ランジを実施していると、ふくらはぎが痛いと感じる場合があります。今回は、ランジを実施している中でふくらはぎが痛いと感じる原因と対策についてご紹介します。
ランジを実施する上で、動作の都合上、後ろ脚をつま先立ちにするため、どうしても筋肉痛になってしまう場合があります。
特に、この傾向が顕著であるのが筋トレ初心者の方であり、そのような方はふくらはぎの筋肉が十分に付いていないことが多いです。これを防ぐためには、まずはふくらはぎの筋肉を必要最低限付ける必要があります。
ふくらはぎの筋肉を付けるためにおすすめの種目は、カーフレイズであり、加重する必要はなく、自重の状態で30〜50回を3セット実施することがおすすめです。
筋トレ初心者ではないのにランジでふくらはぎが痛くなる場合には、足首周りの柔軟性が十分でない可能性があります。
足首の柔軟性が十分でないと、足首をしっかりと曲げるために、つま先に大きな力をかけることになります。つま先に力をかけるということは、自ずとふくらはぎに負荷が入るということになり、ふくらはぎに負担をかけることになります。
これを防ぐためには、足首周りの回旋運動をしっかりと行う必要があります。運動前はもちろんですが、お風呂上がりなどにもしっかりと回旋運動を実施して足首の柔軟性を高めましょう。
ランジを実施する際に、バックランジ、フロントランジの脚を出す方向によらず、基本は前脚の太もも主導で実施するのが基本のフォームです。
一方で、身体を下げようとする意識が働きすぎると、どうしても後ろの足を下げようとする意識が働きます。これは少しならば問題ありませんが、後ろ足が主導となって実施してしまうとどうしてもふくらはぎにかかる負担が増大してしまいます。
これを防ぐためには、前述した通り、あくまでも前足の太ももを主導で実施することを意識することであり、しっかりと太ももの筋肉に負荷を入れる意識を持ちましょう。
ランジを実施する際に、当たり前ですが、ふくらはぎを痛めながら実施するとふくらはぎが痛いと感じる原因になります。
ふくらはぎは、一度怪我をすると比較的再発しやすい部位であることから、無理は禁物です。
これを防ぐためには、ふくらはぎに異変を感じた場合には、下半身の運動の実施を控えることであり、場合によっては病院の受診も検討しましょう。
初心者は、ランジを片足10〜12回3セット実施します。
ランジは脚を前、もしくは後ろに出して実施するためバランスを取り難く、これにより、エクササイズ強度は高いものに分類することができます。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
ランジに少し慣れてきたら、ランジを片足12〜15回3セット実施します。
ランジは慣れてくると、筋肉が発達してくることも理由ですが、実施しているときにバランスをとりやすくなってきます。そのため、回数をやや増やしてもバランスが崩れにくくなるため、初心者のときよりも回数をやや増やして、片足12〜15回3セット実施するようにしましょう。
上級者の場合、ランジを実施する際には、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどで負荷を高めて実施するようにしましょう。
具体的には、自重でランジを片足12〜15回3セット実施することをウォーミングアップのセットとし、本番種目として、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどで荷重してエクササイズを行います。ここで、これらの負荷が高すぎるとフォームが崩れる原因となるため重量設定はシビアに行うようにしましょう。
ランジの中で最も基本的と言われているフロントランジを自重で実施する場合には、上半身は床に対して垂直に設定するのが望ましいとされています。これは、床に垂直に設定することで、身体を下げたときに上半身の体重が下半身に乗りやすくなり、負荷が高まるためです。
一方で、ダンベルを用いて実施する場合には、必ずしも床に対して上半身を垂直に設定する必要はありません。これは、ダンベルを持つとバランスが非常に崩れやすくなることが原因の一つです。ダンベルを用いてランジを実施する場合には、高重量を扱うことが目的とされているケースが多く、そのためには上半身をやや前傾にすることでバランスを取り、これにより、ランジの効果を高めることが期待できます。また、ダンベルを持った状態で前傾姿勢になると、ダンベルに身体が引っ張られるような状態になり、大臀筋、ハムストリングスが伸びた状態になります。これにより、これらの筋肉をより効率よく鍛えることが期待できます。ただし、前傾姿勢で実施する場合には、腰にどうしても負担がかかることには留意しましょう。
ランジに限らず、エクササイズのほぼ全ては、負荷の抜けない範囲で可動域を大きく設定することで負荷を高めることが期待できます。ランジでは、踏み込んだ脚に重心を乗せて、その状態で身体を下げるようにして実施し、このときにできるだけ身体を深く下げることで負荷を高めることが期待できます。これは、自重で実施する際はもちろんですが、ダンベルやバーベル、スミスマシンで加重して実施する場合に特に重要になり、しっかりと可動域を取れる範囲内で荷重することが重要です。
一方で、身体を深く下げると、重心が乗っていない方の脚の膝が床に付く可能性が出てきます。膝が床についてしまうと、負荷が逃げる原因になるだけではなく、勢いよくぶつけてしまうと怪我の原因にもなるため注意が必要です。
前述した通り、ランジの負荷を高めるために可動域を大きく設定することが必要です。そのためには、脚を大きく前に踏み出すことでそれが達成されますが、前に踏み出しすぎると戻るのも大変になり、最悪戻れなくなることもあります。戻れない場合には、一度、ランジの状態を解き、後ろの脚を持ってきてニュートラル状態になってから再びランジを実施する必要があるため、ランジの負荷が一旦完全に0になります。エクササイズの基本として、運動中には常に負荷が入っていることが前提であるため、一旦ニュートラルの状態になることは望ましくなく、そのためには、脚を大きく踏み出しすぎることも推奨されません。そのため、後ろにある脚の膝が床に接触するかしないかのポジションを予め決めて足を前に出しすぎないようにする必要があります。
ランジを実施する上で、手の位置は負荷の大きさを決定する上で意外と重要です。ランジを実施するときの手の位置は
胸の前で両手を握る
腰に手を当てる
前に出す太ももの上に置く
ぶらーんと手を下ろす
など、いくつかのパターンが見受けられますが、この中で「太ももの上に置く」ということは推奨されません。その理由として、太ももの上に置いた場合、置いた手が衝立のようになり、上半身の荷重を支えてしまうためです。ランジはあくまでも上半身の重量を太ももで受け切る必要があり、そのためには前に出した太ももの上に手を置いてしまうのは逆効果です。そのため、基本的には、ランジを実施する際の手は、「太ももの上」以外の場所に設定するようにしましょう。
ただし、ランジを実施している際に、限界を迎えてからのフォースドレップ (補助をしながら限界を超えてエクササイズを行うこと)を実施する場合にはこの限りではなく、手は太ももの前に置いても問題ありません。
ランジは、ボトムポジジョンで最も負荷が高くなるエクササイズであり、ボトムポジションでしっかり体重を受け切ることで最大の効果を発揮することができます。キツくなっても一瞬ボトムポジションで静止することを意識することが重要です。
トレーニングにおける「ボトムポジション」とは、身体が一番低い状態にあることを指します。スクワットではしゃがんだ状態です。多くは筋肉がピンっと張った状態です。反対に「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。その間を「ミッドレンジ」と言います。
また、ボトムポジションは動作を切り返す点でもあり、負荷が抜けやすいところであるとも言われています。そのため、ボトムポジションは負荷が抜けないように丁寧に意識する必要があることから、「ボトムポジションで一瞬静止する」というテクニックは非常に有効です。
ランジは、ダンベル、バーベル、スミスマシンを併用して実施することができます。負荷の大きさは、負荷の小さいものからスミスマシンランジ、ダンベルランジ、バーベルランジです。
スミスマシンランジは、軌道が固定化されているため、非常に負荷をかけやすいのが特徴です。「スミスマシンを使用する」ということ自体は比較的障壁が高いですが、エクササイズ効率は非常に高く、おすすめの種目です。
ダンベルランジは、両手でダンベルを持ってランジを行うため、比較的バランスを取りやすいのが特徴です。ただし、スミスマシンとは異なり軌道が固定化されているわけではないため、フォームが崩れやすく、高重量を扱いすぎないことがポイントです。
バーベルランジは、バーベルを背負って実施するランジであり、バランスを取り辛く、負荷が大きいという点が特徴です。バーベルランジは、そのエクササイズの特性上、スクワットを実施するパワーラックやスクワットラックで非常に実施し辛く、かといって、ウォーキングランジで扱うにも安全面で課題があります。
以上から、基本的には、ランジで負荷を高めようとした場合には、ダンベル、スミスマシンを使用するのがおすすめです。
脚を鍛えるエクササイズ、特に、スクワットでよく言われるテクニックの一つとして「膝はつま先より前に出さない」というものがありますが、これは、ランジでも同様に必ずしも正しいわけではありません。膝をつま先より出さないと、動きが非常に窮屈になり、負荷を扱い辛くなります。基本的に、スクワットもランジも大きな負荷を扱うことでターゲットとなる部位に刺激を与えるエクササイズであることから、むしろダイナミックに実施する方が重要です。このことから、「膝はつま先より前に出さない」ということをそこまで意識する必要はなく、あくまでも自然な形でできる範囲で実施しましょう。
ランジに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、ランジで鍛えている部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの筋肉の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ランジに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ランジに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。ランジでは、身体を下げるときに息を吐き、戻すときに息を吸います。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
レッグエクステンションは、12〜15回を3セット実施します。
レッグエクステンションは、重量を扱うこともできますが、基本的には回数をやや多めに設定して実施できるくらいの重量設定で実施する方がエクササイズ強度を十分に高めることが期待できます。そのため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定である12〜15回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
基本はつま先を立てる。
腸腰筋の動きを意識する。
エクササイズ中に大腿四頭筋の動きを意識する。
マシンによる特徴が大きく、負荷の感じ方が大きく異なる。
ワイドスクワットは、12〜15回を3セット実施します。
スクワットと同様に、ワイドスクワットも自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要です。また、ワイドスクワットは、股関節周りを動かすトレーニングであることから、高回数で実施すると怪我をする原因となるため注意が必要です。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
身体を下げすぎない。
背中をできるだけ倒さない。
臀部の動きを意識する。
シシースクワットは、5〜8回を3セット実施するようにしましょう。
シシースクワットは、自重で実施するスクワットとしては非常に負荷の高いエクササイズですが、比較的無理が効くエクササイズです。負荷が高いからこそ、まずは5〜8回を3セット実施するようにしましょう。
トップポジションで膝をロックしない。
背中を張ったまま実施。
膝をしっかり前に出す(シシースクワット台を使用しない場合)。
パッドの位置が低くなると負荷は高くなる(シシースクワット台を使用する場合)。
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