ランジを実施していると、膝が痛いと感じる場合があります。今回は、ランジを実施している中で膝が痛いと感じる原因と対策についてご紹介します。
ランジに限らず、一般的に膝痛が発症する原因の一つとして股関節の柔軟性が十分でないことが挙げられます。
股関節と膝は離れた部分であることから、直感的には股関節と膝痛の有無の関係性を紐づけるのは中々難しいですが、股関節の柔軟性が不足しているとその可動域を膝が負担することになり、膝を痛める原因になると考えるとわかりやすいです。
このため、ランジで膝が痛くなる場合には、そもそも股関節の柔軟性が十分でない可能性も考えられます。
この場合には、ランジの前に股関節のストレッチをしっかりすることに加えて、特にお風呂上がりなどに股関節を伸ばす柔軟運動を実施するようにしましょう。
ランジに限らず、一般的に、大腿四頭筋とハムストリングスは膝痛予防に対して重要な役割があります。
まず、大腿四頭筋は膝周りの筋肉でもあることから、膝を安定化させるという役割があります。これにより、膝がおかしな方向に向いて力がかかることを防ぎます。
次に、ハムストリングスは、膝が曲がる動作の補助をします。これにより、正しい動作で膝を動かすことが可能となります。
これらの何れかの筋肉が不足していると、膝を曲げ伸ばしするときに余計な負担がかかる可能性が高まり、結果といsて膝を痛める可能性が高くなります。
これを防ぐためには、両者の筋肉を鍛えることが重要です。特に発達が遅れがちなのがハムストリングスです。ハムストリングスを効果的に鍛えるためには、例えば、ワイドスクワットなどがおすすめであり、12〜15回3セットを目安に実施するようにしましょう。
ランジを実施する際に、ランジは基本的には自重トレーニングであることから、負荷は自身の体重によるものとなります。言い換えれば、ランジで膝が痛くなるのは、膝が自身の体重をうまく支えることができていないということであり、場合によっては体重が重すぎることも考える必要があります。
この場合には、まずはランジなどの無酸素運動ではなく、食事制限と有酸素運動を組み合わせてダイエットをする必要があります。これに合わせて、背中などの比較的が大きい部位を鍛える筋トレを実施すれば、効率的に体重を減らすことを期待できます。
ランジを実施する際に、膝の向きは身体を支える上で非常に重要です。
ランジを実施している際に、膝が内側に入ってしまうと、膝部分で捻れたような状態になるため膝痛を発生しやすい上になります。慣れていると、ランジで膝が内側に入ってしまうことはほとんどありませんが、きんとれ 初心者の方や、大腿四頭筋が十分に発達していない方はこのようなフォームを取りがちです。
これを防ぐためには、膝が常に身体の正面を向くように意識する必要があります。場合によっては、膝の内側に壁があるような意識を持ちながら実施するのも良い方法です。
ランジを実施する際に、当たり前ですが、膝を痛めながら実施するとふくらはぎが痛いと感じる原因になります。
膝は一度怪我をすると、完全に回復するのは難しい部位であることから、無理は禁物です。
これを防ぐためには、膝に異変を感じた場合には、下半身の運動の実施を控えることであり、場合によっては病院の受診も検討しましょう。
初心者は、ランジを片足10〜12回3セット実施します。
ランジは脚を前、もしくは後ろに出して実施するためバランスを取り難く、これにより、エクササイズ強度は高いものに分類することができます。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
ランジに少し慣れてきたら、ランジを片足12〜15回3セット実施します。
ランジは慣れてくると、筋肉が発達してくることも理由ですが、実施しているときにバランスをとりやすくなってきます。そのため、回数をやや増やしてもバランスが崩れにくくなるため、初心者のときよりも回数をやや増やして、片足12〜15回3セット実施するようにしましょう。
上級者の場合、ランジを実施する際には、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどで負荷を高めて実施するようにしましょう。
具体的には、自重でランジを片足12〜15回3セット実施することをウォーミングアップのセットとし、本番種目として、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどで荷重してエクササイズを行います。ここで、これらの負荷が高すぎるとフォームが崩れる原因となるため重量設定はシビアに行うようにしましょう。
ランジの中で最も基本的と言われているフロントランジを自重で実施する場合には、上半身は床に対して垂直に設定するのが望ましいとされています。これは、床に垂直に設定することで、身体を下げたときに上半身の体重が下半身に乗りやすくなり、負荷が高まるためです。
一方で、ダンベルを用いて実施する場合には、必ずしも床に対して上半身を垂直に設定する必要はありません。これは、ダンベルを持つとバランスが非常に崩れやすくなることが原因の一つです。ダンベルを用いてランジを実施する場合には、高重量を扱うことが目的とされているケースが多く、そのためには上半身をやや前傾にすることでバランスを取り、これにより、ランジの効果を高めることが期待できます。また、ダンベルを持った状態で前傾姿勢になると、ダンベルに身体が引っ張られるような状態になり、大臀筋、ハムストリングスが伸びた状態になります。これにより、これらの筋肉をより効率よく鍛えることが期待できます。ただし、前傾姿勢で実施する場合には、腰にどうしても負担がかかることには留意しましょう。
ランジに限らず、エクササイズのほぼ全ては、負荷の抜けない範囲で可動域を大きく設定することで負荷を高めることが期待できます。ランジでは、踏み込んだ脚に重心を乗せて、その状態で身体を下げるようにして実施し、このときにできるだけ身体を深く下げることで負荷を高めることが期待できます。これは、自重で実施する際はもちろんですが、ダンベルやバーベル、スミスマシンで加重して実施する場合に特に重要になり、しっかりと可動域を取れる範囲内で荷重することが重要です。
一方で、身体を深く下げると、重心が乗っていない方の脚の膝が床に付く可能性が出てきます。膝が床についてしまうと、負荷が逃げる原因になるだけではなく、勢いよくぶつけてしまうと怪我の原因にもなるため注意が必要です。
前述した通り、ランジの負荷を高めるために可動域を大きく設定することが必要です。そのためには、脚を大きく前に踏み出すことでそれが達成されますが、前に踏み出しすぎると戻るのも大変になり、最悪戻れなくなることもあります。戻れない場合には、一度、ランジの状態を解き、後ろの脚を持ってきてニュートラル状態になってから再びランジを実施する必要があるため、ランジの負荷が一旦完全に0になります。エクササイズの基本として、運動中には常に負荷が入っていることが前提であるため、一旦ニュートラルの状態になることは望ましくなく、そのためには、脚を大きく踏み出しすぎることも推奨されません。そのため、後ろにある脚の膝が床に接触するかしないかのポジションを予め決めて足を前に出しすぎないようにする必要があります。
ランジを実施する上で、手の位置は負荷の大きさを決定する上で意外と重要です。ランジを実施するときの手の位置は
胸の前で両手を握る
腰に手を当てる
前に出す太ももの上に置く
ぶらーんと手を下ろす
など、いくつかのパターンが見受けられますが、この中で「太ももの上に置く」ということは推奨されません。その理由として、太ももの上に置いた場合、置いた手が衝立のようになり、上半身の荷重を支えてしまうためです。ランジはあくまでも上半身の重量を太ももで受け切る必要があり、そのためには前に出した太ももの上に手を置いてしまうのは逆効果です。そのため、基本的には、ランジを実施する際の手は、「太ももの上」以外の場所に設定するようにしましょう。
ただし、ランジを実施している際に、限界を迎えてからのフォースドレップ (補助をしながら限界を超えてエクササイズを行うこと)を実施する場合にはこの限りではなく、手は太ももの前に置いても問題ありません。
ランジは、ボトムポジジョンで最も負荷が高くなるエクササイズであり、ボトムポジションでしっかり体重を受け切ることで最大の効果を発揮することができます。キツくなっても一瞬ボトムポジションで静止することを意識することが重要です。
トレーニングにおける「ボトムポジション」とは、身体が一番低い状態にあることを指します。スクワットではしゃがんだ状態です。多くは筋肉がピンっと張った状態です。反対に「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。その間を「ミッドレンジ」といいます。
また、ボトムポジションは動作を切り返す点でもあり、負荷が抜けやすいところであるとも言われています。そのため、ボトムポジションは負荷が抜けないように丁寧に意識する必要があることから、「ボトムポジションで一瞬静止する」というテクニックは非常に有効です。
ランジは、ダンベル、バーベル、スミスマシンを併用して実施することができます。負荷の大きさは、負荷の小さいものからスミスマシンランジ、ダンベルランジ、バーベルランジです。
スミスマシンランジは、軌道が固定化されているため、非常に負荷をかけやすいのが特徴です。「スミスマシンを使用する」ということ自体は比較的障壁が高いですが、エクササイズ効率は非常に高く、おすすめの種目です。
ダンベルランジは、両手でダンベルを持ってランジを行うため、比較的バランスを取りやすいのが特徴です。ただし、スミスマシンとは異なり軌道が固定化されているわけではないため、フォームが崩れやすく、高重量を扱いすぎないことがポイントです。
バーベルランジは、バーベルを背負って実施するランジであり、バランスを取り辛く、負荷が大きいという点が特徴です。バーベルランジは、そのエクササイズの特性上、スクワットを実施するパワーラックやスクワットラックで非常に実施し辛く、かといって、ウォーキングランジで扱うにも安全面で課題があります。
以上から、基本的には、ランジで負荷を高めようとした場合には、ダンベル、スミスマシンを使用するのがおすすめです。
脚を鍛えるエクササイズ、特に、スクワットでよく言われるテクニックの一つとして「膝はつま先より前に出さない」というものがありますが、これは、ランジでも同様に必ずしも正しいわけではありません。膝をつま先より出さないと、動きが非常に窮屈になり、負荷を扱い辛くなります。基本的に、スクワットもランジも大きな負荷を扱うことでターゲットとなる部位に刺激を与えるエクササイズであることから、むしろダイナミックに実施する方が重要です。このことから、「膝はつま先より前に出さない」ということをそこまで意識する必要はなく、あくまでも自然な形でできる範囲で実施しましょう。
ランジに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、ランジで鍛えている部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの筋肉の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ランジに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ランジに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。ランジでは、身体を下げるときに息を吐き、戻すときに息を吸います。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
インナーサイは、12〜15回を3セット実施します。
インナーサイは、可動域を広く設定して、回数をやや多めに設定して実施できるくらいの重量設定で実施する方がエクササイズ強度を十分に高めることが期待できます。そのため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定である12〜15回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
後述するアウターサイと合わせて実施するのがおすすめです。
重量設定を重すぎないようにする。
可動域を大きく設定する。
ボトムポジションで静止する。
トップポジションで静止する。
アウターサイは、12〜15回を3セット実施します。
アウターサイは、可動域を広く設定して、回数をやや多めに設定して実施できるくらいの重量設定で実施する方がエクササイズ強度を十分に高めることが期待できます。そのため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定である12〜15回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
前述したインナーサイと合わせて実施するのがおすすめです。
重量設定を重すぎないようにする。
可動域を大きく設定する。
ボトムポジションで静止する。
トップポジションで静止する。
バックキックは、まずは片足12〜15回を両足で3セット実施しましょう。
バックキックは自重(自分自身の体重の重さ)のみで行う場合、臀部及びハムストリングスには自身の脚の重量のみしか負荷がかかりません。このため負荷としてはそこまで高くないので、フォームをしっかりと守って実施する必要があります。そのため、回数は少ないかもしれませんが、片足12〜15回を両足で3セットをしっかり実施するようにしましょう。
脚はできるだけ高く。
アンクルウェイトの使用。
トップポジションで静止する。
チューブを使う。
マシンを使う。
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