体が震える原因と対処法を解説|
フィットネス
腹筋ローラーでみぞおちが痛い原因と対処法。正しいフォームを解説
フィットネス
ジャンピングジャックのやり方と効果|一緒にやるとおすすめ筋トレも解説
フィットネス
リバースプランクができない原因とは?正しいフォームと時間設定を解説
フィットネス
ハイプランクとロープランクの違い。フォームと効果を比較
フィットネス
ラットプルダウンで肩が痛い原因とは?対処法と正しいフォームを解説
フィットネス
初心者向けスクワットのやり方とNGフォーム、メニューを解説
フィットネス