ファーマーズウォークは、あまり実施されていませんが、重量物を持って歩くという単純なエクササイズでエクササイズ強度は比較的高いです。今回は、ファーマーズウォークのやり方及びコツをご紹介します。
ファーマーズウォークは、「farmers walk」、つまり、「農民の歩行」を意味します。これは、ファマーズウォークという種目自体が農民が重たいものを運ぶときの動作に由来しているためであり、その種目の特徴を端的に表しています。
ファーマーズウォークは、トレーニングメニューとしてはそこまで一般的ではありません。むしろ、力持ちを決める「ストロングマン」というスポーツでの種目として採用されていることから、ダイエットや筋肥大を目的にトレーニングを行っている人にとってはそこまで一般的ではありません。しかし、もちろん、ストロングマンで実施するような重量でやる必要はなく、後述するように、重りを両手に持って歩くだけのエクササイズであることから、女性やトレーニング初心者の方にも是非とも取り入れて欲しいエクササイズです。
ファーマーズウォークで最も重要な動作は、「重りを持つ」という動作です。これは、多くの人が経験したことがあるかと思いますが、例えば、買い物に行って買い物袋を長時間持つときに、多くの人は左右の手で交互に買い物袋を持ちます。これは、長時間、買い物袋を持つと握力が限界を迎えてしまうためであり、だからこそ、左右の手で交互に買い物袋を持つという動作を行います。ファーマーズウォークでは、両手にダンベルやケトルベル(持ち手がある丸い重量物)を持って歩行することで、まるで「買い物をしているときの状態」を作り出します。一般的な買い物のときとは異なり、両手が塞がっている状態、持っているものが重量物であることから、握力を限界まで鍛えることを期待できます。
握力を鍛えるということは前腕を鍛えるということになります。前腕を鍛えると、その他のエクササイズでダンベルなどを把持する能力を向上させることができ、より高重量のダンベル、バーベルなどが使えるようになるため、トレーニング効率が向上します。その一方で、前腕を鍛え過ぎると前腕が太くなる恐れがあるため、「前腕を太くしたくない」という方は注意する必要があります。
ファーマーズウォークでは、「歩行」という動作を行います。このことから、ファーマーズウォークは、前述したように握力を鍛えるという側面があることに加えて、有酸素運動のような側面があると言えます。通常の歩行と比較して、両手に重量物を持っていることから、歩行する際に動かす身体の重量が増大し、これにより消費カロリーが増大するためダイエット効果を期待できます。
一方で、ダイエット目的でファーマーズウォークを実施する場合には、ファーマーズウォークの特徴を良く理解しておく必要があります。すなわち、ファーマーズウォークは前述したように、重量物を両手に持っていることから、長時間の運動を実施することは困難です。その一方で、長時間実施できるほどの重量物を持って実施すると、ファーマーズウォークとして実施する意味がなくなります。このことから、ファーマーズウォークをダイエット目的で実施する場合には、セット数を多めにして、トータルで8-10セット程度行うようにしましょう。
ファーマーズウォークでは、前述したように、重量物を持って歩行をしてエクササイズを行います。人間は、重量物を持つ際に、腰への負担を少なくしようとしてできるだけ背筋を張ろうとすることを意識します(背筋を張らないで重量物を持つと、上半身と下半身の付け根である腰に大きな負担がかかり、これにより腰を痛める可能性が発生します)。これにより、背筋を張ろうとする筋肉である脊柱起立筋を鍛えることが期待でき、結果として姿勢の改善を期待できます。
ファーマーズウォークを実施する際に、基本的には、重量物を床から引き上げるという動作が必ず発生します。この動作をする際にも、背筋を曲げるのではなく、背筋をしっかりと張ったまま重量物を持ち上げる必要があります(これは、床からダンベルやバーベルなどを引いてエクササイズを行う背中のエクササイズに共通しており、これを実施しないと高確率で腰を怪我します)。
ファーマーズウォークは、45〜60秒の歩行を3-5セット行います。
ファーマーズウォークは、扱う重量にもよりますが、負荷はそこまで高くないエクササイズです。有酸素運動の効果もかねていることから、握力を鍛えるための重量と、数十秒間実施できる重量との均衡する重量を見つけて実施することが重要であり、その状態で45-60秒で3-5セット行うようにしましょう。
ファーマーズウォークがストロングマンの種目であるということを考えると、かなりの高重量を扱う種目であると思うかもしれません。しかし、握力を鍛えようと考えた場合、そもそも、握力は高重量を扱って鍛えるのに適している部位ではありません。むしろ、重量が軽いくらいでしつこく刺激することで握力は強くなる傾向があります。ファーマーズウォークでは、確かに、扱う重量を上げるほど歩行する際の消費カロリーが増大し、これによりダイエット効果が高まります。しかし、高重量を持つと、後述するコツの一つである「長い時間歩く」ということを実践することが困難になるため、やや重量が軽過ぎるくらいで実施するようにしましょう(一方で、重量を軽くし過ぎると今度は普通の歩行と変わらなくなるため、ファーマーズウォークでの重量設定は中々難しいです)。
ファーマーズウォークは、筋肉を鍛える種目と、ダイエット効果を期待する種目であるという2つの側面があります。ファーマーズウォークで鍛えることができる主な筋肉は、前述した通り、握力、すなわち前腕の筋肉であり、これは鍛える上で高回数のエクササイズを実施すると鍛えやすいです。言い換えれば、「前腕を刺激する時間を長くする必要がある」ということが言え、このことからできるだけ長い時間歩く必要があると言えます。また、ファーマーズウォークをダイエット目的で実施する場合、有酸素運動ではできるだけ長い時間運動を行う必要があります。このため、ダイエット目的で実施する場合でもできるだけ長い時間歩く必要があると言えます。以上から、いずれの目的で実施しても、ファーマーズウォークではできるだけ長い時間歩く必要があると言えます。
ファーマーズウォークでは、重量物を扱っているということを常に意識する必要があります。つまり、重量物を支える際には背中を必ず張る必要があるということであり、これをしないと前述した通り怪我の原因となります。これは、重量物を床から持ち上げる際にも同様であり、ファーマーズウォークで歩行を開始する前からきちんと意識する必要があります。特に、ファーマーズウォークに慣れてくると、どうしてもこの意識が希薄になり、また、重量を扱おうとするため腰を痛める可能性が高くなります。ファーマーズウォークに慣れてもしっかりと背中を張ることを意識するようにしましょう。
ファーマーズウォークはかなり危険なエクササイズです。まず、前述した通り、腰に負担のかかりやすいエクササイズです。このため、腰に少しでも違和感を感じた場合には、エクササイズをすぐに中止するようにしましょう。また、ダンベルを持って歩行するため、誤ってダンベルを床に落とす可能性があります。特に、歩行をしていると、歩行ばかりに意識が行き、物を持っているという意識が希薄になることがあります。また、無理をしてできるだけ長い時間実施しようとすることで握力が先に限界がきて、ダンベルを脚に落としてしまう可能性があります。このため、ファーマーズウォークは危険なエクササイズであるということを念頭において、安全第一で実施するようにしましょう。
IVANKO(イヴァンコ)のクロームダンベルは、トレーニングジムにも置いてある非常に本格的なダンベルです。
イヴァンコは、プレートやダンベルのメーカーとして非常に有名であり、高品質の製品を販売しています。そのため、値段は少々張りますが、表面が錆びにくく長く使えることから長期的な投資と考えれば、そこまで高くはないかと思います。
ダンベルの種類としては固定式です。また、表面にクロームがメッキされていることから外見も美しく、自宅に置いておいてもあまり不自然ではありません。ただし、本格的にトレーニングを行うためには複数種類のダンベルを揃える必要があるという点はデメリットです。
FLEXBELL(フレックスベル)のアジャスタダンベルは、可変式のダンベルとしては非常に一般的な製品です。
ダンベルの種類は可変式です。
本製品はダンベル1つで重さをダンベルの使用範囲内なら即座に切り替えることができるというものです。可変式ダンベルのブランドの中で、FLEXBELLの製品は比較的有名であり、品質も安定しています。
1つのダンベルで、複数の重さを設定できることからダンベルとしては値段が少々高めではありますが、複数のダンベルを何個も買うことと比較すればお得です。ただし、見た目は少々ゴツいため、自宅に置くのが少々憚られるというのはデメリットです。
PROIRONのダンベルはスポーツクラブでよく見る製品です。
ダンベルの種類は固定式です。
本製品の特徴ですが、ダンベルがラバーで覆われているため、フローリングの上にうっかり落としてしまっても床が傷つきにくいというメリットがあります。値段も上の2つの製品と比較して非常に良心的な料金設定であり、ダンベルを使ってみたいという方にオススメできる製品になります。
ただし、ラバー部分は使っていると切れて見栄えが悪くなるため、そこはデメリットです。そうなった場合には新しい物を購入するようにしましょう。
プランクは、2の動作を45〜60秒間3セット実施します。
プランクは、体幹及びトレーニングに必要な非常に基本的な筋肉をつけるために有効なエクササイズですが、トレーニング初心者や女性の方にはやや負荷の高いエクササイズです。このため、まずは30秒を3セット実施することから始め、最終的には60秒を3セット実施することを目指しましょう。
上半身から下半身までを一直線にしてキープする。
脊柱起立筋により身体が曲がらないようにすることを意識する。
上半身は三角筋を使って支えることを意識する。
シットアップは、8〜10回を3セット実施します。
シットアップは、正確に実施すると比較的負荷の高い腹直筋のエクササイズであることに加えて、回数を多く実施しすぎると腰痛の原因になります。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数としてはやや少なめの8〜10回を3セットを目標に実施しましょう。
常に腹直筋に刺激が入っていることを意識する。
上半身を上げすぎない。
上半身を下げすぎない。
上半身を上げるときに息を吐く。
ボトムポジションで反動を使わない。
トップポジションで顎を前に出すように。
スクワットは12〜15回3セットを目安に実施します。
スワットというエクササイズ自体は比較的負荷の高いエクササイズですが、自重で実施するスクワットはバーベルなどを用いて行うスクワットと比較して負荷をかなり低減することが期待できます。このため、一般的なトレーニングで推奨とされている回数である12〜15回を目安に実施するようにしましょう。
トップポジションで膝をロックしない。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
ファーマーズウォークと一緒に実施する場合には腹圧をしっかりかけることを意識する。
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