サイドプランクは、前鋸筋がメインターゲットの種目です。今回は、前鋸筋を鍛えるためのサイドプランクについてご紹介します。
前鋸筋(ぜんきょきん)は、脇の下についているノコギリ状の筋肉です。
前鋸筋は肩関節を動かす働きがあり、これにより、肩関節が稼働する「パンチする」等の動作に寄与します。このことから、特に、ボクシング選手で発達していることが多いため、ボクサー筋とも呼ばれます。
前鋸筋は、正確に表現すると腹筋に分類される筋肉ではないですが、前鋸筋が発達することで非常に完成度の高い腹筋を実現することができます。
前鋸筋は、サイドプランクのメインターゲットである腹斜筋の上部に位置する筋肉です。このため、腹斜筋を鍛えることができるサイドプランクでも鍛えることができる可能性が高いです。
筋トレ初心者は、サイドプランクを20秒間3セット実施します。
サイドプランクは、プランクという名前が付きますが、エクササイズ強度は高く、トレーニング初心者や女性の方にはやや負荷の高いエクササイズです。このため、まずは30秒を3セット実施することから始めましょう。
サイドプランクに少し慣れたら、サイドプランクを20〜30秒間3セット実施します。
サイドプランクは、慣れてくると、脊柱起立筋および腹直筋の発達によりやや長い時間を実施することができるようになります。ただ、それでも、長時間を実施する必要はなく、少し時間を伸ばして20〜30秒間3セット実施しましょう。
上級者は、サイドプランクを60〜90秒間3セット実施します。
上級者は、サイドプランクを比較的長時間の60〜90秒間3セット実施しましょう。また、サイドプランクだけでは負荷はそこまで高くないため、その他の腹直筋や腹斜筋を鍛えることができる種目を実施しましょう。
サイドプランクを実施する上で最もネックとなるのは、正しい姿勢を作ることで、上半身を支える肘の角度は非常に重要です。このために、肘を身体の側面に対して90度に設定しましょう。肘が身体の側面に対して鋭角になっていると、身体を支えるために十分な力が入りません。また、肩周りに余分に刺激が入ってしまい、肩を怪我する危険性もあります。
サイドプランクは、「プランク」という名前がつくことから、その基本はプランクと同様であり、上半身から下半身までを一直線に設定して実施する必要があります。
サイドプランクでは、下半身が身体の正面側にくる傾向があるため、特に慣れないうちは鏡を見たり、第三者に見てもらいながらしっかりと上半身から下半身までを一直線にして設定できるようにしましょう。
サイドプランクでは、脇の角度により腕及び肩にかかる負荷が変化します。
サイドプランクでは、腕および肩の筋肉である三角筋、上腕三頭筋に負荷が入りはしますが、それはあくまでも副次的なものです。メインは、腹斜筋に刺激が入ることであり、そのためには三角筋や上腕三頭筋にできるだけ負荷が入らないで実施する必要があります。
そのためには、脇の角度を適切に設定するようにします。角度としては、約60度程度ですが、特に肩に負荷が入り難い角度を見つけて実施するようにしましょう。
サイドプランクでは、腕の向きにより腕及び肩にかかる負荷が変化します。
これは、前述した脇の角度と関係しますが、腕の向きを変えることで脇の角度を変えることができます。腕が内側に入るようになると、脇が開いたような状態になり、逆に腕が外側に開くようになると脇が閉まったような状態になります。いずれも、理想的なサイドプランクを実施する上ではいまいちな状態であり、以上の中間である、「腕が正面を向く」状態で実施するようにしましょう。
サイドプランクで片足を上げて実施すると、身体のバランスをよりとりにくくなるため、前鋸筋への負荷を高めることを期待できます。
脚を上げて実施するサイドプランクは足上げサイドプランクと呼ばれており、片足にかかる重さがより高まり、かつ、脚を上げている分だけ不安定になります。これをしっかりと支えるためには前鋸筋も十分に稼働させる必要があり、これにより前鋸筋への負荷を高めることを期待できます。
後述する「手を上げる」ことを組み合わせて実施するのも効果的です。
サイドプランクで片手を上げて実施すると、身体のバランスをよりとりにくくなるため、前鋸筋への負荷を高めることを期待できます。
教科書的なサイドプランクでは、手の位置は特に指定がありませんが、手は身体から離すことでより不安定になります。これをしっかりと支えるためには前鋸筋を十分に稼働させる必要があり、これにより前鋸筋への負荷を高めることを期待できます。
前述した「足を上げる」ことを組み合わせて実施するのも効果的です。
サイドプランクに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、サイドプランクで鍛える筋肉を鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でサイドプランクで鍛える筋肉の動きを意識するのおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
サイドプランクに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、特にサイドプランクでは息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ハイサイドプランクは、片側10秒3セットを実施します。
ハイサイドプランクは、実施するにあたり、体幹部及び腕の筋肉が必要です。そのため、男性と比較して腕の筋肉量が少ない女性の方はどうしても実施し辛いことが多く、その場合には、膝付きのサイドプランクから始めても全く問題ありません。負荷は比較的高いことから、まずは片側10秒3セットから実施するようにしましょう。
脇を締めることを意識するとバランスを崩しにくい。
どうしてもバランスが崩れてしまう場合には、脚をずらして配置する。
身体は一直線。
長い秒数をやりすぎないようにする。
ロッキングプランクは、まずは30-40秒を3セット実施しましょう。
ロッキングプランクは、通常のプランクに対して前後方向の動きが加わるだけであるため、エクササイズの負荷としてはプランクとは大きく変わりません。そのため、初心者でも比較的取り組みやすい種目であり、まずは30-40秒を3セット実施してみましょう。
ノーマルプランクの後に実施する。
身体は一直線に設定する。
身体を大きく動かそうとしない。
腕幅は肩幅。
手は強く握らない。
目線は正面。
ドルフィンプランクは、12〜15回を3セット実施しましょう。
ドルフィンプランクは、通常のプランクに対して動きを加えたエクササイズであり、プランクを十分に実施することができれば問題なく実施できるエクササイズです。そのため、標準的なトレーニングの推奨回数である12〜15回を3セット目安に実施しましょう。
ボトムポジションで身体は一直線にする。
腰の上げ下げする動きをしっかりコントロールする。
腰をしっかり上げる。
ゆっくり動かす。
ヘビーサイドプランクは、片側10秒3セットを実施します。
ヘビーサイドプランクは、基本的にはサイドプランクと同様ですが、片足を上げて実施することからよりバランスを取り辛くなることで負荷も高まります。このため、基本的には、サイドプランクをマスターした方向けの種目であり、そんな方でも最初は負荷は高いため、まずは片側10秒3セットを実施するようにしましょう。
身体は一直線に設定する。
脇の角度は90度。
お尻をやや上げるイメージを持つ。
身体を支える足の部分へ意識を高める。
長時間実施しないようにする。
スーパーマンプランクは、5〜10秒間を3セット実施します。
スーパーマンプランクは、通常のハイプランクに対して、上半身に対して腕を垂直に設定するのではなく、万歳した状態で実施するため、身体を支えることが非常に難しく、非常に負荷の高いプランクです。そのため、秒数としてはかなり少なめの5〜10秒間を3セット実施するようにしましょう。
目線は下。
負荷はかなり高い。
最初は5秒を目標に実施する。
インターバルをきちんと設定して実施する。
上半身から下半身まで一直線にする。
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