プランクは、実は立った状態でも実施することができます。今回は、立ったまま実施するプランクのやり方及びコツについてご紹介します。
立ったままプランクとは、立った状態で壁に寄りかかりながら実施するプランクであり、必ず壁を使うことから「ウォールプランク」とも呼ばれます。
通常プランクは床の上で実施し、上半身から下半身までを一直線に保つことで脊柱起立筋および腹直筋を鍛えます。
一方、立ったまま実施するプランクは壁に寄りかかった状態で身体を一直線に保つことから、通常のプランクよりも負荷が小さい種目です。
プランクは、初心者の方には意外と負荷の高いエクササイズであるため、筋トレ初心者の方や隙間時間で身体を鍛えたい方に立ったままプランクはおすすめです。
腹直筋とは、お腹の部分にある筋肉です。腹直筋と聞くと、なんとなく馴染みのない感じがしてしまいますが、所謂、我々が「腹筋」と呼ぶ筋肉は腹直筋を指します(厳密には、腹筋は、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋の総称であると想定されます)。
筋トレを少ししたことがある人ならば、「シックスパック」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、シックスパックとは特に腹直筋が身体の表面に浮き出た状態を指します(シックスパックは人によって様々な形をしており、エイトパックだったり、フォーパックだったりします)。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、腸肋筋、最長筋、棘筋からなり、背中の中央部を縦に背骨に沿うように走る背中の筋肉です。
脊柱起立筋は、背中の代表的な筋肉である広背筋や僧帽筋と比較すると小さい筋肉ですが、姿勢を維持する役割を果たしています。このため、脊柱起立筋は、身体が横になって寝た状態になっている場合以外、常に働いている筋肉です。
プランクは、体幹部を構成する筋肉である脊柱起立筋と腹直筋を鍛えることができるため、姿勢改善効果を期待できます。
プランクは上半身を支える腹筋と背筋を刺激し、かつ身体を真っ直ぐにする運動なので、姿勢改善が望めます。プランクを継続して実施することで、プランクを実施していないときでも身体を真っ直ぐにしようとする意識も働きます。
姿勢は座っているときに悪化しやすいので、「一日の大半をデスクワークをして過ごす」という方は、姿勢が悪くなっている可能性が大です。そんな方は、特にプランクによる姿勢改善の効果を非常に感じやすいと思います。
プランクは腹筋および背筋を鍛えるエクササイズであるため、腰回りのシェイプアップ効果が期待できます。プランクにより、お腹周りと背中周りの代謝が活発になるためです。
基本のプランクだけである程度のシェイプアップは可能ですが、基本のプランクは腹直筋という腹筋の正面にある筋肉及び背筋への寄与が高いため、さらに効果を上げたい場合にはサイドプランクなどで斜腹筋を鍛えるのがおすすめです。
プランクを実施することで各エクササイズのパフォーマンスの向上を期待できます。
これはずばりプランクが体幹トレーニングであるためです。体幹は文字通り「身体の幹となる部分」つまり身体を支える筋肉です。身体のどの部分も大元は体幹と直結していますから、体幹鍛えることで、他のエクササイズのパフォーマンスが向上します。
そのため、ジムに通っている方や日常的に運動をしている方は、エクササイズの前にウォーミングアップの一環としてプランクを取り入れることをおすすめします。
筋トレ初心者は、立ったままのプランクを30〜45秒間3セット実施します。
立ったまま実施するプランクは、通常のプランクと比較して、エクササイズ強度はかなり低いエクササイズです。このため、初心者のうちから比較的長い時間を実施することが期待でき、まずは30〜45秒間3セット実施することから始めましょう。
立ったままのプランクに少し慣れたら、立ったままのプランクを45〜60秒間3セット実施します。
立ったままのプランクは、慣れてくると、脊柱起立筋および腹直筋の発達によりやや長い時間を実施することができるようになります。ただ、それでも、長時間を実施する必要はなく、少し時間を伸ばして45〜60秒間3セット実施しましょう。
上級者は、立ったままのプランクを90〜120秒間3セット実施します。
上級者は、プランクを比較的長時間の90〜120秒間3セット実施しましょう。また、立ったままのプランクだけでは負荷はそこまで高くないため、その他の腹直筋や脊柱起立筋を鍛えることができる種目を実施しましょう。
プランクの基本は、上半身から下半身までを一直線にすることであり、これは立ったまま実施しても変わりません
立ったままプランクを実施しても、基本的に身体が落ちやすいところは一緒であり、上半身と下半身のほぼ間に相当する臀部です。立ったままのプランクは、通常のプランクとは異なり、臀部が落ちにくくはなっていますが、それでも、意識していないと自然と落ちてきてしまいます。
このことから、プランクを立って実施しても、上半身から下半身までを一直線にすることを意識する必要があります。
通常のプランクと同様に、立ったままのプランクで更に負荷を弱めるためには、腕を伸ばし状態で実施します。一方で、負荷を高めるためには、肘を曲げて肘と前腕で身体を支えるようにします。
このようにすると、身体を支えるために腕の力を使い難くなるため、脊柱起立筋及び腹直筋に対する負荷が増大します。ただし、通常のプランクとは異なり、壁によりかかった状態で、肘で身体を支えようとするのは中々難しいため注意しましょう。
立ったままのプランクは、床に対する角度を小さくするほど、通常のプランクに近づくため負荷が高まります。
立ったままのプランクは、床に対して角度をしっかりとつけるからこそ負荷が小さくなるエクササイズであることから、その逆に、角度を浅くすると負荷が高くなります。ただし、現実的に、床に対して角度を浅すぎるようにして立ったままのプランクを実施するのは不可能に近いため、そのような場合にはむしろ通常のプランクを実施するのをおすすめします。
立ったままのプランクは、両腕、両足で身体を支えています。このため、片足を浮かせた状態にすると、両腕と片足で身体を支えることになり、エクササイズ強度を高めることを期待できます。
ただし、片足を浮かせて実施すると、慣れていない場合にはかなり負荷が高くなったような感覚を感じる可能性が高いです。そのため、慣れてから実践するようにしましょう。
立ったままのプランクに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、プランクで鍛える筋肉を鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのプランクで鍛える筋肉の動きを意識するのおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
立ったままのプランクに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、特に立ったままのプランクでは息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
膝付きプランクは、立ったままプランクよりもやや負荷を高めることを期待できるためです。
膝付きプランクは、立って実施するプランクとほぼ同様の部位を鍛えることを期待でき、エクササイズがやや高い種目です。実際に実施する際には、立って実施するプランクをウォーミングアップ種目として実施し、膝付きプランクを本番種目として実施するようにしましょう。
膝付きプランクは、45〜60秒間3セット実施します。
膝付きプランクは、体幹及びトレーニングに必要な非常に基本的な筋肉をつけるために有効なエクササイズであり、トレーニング初心者や女性の方おすすめのエクササイズです。このため、まずは30秒を3セット実施することから始め、最終的には60秒を3セット実施することを目指しましょう。
上半身から下半身までを一直線にしてキープする。
脊柱起立筋により身体が曲がらないようにすることを意識する。
上半身は三角筋を使って支えることを意識する。
プランクは、立ったままプランクの応用種目であるためです。
プランクは、腹直筋全体を鍛えるためのエクササイズであり、エクササイズ強度はプランクの方が高いです。実際に実施する場合には、立って実施するプランクを先に実施し、プランクを本番種目として実施することで、腹直筋全体をバランス良く鍛えることを期待できます。
プランクは、45〜60秒間3セット実施します。
プランクは、体幹及びトレーニングに必要な非常に基本的な筋肉をつけるために有効なエクササイズですが、トレーニング初心者や女性の方にはやや負荷の高いエクササイズです。このため、まずは30秒を3セット実施することから始め、最終的には60秒を3セット実施することを目指しましょう。
上半身から下半身までを一直線にしてキープする。
脊柱起立筋により身体が曲がらないようにすることを意識する。
上半身は三角筋を使って支えることを意識する。
ヒップリフトは、立ったままプランクと同様に脊柱起立筋を鍛えることが期待できるためです。
ヒップリフトは、脊柱起立筋と大臀筋を鍛えるためのエクササイズであり、エクササイズ強度はヒップリフトの方が高いです。実際に実施する場合には、立って実施するプランクを先に実施し、ヒップリフトを本番種目として実施することで、脊柱起立筋を効率的に鍛えることを期待できます。
ヒップリフトは、12〜15回3セット実施するようにしましょう。
ヒップリフトは、前述した通り、そこまで負荷の高いエクササイズではないため、効果を高めるためにはフォームをしっかりと守って実施する必要があります。フォームをしっかりと守るために、やや回数が少ないと感じるかもしれませんが、12〜15回3セットをしっかりと実施するようにしましょう。
トップポジションで静止する。
お尻をゆっくり下げる。
お尻を上げる際に息を吐いて、お尻を下げるときに息を吸う。
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