通常のプランクと逆向きで実施するリバースプランク。通常のリバースプランクは肘付きで実施します。負荷がかかる部位はノーマルプランクと同じですが、背筋により刺激が入るのが特徴です。今回はリバースプランクの効果的なやり方を解説していきます。
リバースプランクは英語で「reverse plank」で「逆のプランク」を意味する種目です。通常のプランクはいわば、うつ伏せで実施するプランクですが、リバースプランクはこの逆で実施することから、仰向けで肘を付けて実施する種目を指します(ちなみに、肘を付けずに仰向けで実施するプランクは「ハイリバースプランク」です。リバースプランク=ハイリバースプランクだと思われていることが多いですが、別の種目です)。この動作の特性上、「仰向けプランク」「逆プランク」「ローリバースプランク」ともいわれることがあります。
リバースプランクは、通常のプランクと同様に静的な種目です。このため、リバースプランクは動的な種目ではないことから、実施することで劇的な筋肉の発達が見込めるわけではあありません。
ただ、通常のプランクと比較するとエクササイズ強度、難易度、いずれもかなり高く、リバースプランクは「プランク」という名前が付いてはいますが、初心者向けの種目ではありません。
リバースプランクで鍛えられる部位は、背筋です。具体的には、身体の中で最も面積が大きいといわれている広背筋(こうはいきん)です。背中から腕へと繋がっており、開いている腕を閉じたり、後ろに挙げるときに動きます。
通常のプランクではまず腹筋に負荷がかかるのに対して、リバースプランクではまず背筋に負荷がかかかるため、背筋を鍛えるために有効な種目であるといえます。
背筋運動は稼働範囲が狭く、「効いているのか良く分からない」と感じる人が多い種目でもあります。その点、リバースプランクの場合は数十秒間常に背筋を張っている状態をキープするため、通常の背筋運動と比較して効果を感じやすいというメリットがあります。
また、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)も鍛えることができます。脊柱起立筋は背骨に沿ってついている筋肉です。
広背筋と脊柱起立筋が鍛えられることで、背筋が伸びるので猫背や巻き肩が改善します。姿勢改善の効果もあります。基本的に姿勢が悪いのは、身体のバランスが崩れていたり、姿勢を保つための腹筋と背筋が弱くなっていることが考えられるため、リバースプランクは姿勢の改善に一役買うといってもよいでしょう。
リバースプランクでは、腹筋も鍛えることができます。具体的には腹横筋(ふくおうきん)です。腹横筋は、お腹まわりを包むようについている筋肉で、わかりやすくいうとコルセットのような役割を果たしている筋肉です。鍛えることでお腹周りのシェイプアップの効果があります。
通常の腹筋運動は動的なトレーニングであるため、どうしても上体を上げたときと下げたときで負荷が抜けやすく、効率よく腹筋に刺激が入らないケースが多いですが、リバースプランクは静的なトレーニングであり、同一のポーズを数十秒間取り続けますから、負荷が抜けにくいというメリットがあります。
ただし、負荷自体は小さいので、リバースプランクだけでシックスパックのように腹筋をバキバキに鍛えられるということはありません。腹筋は刺激をあたえることが大切なので、リバースプランクだけではなく様々な腹筋運動と組み合わせましょう。
背筋・腹筋を鍛えることで腰痛になりづらい身体を目指せます。逆をいえば、プランクによって腰痛になってしまう場合もあります。正しいフォームで実施することを心がけましょう。痛みがある場合は直ちに運動を停止しましょう。
リバースプランクは腕の筋肉を使って上半身を支えるため、腕の筋肉も鍛えることができます。
具体的には上腕三頭筋です。上腕三頭筋は、腕を伸ばしたときに浮き出る上腕の後ろ側にある筋肉です。
上腕三頭筋が鍛えられると、二の腕周りに筋肉をつけることができます。腕立て伏せなどの筋トレが難しい女性も気軽に二の腕をシュッと引き締めることができます。
リバースプランクで鍛えられる太ももの筋肉は、ハムストリングスです。太ももの裏側にある大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3つの筋肉を総称してハムストリングスといいます。
ハムストリングスが弱いと、太ももがたるんでしまう原因になります。ハムストリングスが鍛えられることで、引き締まったメリハリのある太ももになります。
リバースプランクでは、大臀筋(だいでんきん)も鍛えることができます。大臀筋とは、臀部(でんぶ)つまりお尻の筋肉のことです。
プランクはお尻に意識を置くことで、効果向上が期待できます。その結果、自然とお尻に力が入り、お尻を鍛えることに繋がるため、いわゆる「美尻」に近づくことができます。
ただし、お尻も腹筋と背筋と同様に、プランクでお尻に意識をおいたからと言って「美尻」が手に入るわけではありません。プランクは、あくまでも補助運動であり、「美尻」を手に入れたいのならば、ヒップスラストに代表されるお尻のトレーニングを並行して行う必要があります。
プランクは、代謝を上げることができるトレーニングです。代謝が上がると、体温が上がって脂肪を燃焼させやすくなり、人によってはプランクだけで体重が落ちる人もいます。
そのため、特にジムに通っている方は、エクササイズの前にウォーミングアップの一環としてプランクを取り入れると非常に有効的です。
まずは、30秒×3セットを目安に実施しましょう。負荷に慣れてきたら、少しずつ秒数を増やし、最終的には30-45秒程度実施します。
長くても1分やれば十分で、それ以上やるなら他のエクササイズと組み合わせた方が効果的です。
セットとセットの間のインターバルは30秒がベストです。
ただし、リバースプランクは大変負荷の高いので、実施しているときに肩周りに少しの違和感がでたらすぐに止めて、休憩するようにしましょう。
上半身から下半身まで一直線になるようにするのがポイントです。そもそも肘でしかも仰向けの状態で身体を維持するというのはかなり難しいため、腰から落ちやすいのですが、NGフォームです。
首も一直線になるように設定しましょう。首を真っ直ぐに維持することが最も負荷がかかるため効果的です。腹筋を鍛えたい場合は、おへそを見るように目線を設定するフォームもあります。鍛えたい箇所を意識することでより効果的に鍛えることができます。ただし、首への負担が大きくなるので初心者にはおすすめしません。
足首はピンッとし、角度は180度(真っ直ぐ)にすると太ももに刺激が入りやすくなります。プランクはそもそも太ももにあまり刺激が入らない種目なので、少しでも意識できるとベターです。足首を90度に設定してしまうと床と接する表面積が狭くなり、かかとを痛める原因にもなるので注意しましょう。
脚幅は基本的には、腰幅かそれよりも狭い位に設定することが推奨されています。腕の幅も肩幅に設定して床につけるようにすると、身体を安定的にしっかり支えることができます。広げすぎてしまうと腰から落ちやすく、身体を一直線に保てなくなってしまいます。
肘で体重を支えるため、フローリングの床などで実施するとどうしても肘が痛くなってしまいます。実施する際には、肘の下に座布団やマットなどの緩衝材を敷きましょう。
プランクは手は握った状態でやることが多いです。手をグーの状態にすると、腕に力が入り身体を支えやすくなります。ただし、強く握りすぎると力が入りすぎて腕や肩に余計な刺激が入り、痛みを感じる原因になってしまいます。
手をパーの状態にして床を触れて、バランスを取る方法もあります。初心者の方で手を握ると身体がグラついてしまう方はこのフォームがおすすめです。
上半身は背筋を意識すると仰向けプランクの効果を高めることができます。これは、リバースプランクで鍛えられる部位(ターゲット)に背筋があるためです。プランクに限らず、エクササイズというのは、鍛える部分を意識することで効果をより高めることができます。
正しい呼吸法を実施するのも効果を高めるポイントです。プランクで推奨される呼吸法は、基本的には「息を吐く」という動作であり、吸った息を長い時間をかけて吐き出すことを意識することが大切です。
息を吐いたときに背筋と腹筋が収縮するイメージで呼吸をします。ただし、吐いてばかりだと酸欠になるので注意です。ゆっくり呼吸をしつつ特に吐くことを意識しましょう。
NGフォームのプランクは、身体が一直線ではなく少し曲がった状態になるのですが、その原因はお尻にあります。お尻は、プランクで身体を支える肘もしくは脚と一番離れている部分になりますから、どうしても自重によるたわみが発生しやすい部分になっています。
だからこそ、お尻を意識することでそのたわみを抑制しようとする意識が働き、結果としてプランクの効果を最大化することができます。
リバースプランクだけではなく、通常のプランクと合わせてやるのがおすすめです。
リバースプランクでは主に背筋が鍛えられ、通常のプランクでは主に腹筋が鍛えられます。そのため、リバースプランクと通常のプランクを両方行うことでバランスよく腹筋と背筋を鍛えることができます。
プランクは体幹を鍛えるトレーニングであり、プランクだけでは激的に体重が落ちるということはありません。
ダイエット目的で行うのであれば、ウォーキングやジョギングなど有酸素運動の前に行いましょう。
上述したようにプランクには代謝を上げる効果があるため、有酸素運動の前にプランクを行うことで脂肪を燃焼させやすくなります。
リバースプランクには、様々な種類があります。
ハイリバースプランクは、肘をまっすぐに伸ばして仰向けで行うプランクです。
リバースプランクよりもハイリバースプランクの方が難度が高いように見えますが、前腕(ぜんわん)が使える分上半身が支えやすいため、実はこちらのほうが初心者にはおすすめです。ただし、手首が硬い人にとってはハイリバースプランクはむしろキツい種目でもあります。
ハイリバースプランクで鍛えられる部位は、基本的には、腹筋、背筋、臀部になり、慣れるまでは特に肩や腕にも刺激が入ります。特に背筋を稼働する必要があり、背筋を鍛えるためにも有効な種目です。
ハイリバースプランクのやり方
ハイリバースプランクは、自身の身体の状態を把握することが簡単なので、上半身から下半身がしっかりと真っ直ぐになっていることを意識しましょう。
ハイリバースプランクよりも負荷をアップさせたいという方にオススメなのが、片脚を上げて行うワンレッグリバースプランクです。
片脚をあげることで、体重を支える部位が少なくなるため負荷を上げることができ、特に臀筋とハムストリングスを効果的に鍛えることができます。
ワンレッグリバースプランクのやり方
この動きを一分間のインターバルを挟みながら左右10回ずつ行います。
上げた脚をゆっくりと下ろすことで、腹筋や太ももへ負荷がかかるので、脚を急に下ろすのではなく意識的にゆっくり下ろすのがポイントです。
リバースプランクツイストはリバースプランクの姿勢から左右に身体を動かすプランクです。
脇腹へ負荷をかけることができるため、身体を引き締める効果があります。
リバースプランクツイストのやり方
左右それぞれ1分間のインターバルを挟みながら10回行います。
できるだけリズムが一定になるように行うのがポイントです。リズムを一定にして行うことで均等に脇腹を鍛えることができます。リズムが崩れてしまうようであれば、一定のリズムでできるところでインターバルを挟みましょう。
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